| なんといっても”マニュアル・トランスミッション”は市場価値が高い |
米中古車売買サイト、Bring a Traileにて2004年モデルのホンダ(アキュラ)NSXが登場し、現在オークション形式にて販売中。
画像からも推測できる通り非常に優れたコンディションを維持しており、走行距離はなんとわずか3,000キロを刻むのみ。
なお、北米に輸入された2004年モデルのNSXはわずか197台とのことで、しかもこのクルマは希少な「マニュアル・トランスミッション」を持っていることから「相当な高値になるんじゃないか」と注目を集めているようですね。※現在は1400万円くらいまで上がっている
値段が”上がらない”要素は一つもない
このNSXのボディカラーはシルバーストン・メタアリッック、インテリアはオニキス・ブラック。
人気色のひとつと言ってもよく、流行に左右されないボディカラーでもあり、これもまた高値になりそうな一つの要因ですね。
なお、NSXは2005年に発売されていますが、当初のI型、1997年からのII型、2001年からのIII型に分類され、このNSXはもちろんIII型(しかも生産終了となる2005年モデルの1年手前)。
III型の特徴としてはヘッドライトが固定式となったこと(キセノンランプが導入されている)、さらにはフロントフード、テールランプ等にも変更が加えられることに。
ヘッドライトの変更については、ポップアップ構造を廃することで軽量化を図るという目的のほか、欧州でのデイタイムラニングランプ法施行にあわせたためだと言われます。
ホイールは新デザインの17インチ。
ヘッドライトが固定式となることで、それまでのNSXとは大きく印象が異なることに(ぼくはやっぱりリトラクタブルヘッドライトの方が好きだ)。
リアのガラスハッチを開くとこう。
ここからエンジンルームに(カバーを外して)アクセスできます。
こちらはエンジンルーム。
エンジンはもちろん3.2リッターV6、北米仕様の出力は290馬力です。
ちなみに、2005年で生産終了となったのは、2006年から施行された、新しい排ガス規制に対応させるのに多大なコストが必要であり、しかしそこまでの費用をホンダが(NSXに)投じることができなかったため。
こちらがリアのトランク。
リアに個別のトランクを持つのはミドシップスポーツとしては非常に珍しく、NSXのほかはトヨタMR2、そして新型コルベット(C8)くらい。
ホンダNSXがリアにトランクを設けたのは「ゴルフバッグが積めないと売れない」という現場の声を反映したものだと言われ、この話が拡散すると一気にNSXは「日和ったスポーツカー」と非難されることに。
ただしホンダのエンジニアは、リアにトランクを設置したのは「空力性能(高速安定性)を向上させるために車体後部を延長し、その結果としてトランクスペースを設置することができただけ」と語っています。
こちらはフロント。
ポルシェ911/718、フェラーリやランボルギーニのミドシップカー、マクラーレン、C8コルベット、アルピーヌA110とは異なり、フロントには一切モノを積むことができないということになりますね。
インテリアの程度も良好。
サイドシルはけっこう低く、しかしここはもうちょっと思い切って「高く太く」してよかったのかもしれませんが、当時はそういった考え方自体がなかったのかもしれませんね。
やはり「マニュアル・トランスミッション」は魅力的。
これが最大の目玉となり、オークション終了間際には大きく価格が上昇するかもしれません。