一年に1台以上のペースで限定モデルやバリエーションが増加していた
さて、「ランボルギーニ・アヴェンタドール登場の2011年から2019年まで」という動画公開に。
動画では限定モデル含むアヴェンタドールそれぞれの解説が行われており、当時のプロモーションビデオ、発表の様子なども収録されていますが、ここでぼくもアヴェンタドールについてその「歴史」をまとめてみたいと思います。
「アヴェンタドール」は2011年登場
ランボルギーニ・アヴェンタドールは「ムルシエラゴ」の後継モデルとして2011年に登場。
”アヴェンタドール”という単語はスペイン語で「ふいご(火を起こす時に使うポンプみたいやなやつ)」の意味ですが、ランボルギーニ・アヴェンタドールの場合は「ふいご」ではなく、ランボルギーニの伝統に則って闘牛の名から取られており、これは1993年年に活躍した勇猛果敢な牛の名から。
ランボルギーニ・アヴェンタドールLP700-4(2011)
まずはクーペからの発売で、エンジンは6.5リッターV12、700馬力(0-100キロ加速は2.9秒、最高速度は350km/h以上)。
登場時期を考えると「直噴化」されていないのがちょっと不思議なエンジンですが、これはガヤルド/ウラカンのようにアウディとの共通性を持たない「ランボルギーニ独自の」エンジン。
加えてトランスミッションもランボルギーニ独自のシングルクラッチシステム「ISR(インディペンデント・シフティング・ロッド)」を採用し、これも他モデルとは共通性のない「アヴェンタドールのためだけの」設計となります。
ボディ構造は「カーボンモノコック」を採用し他車種とは一切共有されることがないもので、「ガルウイング(シザース)ドア」とともに、フラッグシップたるアヴェンタドールだけに与えられたもの。
このあたり、ランボルギーニが「V12」と「V10」モデルを明確に区別していることがわかりますね。
ランボルギーニ・アヴェンタドールLP700-4ロードスター(2012)
そしてその後に登場したのがアヴェンタドールLP700-4ロードスター。
エンジンやドライブトレーンはクーペ版のアヴェンタドールと同一で、「デタッチャブルトップ」を備えることが特徴です。
「ガヤルド」「ウラカン」といったV10モデルのオープン版は電動ソフトトップを持ちますが、V12モデルについてはソフトにせよハードにせよ「取り外し式」トップを採用している、ということになりますね。
ランボルギーニ・アヴェンタドールJ(2012)
そしてアヴェンタドール最初のワンオフモデルが「アヴェンタドールJ(イオタ)」。
これはスペインの顧客がオーダーしたものだとされ、正真正銘のワンオフモデル。
ジュネーブ・モーターショーにて発表され、プロモーション動画も公開されています。
なお、発表前のティーザー動画では「UNICO」と表現されており、これが名称になるのではという噂もあったものの、「UNICO」は「唯一の」という意味で使用されており、ランボルギーニはワンオフモデルであることを指すために使用したようですね。
ランボルギーニ・アヴェンタドールLP720-4 50°アニヴェルサリオ(2013)
ランボルギーニ50周年記念モデルとして2013年の上海モーターショーで発表されたアヴェンタドール50°アニヴェルサリオは「クーペ」「ロードスター」それぞれが200台づつ限定生産されています。
エンジンはその名の通り「720馬力」へとパワーアップされ、その前の「アヴェンタドールJ」、この後の「アヴェンタドールSV」との共通性を持つエアロパーツを装備しますが、このモデル独自のデザインも多く、ぼくの考える「もっとも格好良い」アヴェンタドール。
ちなみに所有者がなかなか手放さない車両でもあり、めったに中古市場に出ないことでも知られます。
ランボルギーニ・アヴェンタドールLP700-4 ピレリ・エディション(2014)
ランボルギーニにしては珍しい、「外観」に特化した限定モデル。
パートナーシップにあるタイヤメーカー「ピレリ」とのコラボレーションモデルで、タイヤに「レター」を載せたことがトピック。
ボディの上半分と下半分のカラーが異なり(いくつかカラーバリエーションがある)、レッドがアクセントに使用されることも特徴で、同様のカラーリングを取り入れたカスタムカーも登場しています。
このタイヤレターはのちに大変な流行となり、ピレリは同様のデザインを持つタイヤ「カラー・エディション」を発売していますね(ここまで鮮やかに色は出ていない)。
