| もっとも高価なフェラーリ、つまり世界でもっとも高価なクルマ、ということに |
1964年製フェラーリ275GTB/Cスペチアーレがオークションに登場する可能性。
このフェラーリ275GTB/Cスペチアーレは250GTOの後継としてわずか3台のみ製造されたうちの一台で、1965年のル・マンで優勝を飾った車体そのものだそうです。
ちなみに「元」持ち主はコレクターでもありレーシングドライバー、またレースチームオーナーでもあった「プレストン・ヘン」氏。
同氏はこの車を大変気に入っており、生前は売ることを考えなかったものの、同氏が先月末に86歳でなくなったことで事態が急変し、今回売却の可能性が出てきたようです。
エンジンは3.3リッターV12でドライサンプ、フェラーリ250LM譲りのウェーバー製キャブレターを持ち330馬力を発生。
2014年のオークションにおいて275GTB/Cは29億円もの価格で落札されており、今回オークションに登場すれば、おそらく115億円という「史上最高額」も予想されており、つまりこの世で最も高価な車となりそうですね。
オークションにおける高額なメーカーの常連は「フェラーリ」「ベントレー」「ジャガー」ですが、これらの中でもル・マンなどレースでの優勝経験がプラスされると一気に落札価格が跳ね上がる傾向にある模様。
過去に日本のコレクターがプレストン・ヘン氏にこの車の購入を50億円で持ちかけたところ、ヘン氏は「その話はするな」と一蹴したというエピソードも残っており、「史上もっとも入手困難なフェラーリ」であるとも言えます。
なおフェラーリのF12ベースのワンオフモデル、「SP275 RW コンペティツォーネ」はこのル・マンで優勝した275GTB/Cをモチーフとしたことでも有名ですね。
ちなみにこのプレストン・ヘン氏ですが、以前に「フェラーリに1億円の小切手を送ったのにラ・フェラーリ・アペルタを売ってもらえなかった」として訴訟を起こし、その後「フェラーリよりホンダNSXのほうがずっといい」とネガティブキャンペーンを展開した人物。
合計100億円を超えるフェラーリをコレクションしているとされますが、フェラーリ側は同氏について「ラ・フェラーリ・アペルタのオーナーにふさわしくない」という結論を下しており、過去に両者の間でなにかがあったのかもしれません。
プレストン氏の死去により、今回のフェラーリ275GTB/Cのほか、希少なフェラーリが数多く市場に出てくる可能性もありそうです。