| パワーこそ控えめだが、そのハイブリッドシステムには「世界初」が詰まっている |
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ランボルギーニが新型ハイパーカーにして超限定モデル、「Sián(シアン)」を発表。
ベースとなるのはアヴェンタドールで、6.5リッターV12エンジンにマイルドハイブリッドをプラスして819PSを発生します。
ハイブリッドシステムのベースはランボルギーニが属するフォルクスワーゲングループ得意の48ボルトシステムを使用しており、加速時に「パワーブースト」として機能する他、ちょっとした移動や駐車時などの低速時には、これ単体での走行が可能とのこと。
ハイブリッドシステム単体の出力、トータルでの出力自体は眼を見張るものではありませんが、そこにはいくつもの「世界初」そして画期的な技術が内包されており、ここでそれらを見てみましょう。
なお、ランボルギーニ・シアンのサマリーは下記のとおり。
・V12エンジンと画期的なハイブリッドテクノロジーとの組み合わせによる未来のスーパースポーツにおける理想的な設計 ・世界初のスーパーキャパシタ使用によるハイブリッド ・内燃機関とエレクトリックパワーとのコンビネーションによって819HP発生 ・ランボルギーニ史上最もハイパワー、そしてパワーウエイトレシオに優れるV12モデル ・0-100キロ加速は2.8秒、最高速度は350km/h ・「Sián」は(ランボルギーニ本社のある)ボローニャ地方の方言で「閃光」「稲妻」を表し、ランボルギーニ初のプロダクションハイブリッドカーを表現 ・63台のみが限定にて生産され、これは1963年のランボルギーニ創業年にちなんでいる |
ランボルギーニはバッテリーの代わりにスーパーキャパシタを採用
このハイブリッドシステムには2つの特徴があり、ひとつは「ダイレクトにホイールを駆動すること(詳細は不明。追って動画等公開されると思われる)」、通常のハイブリッドカーが使用するリチウムイオンバッテリーに代わってスーパーキャパシタを使用したこと。
スーパーキャパシタは一言でいうと「コンデンサ」ですが、すでにアヴェンタドールのバッテリーに使用されており、ランボルギーニはこれをハイブリッドモデルに使用することも以前に示唆していますね。
そしてこのスーパーキャパシタの特徴は「リチウムイオンバッテリーの3倍の容量がある」、つまり同じ容量であれば「重量は三分の一」。
このスーパーキャパシタはキャビンとエンジンルームとの中間にマウントされ、ミドシップスポーツとしての「中央への重量物の集中」を助けているようですね。
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シアンのパワーウエイトレシオはランボルギーニ史上「最も優れる」
そしてランボルギーニいわく、このハイブリッドシステムの重量はトータルでわずか34kg。
これによってシアンのパワーウエイトレシオはアヴェンタドールSVJを凌駕するに至っています。
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ガソリンエンジンそのものはアヴェンタドールSVJと同じ6.5リッターV12ですが、出力は770馬力から785馬力にまで高められ、これに34馬力のハイブリッドシステムをプラスして「819馬力」。
なお、エンジンには新たにチタン製のインテークバルブが組み込まれており、レスポンスを向上させている、とのこと。
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なお、ランボルギーニ・シアンは回生ブレーキを搭載しており、これはランボルギーニの内製。
というのも回生ブレーキの多くはエコを目的にしたハイブリッドカーに搭載されるもので、スーパースポーツとはバランスが取れないため。
よってランボルギーニは「スーパーカー向けの」回生ブレーキを開発し、130km/hまでの速度域までにおいてパワーを開放することで「ブースト効果」を得ることが可能となっています。
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そのため、0-100キロ加速こそアヴェンタドールSVJと変わらない2.8秒ではありますが、70km/h~120km/h間における加速タイムはアヴェンタドールSVJに比較して1.2秒向上している、とのこと。
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ランボルギーニは以前に「数字としてのパワーよりも、実際に使えるパワーが重要」と語っていて、まさに今回のハイブリッドシステムは「ピークパワー」の向上よりも実用域でのパワー感を向上させたものだと言えそうですね。
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もちろん限定台数63台のシアンはすべて完売しており、ランボルギーニによれば、これらシアンは一台一台がオーナーの好みに従い、アドペルソナム(ランボルギーニのパーソナリゼーション部門)によって個別の仕様が与えられるとのこと。
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「 Sián」は”閃光””稲妻”を表す新世代のクルマ
ランボルギーニはこのシアンについて、ランボルギーニのエレクトリック化、V12エンジンの生き残りにおける最初のステップだとしています。
