| カウンタックLP400が製造されたのは157台のみ、なかなか売り物が出てこない希少車 |
しかもこの個体はデザイナーであるマルチェロ・ガンディーニのサイン入り
さて、「今が旬」のランボルギーニ・カウンタックですが、「カンタックLP400ペリスコピオ」がオークションへと登場する予定。
これはRMサザビーズの開催する競売に出品されるもので、わずか157台しか生産されていない初期モデルのうちの一台として大きな話題を呼んでいます。
なお、初期モデルの特徴のひとつとして「ペリスコピオ(ペリスコープ=潜望鏡)」と呼ばれる斬新な後方確認用ミラー(とルーフの凹み)を採用していることが挙げられ、これはカウンタックの独特なボディ形状に起因する後方視界の悪さをカバーするために考案されたもの。
このペリスコープはそれ以降に発表されたLP400Sには継承されず、しかしカウンタックのプロトタイプでもある「LP500」にも装備されていたため、LP400は「より(デザイナーの)マルチェロ・ガンディーニの思想を忠実に再現したモデル」として高い人気を得ているわけですね。
-
ランボルギーニが「カウンタックの元祖」、LP500プロトタイプを現代に再現!当時の実車はすでに失われており、記録と記憶を頼りにゼロから1台のみを作り上げる
| まさかランボルギーニがカウンタックLP500の再現を行うとは | おそらくこのカウンタックLP500は公道を走行することができないと思われる さて、ランボルギーニ・カウンタックは今年で50周年を迎 ...
続きを見る
そしてボディサイドにはベルトーネ(マルチェロ・ガンディーニは当時ベルトーネに在籍していた)によるデザインを示すバッジつき。
この個体は「55番目に製造されたカウンタック」
このカウンタックは「55番目に製造された」個体としても知られており、新車時にはミラノの顧客へと届けられ、その後1977年にはボローニャのオーナーへと売却されています。
さらに同じ1977年にはアメリカへと輸出され、ペンシルバニア州ピッツバーグのオートパレスへと納入されたのち、ウォーカー・インマン・ジュニア氏なる人物が12年間所有し、その後カリフォルニア内にて3人のオーナーの手を経ることに。
なお、2003年に開催されたカリフォルニア・コンクールでは、カウンタックのデザイナーであるマルチェロ・ガンディーニ氏がダッシュボードにサインを書き入れるなど、非常に高いコレクション価値を持っています。
車両に付属する書類によると、2006年から2007年にかけて、カリフォルニアのボビレフ・モーターカー・カンパニーにて約6万ドルをかけた再整備が行われ、この際にはエンジンのリビルトや外装・内装の手入れが行われることに。
その後2007年にドイツのオーナーの手に渡り、ヨーロッパに戻ることとなったそうですが、とてもその過ぎ去った年月を感じさせない美しさを持っているようですね。
カウンタックLP400「ペリスコピオ」のインテリアや細部はこうなっている
そしてこちらはカウンタックLP400ペリスコピオのインテリア。
多少レザーの劣化は見られるものの、素晴らしいコンディションを持っていると言って良いかと思います。
シートはカウンタックLP500にて採用されていた、ブロック状の表面を持つ「チョコレートバー」ではなく、しかしその雰囲気を残した「ブロックステッチ」へ(製造上の理由)。※ルーフに「ペリスコピオ」が見える
トランスミッションはもちろん5速マニュアル。
この「ゲート式MT」がなんとも「スーパーカーな」雰囲気を出していますね。
こちらは意外と見ることがないフロントトランク。
テンパーではなくフルサイズのスペアタイヤが収まっていますが、タイヤそのものは標準だとミシュラン製、サイズはフロント205/70VR14、リアだと215/70VR14。
車載工具はけっこう立派(スペアタイヤの内側に入っているのだと思われる)。
願わくばこれらの工具を使用したくないものですね。
エンジンは4リッターV12。
「扱いやすさ」の観点から、LP500にて採用していた5リッターエンジンをダウンサイズしています。
ランボルギーニ・カウンタックは、間違いなく20世紀を代表するスーパーカーのひとつであり、しかもこのLP400ペリスコピオは、コンセプトカーであるLP500で採用されたランボルギーニの大胆なオリジナル・ビジョンを色濃く反映したモデルとして高く評価されていて、さらに今回出品される個体は優れたコンディションに加え、マニュアル、イタリアで登録された際のナンバープレート、スペアホイール、ツールキットなどの付属品が揃うということもあり、最高で90万ユーロ(約1億2000万円)の値がつくのでは、と見られています。
合わせて読みたい、ランボルギーニ・カウンタック関連投稿
-
「50年ぶりの復刻」、ランボルギーニ・カウンタックLP500がサーキットを走る!ボクだったらついつい「もったいない」と考えるが、これがスーパーカーの真の姿かも
| ランボルギーニは「その形を蘇らせる」だけではなく、完全に機能することも証明してみせた | このカウンタックLP500は現在ランボルギーニ本社併設博物館にて展示中 さて、ランボルギーニが「カウンタッ ...
続きを見る
-
レストア経験なし、しかし新車コンディションのランボルギーニ・カウンタックLP500Sが競売に登場!いくらの値がつくか注目の的に
| これ以上のコンディションを持つLP500Sは他になさそう | https://www.flickr.com/photos/110074903@N02/49847948508/in/datepost ...
続きを見る
-
現在、もっとも安く買えるランボルギーニ・カウンタック?2008年にレストアのために解体されて以来、レストア業者が倒産し「そのまま」になっていた個体が競売に
| しかもこのカウンタックは稀少な右ハンドル仕様 | 完成までにかかるコストを考慮しても「投資」としては有効か さて、レストア途中のランボルギーニ・カウンタックが今月末に英国にて開催されるオークション ...
続きを見る
参照:RM Sotheby's