| もともと軽量なシビック・タイプRのホイールを10キロも軽量化できるとは |
ホンダは先日、「新型シビック・タイプRリミテッド・エディションが、鈴鹿サーキットにおいて(ルノー・メガーヌR.S.トロフィーRの持つタイムを書き換え)FF最速となるコースレコードを樹立した」を発表していますが、今回はそのタイプRリミテッドに装着される「鍛造BBS軽量ホイール」を紹介する動画を公開しています。
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このシビック・タイプRリミテッドは、通常のシビック・タイプRに比較して33.6kgの軽量化を果たしており(仕様地によっては最大47kg)、サスペンションやステアリング関係についても”現存するハッチバックの中では、もっともダイナミックなフィードバック”を実現するなど、通常のシビック・タイプRを超えるべくチューンがなされたハードコアモデル。
やはりスポーツカーに重要なのは軽量性
そしてシビック・タイプRリミテッドにおいて最も重要なのは「軽量化」ということになりそうですが、その中でも大きなウエイトを占めるのが「ホイール」。
タイプRリミテッドに採用される軽量ホイールは4輪で10kgの軽量化に成功しているとアナウンスされており(そのほか遮音材やワイパーなどの除去で-12.7kg)、とくに回転系やバネ下部分の軽量化は”そのほかの部分の3倍に相当する”効果があると言われるだけに相当な威力を発揮しそう。
ちなみにぼくはホイール(の軽さと精度)にはかなり高いこだわりをもっていて、これまでに乗ってきたクルマの多くは純正オプション/車外品にかかわらず鍛造ホイールもしくは軽量ホイールを装着しています。
もちろんそれは「効果が体感できるから」であり、たとえサーキットを走らなくとも、日常的な走行場面において、加速時やレーンチェジの際に体感できる、と考えているわけですね(かつて、実際にそう感じたことがあるために、現在に至るまでホイールに高いお金を払い続けている)。
ホンダは今回のシビック・タイプRリミテッドにおいて「完璧」を追求することになりますが、そこで外せないのがホイールの軽量化(と精度と強度)。
タイプRリミテッドには軽量鍛造ホイールしかない、と考え・・・。
鍛造ならBBSしかない、という結論に。
ちなみにBBSについてはぼくも高く評価しており、それは「軽量、かつ”しなやか”」だから。
たとえば同じように軽量で知られるレイズ製ホイール(しばらくTE37を愛用していた)、OZ製ホイール(ウルトラレッジェーラ/スーパーレッジェーラを使用してきた)だと、非常に軽いというBBS同様の用件を満たしているものの、若干「硬すぎて跳ねる」印象があり、しかしBBSの場合は衝撃も吸収してくれるという印象を持っています(跳ねずに路面に吸い付くという感覚がある)。
なお、ホイールの製造方法は大きく分けて鍛造(フォージッド)と鋳造(キャスト)とがありますが、BBSがよく用いる例だと「鍛造は餅のように中身が詰まっていて、鋳造はパンのように中身がスカスカ」。※近年では技術の進歩によってほかの製法も登場している
そして鍛造だと密度と強度が高いため、「薄く、軽く作れる」ということですね(鋳造にて、鍛造と同じ薄さに作るとすぐにホイールが割れてしまうので、厚く作らざるを得なくなり、結果として重くなる)。
いうなれば「鍛造ホイールは叩いて圧縮し、鍛えまくった日本刀」のようだと表現されることも多く、これは日本の伝統技術にも繋がる要素を持っています。
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ホンダ・シビック・タイプRリミテッドのホイールはこうやって作られる
そしてこちらがシビック・タイプRリミテッドの軽量ホイールのもととなる「アルミの塊」。
これを加工してホイールに仕上げる、というわけですね。
まずはディスク面を成形開始。
ひとまずディスク面ができあがったところ。
ただしこの状態だとホイールとしての形状を持たないため・・・。
圧力をかけながら伸ばして「ホイール」として機能する形状へと成形してゆきます。
ペイントやラインを入れ、厳重な品質検査を受けてようやく製品として送り出されることに。
妥協なし、それがBBSだ!
製造したのはBBSジャパン
なお、BBSは先日「経営破綻」報道が流れたところですが、BBSは「欧州拠点」の(現在は)韓国資本となった会社、そして日本拠点のBBSジャパンとの2社が存在。
いずれも「もとは同じBBS」ではあるものの現在はまったくの別会社となっていて、その製品や品質にも大きな差があります(BBSジャパンは鍛造に特化しており、品質が高い)。
ちなみに今回経営破綻したのは「欧州」のほうであってBBSジャパンには影響がないものと思われ、このシビック・タイプRリミテッド用ホイールを製造したのもBBSジャパンなので「安心」ですね。
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参照:
Honda