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ホンダが「脱中国」?コロナや世界的な緊張感の高まりから(40%を占める)中国依存度を引き下げ、サプライチェーンを見直すとの報道

ホンダ

| なんだかんだ言って、コロナやロシアのウクライナ侵攻は企業の体質を強化することになりそうだ |

やはり「神の見えざる手」は存在し、物事は落ち着くべきところへと落ち着いてゆく

さて、ホンダが「中国依存度を引き下げる」との報道。

これは「販売」ではなく「調達」面においての話であり、ここ最近の中国(とくに上海)におけるロックダウン、そしてサプライチェーンの混乱において自動車製造のためのパーツを思うように入手できず、車両の生産が難しくなっているためだと報じられています。

なお、中国国内向け車両の生産に必要なパーツについてはこれに限らず今まで通り中国にて生産を行い、しかし中国以外で販売する(かつ中国以外で生産を行う)車両に使用するパーツの「脱中国」を進めることとなるもよう。

ホンダは車両の40%を中国で製造している

なお、この動きの背景には、米国と中国との緊張の高まりもあるといい、もしこの緊張がピークに達したり、関税となって影響が出ることになればホンダとしては非常に困ったことに。

よってホンダの広報は「会社として、この決定の公表はなされていないが、サプライチェーンのリスクヘッジの見直しに取り組んでいる」と語っており、この動きについては他の自動車メーカーにとっても注視すべきものとなりそうです。

ただ、現在ホンダは車両の40%を中国にて製造していると報じられ、これは「完成車の40%」なのか「パーツの40%」なのかはちょっと不明。

もし後者だとすると、中国で何かあればホンダは会社として大きな影響を受けるのは間違いなく、ここ数年で発生したコロナウイルスの影響によるロックダウン、そしてロシア市場の喪失と製造現場や輸送の混乱を考慮するに、できるだけ「サプライチェーンは、その製品を販売する市場に近い位置」にて個別に形成することが望ましく、これまでメーカーにとって最大の関心事は「市場規模」だったものの、実際の企業活動は「売るべき製品があるかないか」に大きく左右され、もっとも重要なのは、安定して需要を満たすだけのモノを作り続ける生産能力がもっとも重要だということが浮き彫りになったのかもしれません。

中国

日本政府は製造業の国内回帰を推奨

なお、日本政府は「製造業の国内回帰」のため、ホンダ含む自動車メーカーに対し、日本国内に生産を戻した場合の優遇案を提示してきたそうですが、これまでに中国依存度が高くなってしまっては一朝一夕にそれを行うことは難しく、これからの自動車メーカー(を含む日本の製造業)は、安価な中国の人件費を頼りにしてきたツケを支払うことになる可能性も(なまじ中国が近いだけに、日本の自動車メーカーは中国に依存しすぎた。これは欧米の自動車メーカーと大きく違うところ)。

ちなみにですが、ぼくは「移民」推奨派であり、つまり移民を受け入れ、移民を適正な賃金で労働に就かせることにより、安定したコストで製品を国内生産できると考えていて(ここで語るには長くなりすぎるので割愛)、よって日本政府もメーカーに対して「工場を国内に戻すよう」に言うのであれば、移民を受け入れる準備を整えるべきであるとも考えています。

移民の受け入れによっては色々な問題が出いることは間違いありませんが、GDPは間違いなく増加するので国全体としては潤う可能性があり、ここ最近問題となっている「日本の賃金が、欧米はもちろん、他の国に比較して上がっていない問題」も解決できるものと思われます。

中国(上海)

そして自動車産業は経済規模が大きいので、日本を活性化するのに一番手っ取り早い方法として活用でき、それは「移民の受け入れと自動車部品・車体製造を海外から日本に戻すこと」だとも考えています(産業の空洞化によって、日本の労働者に支払われるべき賃金が海外にて支払われている)。

ただ、上述の通り、国際感の緊張が高まった場合に備え、サプライチェーンは同じ経済圏に限定すべきであり、その意味では「日本で作るのは、日本で消費するぶんと同盟国のぶんだけ」に留めるのがいいのかもしれません。

ちなみにですが、現在「中国離れ」を加速化させているのはホンダのみではなく、例えばマツダは「中国以外での生産を行うよう」サプライヤーに要請し、メルセデス・ベンツやフォルクスワーゲンは中国のバッテリーメーカーに供給を依存する危険性を感じたことから欧州やカナダにバッテリー工場を建設する動きを見せています。

コロナウイルスやロシアのウクライナ侵攻については様々な影響があったものの、改めて自動車メーカーに「リスク管理」を認識させることになり、各社とも”リスクをコントロールできる体制づくり”に向けて動いているのが現在の状況なのかもしれません(長期的に見れば、昨今の混乱もいろいろな物事の適正化に貢献しており、やはり神の見えざる手は存在するのだ、とぼくは思う。でなければ世界は中国抜きには回らなくなるところだった)。

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参照:Reuters

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