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フェラーリのデザイナーが「ヘッドライト」について語る!ボクは常々「フェラーリのヘッドライトはコロコロ変わるのに、なぜどれもフェラーリに見えるのか」が不思議だった

2022/09/19

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| とくにフェラーリのヘッドライトのデザインはF12でLEDを採用して以来、大きく変化した |

さらにはその複雑さは他の自動車メーカーの追随を許さない

フェラーリは「世界で最も美しいSUV」と評される「プロサングエ」を発表したところですが、現在のフェラーリにおけるデザイン言語を構築したのはチーフデザイナーであるフラビオ・マンツォーニ氏、そして彼が率いるチェントロ・スティーレ(デザインスタジオ)。

そして今回、フェラーリ公式コンテンツ「The Official Ferrari Magazine(TOFM)」にて、ヘッドライトを語るコンテンツが公開されており、ここでその内容を紹介してみたいと思います。

フェラーリSF90ストラダーレのデザイン
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フェラーリはピニンファリーナへのデザイン委託から自社デザインへと切り替えた

フェラーリのデザインというとピニンファリーナが担当してきたことでも知られますが、フェラーリは458以降、自社による内製デザインへと切り替えており、そのデザイン部門を率いるのが上述のフラビオ・マンツォーニ氏。

ピニンファリーナのデザインというと彫刻のような塊感を重視し、なめらかな表面、可能な限り連続するラインをもたせ、凹凸やラインの断絶を極力避けてきたという印象がありますが、それ以降のフェラーリのインハウスデザインだと逆に凹凸が強調され、複数のラインを交錯させ、異なる要素を一つのクルマの中に介在させるという手法に転じており、それまでのピニンファリーナのデザインとは「似て非なるもの」。

どちらがどうとは論じることができず、その判断は個人の思考に委ねるしかありませんが、ぼくは基本的に現在のフェラーリデザインのほうが好みです。

ちなみにこちらはピニンファリーナによる458イタリア。

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こちらはフェラーリ内製デザインのF8トリブート。

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参考【動画】フェラーリF8トリブートのデザインは間違っている!458を絶賛するカーデザイナーがF8を再デザインして公開

| フェラーリは458よりあとの世代ではピニンファリーナを切り、自社デザインへと切り替えている | https://www.flickr.com/photos/110074903@N02/497635 ...

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クルマの「顔」はヘッドライトが決定する

そして今回フラビオ・マンツォーニ氏が語るのが「クルマには顔があり、そこでヘッドランプが果たす役割は非常に興味深い」とコメント。

同氏によれば「ヘッドライトは、人の顔で言えば目に相当し、それが無ければ、そのクルマを判別できなくなる」と考えているといい、そしてフェラーリは伝統に沿ってデザインされなければならず、一方では伝統に縛られないようにすることが重要である、とも(”偉大な名作は破壊的である”と語っている)。

加えて現代のフェラーリのデザインに際しては「現代性と独創的なアプローチが重要」であるとし、たとえばデイトナSP3だと330P3/4をモチーフにしつつも現代的なアプローチを取り入れていて、このヘッドライトは「格納式パネルを後方にスライドさせてヘッドライトの光源(LED)を露出させる」という構造を取っており、これはもちろんリトラクタブルヘッドライトを現代風に解釈したもので、「過去と現在、未来」とを結びつけたものだと説明しています。

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フェラーリのヘッドライトはこう進化してきた

そこでフェラーリのヘッドライトの歴史を見てみたいと思いますが、まずそのはじまり1939年に採用が始まった「シールドビーム・ヘッドランプ」で、これはパラボラリフレクター、タングステンフィラメント、レンズが一体化したもの。

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その後1962年にははじめてハロゲンヘッドランプが登場し・・・。

DSC04025

その後に登場したのがHID、そして現代のフェラーリに採用されるのがLED。

ちなみにLEDはHIDの3倍となる45,000時間の発光寿命を持ち、様々なカラーを表現でき、サイズもコンパクトであるためにデザイナーにとっては「多くの可能性を持つ」エレメントだと述べています。

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多くの自動車メーカーでは(フェラーリのデザイナーが認める通り)ヘッドライトはクルマの表情を形作るものだと捉えられているので、そのデザインを「大きく変えない」場合も多いと認識しています。※ポルシェやミニはそういった例の一つでもある

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ただしフェラーリの場合はけっこう大胆にその形状だけではなく構造をも変えているように思われ、世代によって大きな相違があるもよう。

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もちろんリトラクタブルヘッドライトや・・・。

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ヘッドライト内ハウジングをペイントしたものも。

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そして縦型に・・・。

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横方向にも拡大したデザイン。

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ハンマーヘッドシャークに・・・。

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横長デザイン。

なお、フェラーリによると、エポックメイキングなヘッドライトを採用したモデルとしては「カバーで覆われたヘッドライトとグリル埋込み型ドライビングランプを持つ375MM」、「カバー付き、もしくはオープンヘッドランプを選べた250カリフォルニアスパイダー(オープンヘッドランプを有するのは16台のみらしい)」、「プレキシガラスを採用した欧州仕様の初期型365GTB/4デイトナ」。

そしてLED登場によって劇的デザインが変化したのは458イタリアやF12ベルリネッタ、その後の488系、812系などで、LEDが縦に並ぶ下にプロジェクター式ヘッドライトが格納されています。

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さらにはモンツァSP1/SP2も非常に特徴的なヘッドライトを持っていますが、これだけ「クルマの顔」であるヘッドライトが変わっているにもかかわらず、フェラーリそれぞれのモデルは一見して「フェラーリである」とわかる識別性を持っていて、それこそがフラビオ・マンツォーニ氏のいう「伝統に沿ったデザイン」を行った結果なのでしょうね。

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参照:Ferrari

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