| 現時点でホンダCR-Vハイブリッドレーサーのパフォーマンス的な数値は示されていないが、「とんでもなく速い」のは間違いない |
パワーユニットは2024年のインディカー用
さて、ホンダがこれまでにも何度かにわたりティーザー動画や画像を公開していた「ホンダCR-Vハイブリッドレーサー」をついに公開。
これは文字通り「ホンダCR-Vを、ハイブリッドレーシングカーに仕立て上げたもの」ですが、これまでにもパイクスピーク等に向けて数々のハードコアマシンをリリースしてきたホンダとしても「とびっきりのクレイジーなクルマ」。
製作したのはホンダのモータースポーツ車両等を手掛けるホンダ・パフォーマンス・デペロップメント=Honda Performance Development(HPD)、そして社内複数部署の有志たちだと紹介されています。
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ホンダCR-Vハイブリッドレーサーは残念(当然?)ながらワンオフモデル、市販はナシ
このホンダCR-Vハイブリッドレーサーは当然ながらワンオフモデルとなり、市販はなされないそうですが、フロリダ州セントピーターズバーグでの開幕戦に加え、ロングビーチ、アラバマ、トロント、モントレーなど、年間を通じて開催されるインディカーレースでも展示される(もしかすると走行も)といい、その勇姿を拝める機会があるもよう。
このホンダCR-Vハイブリッドレーサーは、「CR-V」と名乗るものの、一部の外観や構造を除くと「ほぼ新規に作り直されたレーシングカー」だと考えてよく、車体そのものの多くはカーボンファイバーとチューブにて構成され、ボディパネルの多くも新規に製作されています。
サイドシルは高く、そしてドアの開口部は高く設定され、かつ開閉方法はバタフライドア。
ボディパネルは一部CR-Vのスチールパネルを流用するものの、見ての通り巨大なオーバーフェンダーや・・・。
なにより大型リアウイングを装着することで「別次元の」乗り物に。
後部ドアは開閉ができず、ボディ後半は「クラムシェル」。
そしてリアセクションがクラムシェルとなっておりドアが機能しないのは「ミドシップレイアウト」に変更されているから。
本来であれば2列目シートが取り付けられる場所に鎮座するのは2.2リッターV6インディカー・ツインターボ・ハイブリッド・エンジン(2024年のインディカーに採用されるものと基本的に同一)、そしてレース用のXtrac製6速パドルシフト・トランスミッション。
このエンジンはシェルによって生成される100%再生可能なレース用燃料で走るようにチューニングされており、さらにはスーパーキャパシタを電源とするハイブリッドシステムが組み合わせられており、システムトータルでは800馬力を発生させることに。
このパワーユニットをサポートするのはボルグワーナー製EFR7163ターボチャージャー、マクラーレンアプライドテクノロジー製Tag 400iエンジン制御ユニット、エンペル製エレクトリックモーター発電ユニット等がアナウンスされています。
HPDのデビッド・ソルターズCEOによれば、「スーパーキャパシタを搭載した具体的な理由はパワーです。また、この用途では、本質的に安全です。でも、これは私たちが学ぶべきことでもあるのです」とコメントしており、ホンダ自身がこのクルマを走る実験室=ローリング・ラボラトリーと呼ぶ通り、ここから”電動化、ハイブリッド技術、100%再生可能な燃料でどこまで行けるか”につき、何かを学び取ろうとしている、とのこと。
さらにデビッド・ソルターズCEOは、「このプロジェクト車両は、文字通り "羊の服 "を着たインディカーの "狼 "です。このクルマは、ホンダのFun-to-Driveの精神を象徴し、電動化の将来を示し、我々の自動車文化のルーツとレースの伝統を揺さぶるものです」とも述べています。
ホンダCR-Vハイブリッドレーサーは完全にサーキットに特化
このホンダCR-Vハイブリッドレーサーは、クロモリ製チューブラーフレームにカーボンファイバーという基本構造を持ち、ブレーキシステムはNSX GT-3レースカーから流用した15インチ(フロント)そして14インチ(リア)という構成を持っています。
サスペンションはダラーラ製IR-18インディ用サスペンション、ファイアストン製ファイアホーク インディ500 ウルトラハイパフォーマンスサマータイヤのサイズはフロントが285/35、リアが305/35(ホイールは2エールエンジニアリング製2ピース、フロント10.5インチ、リア11インチ幅の20インチサイズ)だとアナウンスされています。
ホンダCR-Vハイブリッドレーサーのプロモーション動画はこちら
参照:Honda