ランボルギーニ・アヴェンタドールLP750-4 SV(2015)
ニュルブルクリンクで「7分切り」を達成したアヴェンタドールSV(スーパーヴェローチェ)。
出力は750馬力、0-100キロ加速は2.8秒、最高速は350km/h以上。
クーペ600台、ロードスターが500台限定で販売されており、アグレッシブなエアロパーツ、リアウイングが外観上の特徴です。
ランボルギーニ・アヴェンタドールLP700-4 ミウラ・オマージュ(2016)
ミウラの誕生50周年を記念し、50台限定で発売されたレアものアヴェンタドール。
ミウラ同様のボディカラーそして塗り分けを持ち、ボディ下部がゴールドやシルバーにペイントされることが特徴です。
エンスージアスト対象の限定モデルでもあり、発表の場は「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」。
当初はグリーンとオレンジのみという話でしたが、のちにブラックやネイビーも存在していたことが判明しています。
ランボルギーニ LP740-4 アヴェンタドールS(2016)
アヴェンタドールのフェイスリフト版という位置付けの定番モデル、「アヴェンタドールS」。
出力は740馬力へ向上し、リアのホイールアーチが「カウンタック」風に、そしてダウンフォースも30%増しとなり、後輪操舵も与えられて運動性能も一気に向上しています。
0-100キロ加速は2.9秒、最高速度は350km/h以上。
デビュー当初は「LP740-4」という、それまでのランボルギーニの命名法則による「エンジン搭載方式+馬力、駆動方式」というサブネームを持っていたものの、のちにランボルギーニCEOがステファン・ヴィンケルマン氏からステファノ・ドメニカリ氏へと交代するにあたり「LP+駆動方式」という表記が消滅し、その名称が「アヴェンタドールS」に。※同時にウラカンからも「LP610-4」という記載が消えている
ランボルギーニ・アヴェンタドールS ロードスター(2017)
その後に登場したのがオープンモデルの「アヴェンタドールSロードスター」。
ルーフはデタッチャブル式ハードトップを継続採用しています。
ボディカラーには「ラメ」っぽい輝きを持つ「グリッター」が登場し、内装カラーもエレガントな仕様が「アドペルソナム」で選択できるようになるなど、ランボルギーニがその選択肢を増やしてきた時期でもありますね。
ランボルギーニ・アヴェンタドールSロードスター 50thジャパン・アニバーサリー・エディション
日本でのランボルギーニ展開50周年を記念して5台のみが製作されたスペシャル版のアヴェンタドール。
「水」「地」「風」「空」「火」という5つの異なるテーマをモチーフとし、ことなる色味を用いたグラデーションで仕上げられるという特別なアヴェンタドールSロードスターとなります。
ディーラーが仕様地向けに特別仕様車をオーダーすることはあるものの、ランボルギーニ本体がこういったスペシャルモデルを市場向けに投入することは稀で、それだけ日本が特別な市場であるということがわかりますね。
ランボルギーニ・アヴェンタドールSVJ(2018)
そして(ウラカン・ペルフォルマテの樹立した)ニュルブルクリンク最速の記録をポルシェ911GT2RSに破られ、そのリベンジとなる「ニュル最速(6:44.97)」を再び打ち出したアヴェンタドールSVJ。
0-100キロ加速は2.8秒、最高時速は350km/h以上というスペックを誇り、エクステリアデザインは新しく就任したデザイナーによるもので、ここからランボルギーニのデザインが徐々に変わってゆくことになりそうですね(すでに、アヴェンタドールSVJには、これまでに見られないようなデザインも盛り込まれている)。
ランボルギーニ・アヴェンタドールSC18(2018)
そしてこちらもアヴェンタドールJ同様、個人オーナーのオーダーによるワンオフモデル「アヴェンタドールSC18」。
SCはランボルギーニのモータースポーツ部門「スクアドラ・コルセ」を指し、当然ながらスクアドラ・コルセによってパフォーマンスが高められたモデルということになります。
こうやってみると、けっこうアヴェンタドールはマメにバリエーションを展開して限定モデルを発売してたんだなあという印象ですが、このペースをみると2019年以降もなんらかの限定モデルや特別バージョンが追加されることになりそうですね。