| スティーブ・ジョブズはクルマ好きでも知られていた |
「もしスティーブ・ジョブズがホンダ・プレリュードをカスタムしていたら、こうなっていただろう」と言われるほどのカスタム・プレリュードが登場。
スティーブ・ジョブズ自身もかなりなクルマ好きとして知られ、ポルシェ911/928やメルセデス・ベンツSL等を所有してきたことが知られています(ドイツのスポーツカーが好きだったようだ)。
なお、ナンバーをつけるのが嫌だったようで、当時のカリフォルニアの法規にて「クルマを購入した後、ナンバーを付けなくてもいい3ヶ月の間(北米では、クルマを買ってすぐ乗って帰り、ナンバーを後で付ける)」に次々とクルマを買い替えていた、とも報じられますね。
ただ、所有期間がいずれも「3ヶ月未満」だったせいか、カスタムを好んで行っていたという記録はなく、しかし晩年には「アップルカー」も企画しており、どこかで自動車ビジネスに関わりたいという思いがあったのは間違いなさそう。
有名カスタムビルダーが心血を注いでカスタム
このホンダ・プレリュードについては、同じくプレリュードのカスタムにて数々の賞を獲得した「ビッグ・マイク」なるビルダーが手がけたそうで、完全に車両を分解した後に「自分が理想とする」クルマを作り上げた、とのこと。
ボディ形状だとフロントバンパーやフェンダー、ヘッドライト、ドアミラーなどが加工され、オリジナル形状へと変更されていますね。
ボディカラーには「グレー」が採用され、これは現在アメリカ西海岸を中心に人気が出ている色であり、多くのカスタムカーが採用しています。
そのほか、もちろん車高も落とされ、ホイールはボルクレーシングに交換済み。
こちらは「フューエルフィルター」だと紹介されていますが、トランク内で「普段見えない部分」と言えども手を抜いておらず、「完璧な左右対称」にこだわった部分だそう。
なお、スティーブ・ジョブズは基盤のパーツの配置にまで美しさを求め(庭園のような美しさを求めたという)、「そんなものは誰も見ない」と反論したアップルの技術者に対し、「いや、オレが見る」と言い放って反対意見を跳ね除けた、という話も。
エンジンルームも完全にカスタム。
エンジン自体には手が入っていないものの、補機類はほぼ全てが入れ替えられ、タービン(ギャレットGTX28)が装着されて大幅に出力アップ(VTECターボ)。
タワーバーもワンオフで制作されています。
バルクヘッド付近にはこういった化粧プレートも。
ざらついた質感を持っていますが、これもやはりアメリカにおけるカスタムではよく見られるもの。
ボルト類にもこだわっていることがわかります。
このホンダ・プレリュードのインテリアはこうなっている
そしてこちらはインテリア。
もとの内装は全部はがされ、ロールケージが目立たないように組まれています。
内装素材は「レザー」ではなく光沢を抑えたファブリックやアルカンターラで統一しているようですね。
外から見て「青く」内装が見えるのは、室内に仕込んだLED」のせい。
特筆すべきはこのシフトレバー。
ビレット仕上げで、レバーの高さなどの調整が可能となっています。
もちろんシフトレバーは「ステアリングホイールから手を離す時間が最短で済むよう」可能な限りステアリングホイールに近づけられることに。
エンジンスタートやライト点灯、おそらくはウインカー操作もダッシュボードにあるパネル上にて。
最近の(アメリカにおける)カスタム車では、こういった「ボタン操作」を取り入れる事例が多いように感じます。
そしてこういった「シンプル」もスティーブ・ジョブズが好んだ部分でもありますね。
ホンダ・プレリュードは元祖「デートカー」
以上がこの「スティーブ・ジョブズ並の」完璧さを追求したホンダ・プレリュード。
ちなみにぼくはホンダ・プレリュードに「2台続けて」乗っていて、この「BA8/9、BB1/2/3/4型」プレリュードを所有していたことも。
この後のプレリュード(BB5/6/7/8)ではFFながらも左右駆動力分配システムであるATTSを装備しており、これは後にレジェンドやNSXに採用されるSH-AWDへと発展しており、かなり革新的なクルマであったと思います。
なお、プレリュードは元祖「デートカー」でもあり、運転席側から「助手席を一発で倒せる」レバーが装着されていたことでも知られていますが、ぜひ復活させて欲しいクルマでもありますね。