| フェラーリは通常、ユーザーが独自に改造したクルマを「認めない」が |
数少ない例外がこのミンティフォーティである
さて、ちょうど1年前には「世界唯一のミントグリーンのF40」、通称ミンティ・フォーティが登場しネット上を賑わせていますが、今回そのミンティ・フォーティがRMサザビーズ主催のオークションにて登場するとして大きな話題に。
なお、「ミントグリーンのフェラーリ」というと、ある種のフェラーリに対する冒涜のようにも思えますが、実はこのカラーは「スターリング・モス卿のために作られた250GTO」にインスパイアされたもので、さらに昨年にはアマルガムに対し1/8および1/18スケールモデル製作のライセンスを与えるなど業界に大きな衝撃を与えたクルマでもありますね。
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ミントグリーンのフェラーリF40「ミンティグリーン」はこんなクルマ
そこでこのフェラーリF40を見てみると、まずシャシーナンバーは88538、そしてもともとのボディカラーは(ほかのF40同様に)ロッソコルサ。
新車時にはドイツのオーナーへと納車されており、その後にはドイツ・フェラーリ・クラブ会長が購入したものの1998年にはクラッシュを喫してしまいオランダのバイヤーへと売却されることに。
そして修復の際にはロッソコルサへとペイントされ、その後に2014年にオークション経由にて別の所有者へと売却され、さらに2021年には現在のオーナーが購入することに。
そしてこの購入者はF40を「ほかにないユニークなクルマ」に仕上げることを決意し、上述の「スターリング・モスのために作られた250GTO」つまりシャシーナンバー3505にインスピレーションを得たミントグリーンへとペイントしています。
そしてこの際にインテリアも現在のブルーへと張り替えられられることとなっており、つまりは内外装ともに「まったく本来の仕様の面影を残していない」ということに。
なお、フェラーリはユーザーが(たとえ自身の車両であっても)フェラーリの意に沿わない改造を行うことを非常に嫌っていますが、このF40については(スターリング・モスへのオマージュということもあってか)フェラーリ自身もこの車両を認めており、というのも上述の通りアマルガムへとライセンスを供与しているため(フェラーリとアマルガムはパートナーシップ関係にあり、フェラーリの許可なくしてライセンスの取得はできないものと思われる)。
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なお、現在の走行距離は約31,000km、そのほか特筆すべき点は2022年に燃料タンクが交換されていること、そしてマッチングナンバーのエンジンとトランスミッションが保持されていること、そして過去18ヶ月には43,000ユーロ以上(約700万円)が維持点検に費やされたこと。
そしてこの”ミンティフォーティ”については190万ドル(現在の為替レートでは2億8000万円)から250万ドル(3億8000万円)で落札されるものと見られており、最終の落札結果が気になるところです。
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参照:RM Sotheby's