そして「 Sián 」とは、ランボルギーニ本社のあるボローニャ地方の言葉で「閃光」「稲妻」をあらわし、ランボルギーニ初のハイブリッドカーを表現している、とのこと(電流や、クルマそのものの速さをイメージしているものと思われる)。
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なお、ランボルギーニはこれまで各モデルについて「闘牛」の名を伝統的に採用することがほとんどで、「アヴェンタドール」「ムルシエラゴ」「ディアブロ」といった過去のV12モデル、「ヴェネーノ」「レヴェントン」といった限定モデルの多くもその命名法則に従っています。
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参考までにランボルギーニがコンセプトカーとして発表した「アステリオンLPI910-4」の”アステリオン”は闘牛の名ではなく、ミノタウロスの別名で、「半分人間、半分牛」のハイブリッド。
よってランボルギーニは「初のハイブリッドカー」にこの名称を与えたのだと思われますが(一応”牛”にも関連している)、今回の「シアン」については全く異なる命名方法を用いており、つまりは新しいランボルギーニがここからはじまる、ということを強く主張したいのかもしれません。
なお、そのほかにも「新しさ」は随所に見られ、「ゴールド」のLamborghiniエンブレムもこれまでには見られない意匠であり、リアエンドの「フィン」もまた同じく新しいデザイン。
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ランボルギーニのチーフデザイナーは2017年の「テルツォ・ミッレニオ」からミッチャ・ボルカート氏にスイッチしており、よってそれ以降の「アヴェンタドールSVJ」「ウラカンEVO」はそれまでのランボルギーニ(フィリッポ・ペリーニ氏のデザイン)とはかなり印象が異なります。
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具体的には「凹凸が多い」「フィンが多い」といった印象を受けていますが、これまでのランボルギーニ比較すると、よりエクストリームな雰囲気を持っているようですね。
一方でランボルギーニは「過去」も強く意識
なお、この「シアン」のデザインは基本的に、そのコンセプトカー「テルツォ・ミッレニオ」のイメージを反映させたもので、フロントのY字形に光るランプにその類似性を見ることができます。
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一方で(公式発表はないものの)シアンにはランボルギーニの過去モデルのデザインも多数取り入れられている、とも考えています。
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たとえばシアンのサイドウインドウのグラフィック(リアクォーターウインドウの端が切り上がっている)は現行ランボルギーニには採用されていないデザインですが、かつての「ミウラ」に採用されたもの。
加えてCピラー、各パネルの間に見られるルーバーもまた、ミウラへのオマージュだと考えているわけですね。
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そしてルーフ中央のくぼみからリアフードまでの流れはランボルギーニ・カウンタック。
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テールランプの「3連」はシアンのデザイン的特徴のひとつですが、これは公式にカウンタックの「3連」ランプユニットにインスパイアされた、と語られています。
そのほか、シアンのフロントフードのプレスラインもカウンタックを彷彿とさせる部分ですね。
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なお、シアンのオフィシャルフォトに採用されるグリーンのようなボディカラーは、ぼくにランボルギーニ・ブラボー(1974)を思い起こさせます。
ブラボーはベルトーネによるコンセプトカーで、市販されずじまいではあったものの、リアのホイールアーチ形状、5穴”リボルバー”ホイール、強いウェッジシェイプ等は「カウンタック」に強い影響を与えており、やはりこのブラボーも、ランボルギーニの歴史を語る上で外すことができない一台だと考えています。
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ランボルギーニ・シアンのインテリアはこんな感じ
こちらはランボルギーニ・シアンの内装。
基本的にはアヴェンタドールを踏襲しているものの、やはりシアンならではの新しい要素も多数。
シート形状、メーターフード、センターコンソール形状が変更され、レザーやアルカンタラの「切り返し」もこれまでにないパターン。
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メーター内の表示のハイブリッドカーということで変更を受け、ステアリングホイールのスポークたセンターコンソールのパネルはカーボン製に。
インフォテイメントシステムは「ウラカンEVO」で導入されたものと同じように見えますが、もちろん表示は専用となりそうです。
ダッシュボードとドアインナーパネルとのつながりが強調され、「囲まれ感の強い」コクピットという印象ですね。
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VIA:Lamborghini