
| ホンダCR-Vの「核」は登場から今までずっと変わらない |
ホンダ公式、その開発秘話に迫る
ホンダCR-Vが「30周年」を迎え、ホンダ公式としてスペシャルコンテンツが公開。
参考までにトヨタRAV4はCR-Vに先駆けることほぼ1年、1994年に登場していますが、両社ともにワールドワイドでの人気車種となり、地域によってはベストセラーとなっています(ぼくは両者につき、切磋琢磨しあう存在だと捉えている)。
30年愛され続けるCR-Vの真実:この記事の要約
- 「快適さ」の追求: 4WDというと無骨なオフローダーが主流だった時代に、「乗用車ベース」の快適SUVとして1995年に誕生
- 世界150カ国での成功: 累計販売台数は数千万台規模。地域ごとのニーズに応える「変幻自在」の進化が鍵
- 開発の裏側: 「セダンの乗り心地」と「SUVの利便性」を両立させるため、当時の若手エンジニアたちが挑んだ革新
- 未来への挑戦: 最新モデルでは水素(FCEV)を採用。30年経っても失われない「開拓者精神」

Image:Honda
なぜCR-Vは「世界一のマルチプレイヤー」になれたのか?
1995年一台のクルマが日本の、そして世界の風景を変えることとなり、それがホンダの「CR-V(Comfortable Run-about Vehicle)」。
当時は「四駆=キャンプや山道」というイメージが強かった時代でもあり、そこにホンダが投じたのが「街中で快適に乗れる、セダンのようなSUV」という全く新しいコンセプトであったわけですね。
そしてそれから30年。
いまや世界150カ国以上で販売され、ホンダを代表するグローバルアイコンとなった「CR-Vの開発の舞台裏」に迫ってみたいと思います。

当時「4WD」は一般的ではなかった
上述の通りRAV4も同時期に誕生したクルマではありますが、これらが市場投入されるまでは「SUV」という存在自体が一般的ではなく、4WDといえばランドクルーザーやサファリ、パジェロという「特殊な用途で使用されるクルマ」という認識がなされていた時代です(スキーに行ったり未舗装路を日常的に走る人以外はまず4WDには興味を示さない時代でもあった)。
参考までに、この(数年前の)時期はロレックスであっても「デイトジャスト」といったドレス系が主流であって、サブマリーナー、GMTマスターII、デイトナといったスポーツ系は「割引価格で家電量販店に並んでいた」という信じられない時代でもあり、今とは全く価値観が異なって「アウトドア」「スポーツ」の人気が非常に低かったと考えて良いかと思います。
もう一つ参考までに、腕時計に関していえば、1985年にスウォッチ「キキ・ピカソ」がリリースされ、89年にオークションハウス「サザビーズ」の開催する競売でスウォッチ史上最高値をつけたのち、1992年にピーク価格を記録していますが、この頃からスウォッチとロレックス(まずはデイトナから)がマフィアの資金源となるべく「価格が釣り上げられるように」なってしまい、現在の腕時計バブルにまで連なっていると記憶しています。※それまでロレックスは2割引きくらいで買えるというのが常識であった
常識を覆した「初代」の誕生:セダンでもクロカンでもない第3の道
話をホンダCR-Vに戻すと、初代CR-Vの開発チームに課せられたミッションは「これまでにない価値の創造」であったといい・・・。

「生活を豊かにする」という視点
当時のSUV(RV)は、ハシゴ型フレームを持つ「頑丈だが重いクロカン四駆」が主流。
しかしホンダは、あえてシビックのプラットフォームをベースにしたモノコック構造を採用し、以下のコンセプトを掲げます。
「家族で買い物に行き、週末は海へ行く。その道中もセダンのように静かで快適であること」
このシンプルながらも困難な理想が、現在の「都市型SUV」という巨大市場を切り拓く先駆的存在を作り出した、ということに。

Image:Honda
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CR-Vの歩みと世代ごとの概要
| 世代 | 主な特徴・テクノロジー | コンセプト |
| 初代 (1995年) | 4輪ダブルウィッシュボーンサスペンション | 自由な生活を広げる「ライトクロカン」 |
| 3代目 (2006年) | スペアイヤを背面から床下へ移動。都市型へ洗練 | プレミアムSUVへの進化 |
| 5代目 (2018年) | 初のハイブリッド(e:HEV)搭載 | 走りと環境性能の両立 |
| 6代目 (最新) | e:FCEV(燃料電池車)モデルの登場 | カーボンニュートラルへの挑戦 |
各世代の進化のポイント:
- 第1・2世代(1995年〜): 背面のスペアタイヤが特徴。アウトドアを日常に持ち込む「遊び心」が満載だった
- 第3・4世代(2006年〜): タイヤを床下に収納し、空力性能と都会的なデザインを追求。より上質な乗り心地へ
- 第5・6世代(2018年〜): 走行性能が劇的に向上。ハイブリッド(e:HEV)や最新の安全運転支援システム(Honda SENSING)を搭載し、世界最高水準のSUVへと進化する
どの時代のCR-Vも、その時々の「家族の幸せ」を形にしていることがその「核」であり、デザインの変化が時代の要望を表していると思います。

世界中で「顔」が違う?徹底した現場主義(三現主義)
CR-Vが世界中で愛される最大の理由は、「その国の人の生活に徹底的に寄り添う」ホンダ独自の姿勢にあります(本田宗一郎の教えに基づいたものだと思われ、その地で販売するクルマやバイクは、その地で、その地の人々の嗜好に適したものであるべき、という考え方がホンダのベースにある。ただしこれがのちの「コスト高」体質を生んでしまう)。
- 北米では: 「家族全員がゆったり座れ、大量の荷物が積めること」を最優先。ハイウェイでの直進安定性を強化
- 中国では: 後席の足元スペースと豪華な内装が求められロングホイールベース化
- 日本では: 狭い道でも扱いやすい視界の良さと洗練されたデザイン
開発チームは実際に現地へ飛び、ユーザーがどのようにクルマを使っているかを観察(三現主義)することで、「どこの国でも一番使いやすいSUV」を作り上げてきたといいます。

結論:30年目の「原点回帰」と未来への加速
CR-Vの30年は「なんとなく人気が持続した結果」ではなく、それは、時代ごとに変化するユーザーの「わがまま」を叶え続けてきたエンジニアたちの挑戦の歴史です。
ホンダは「ヒットしたクルマの後継モデルにつき、開発メンバーを入れ替える」のが基本だと聞いたことがありますが、それは「成功に甘んじない」「常に世の中が変化しているのだから、それにあわせて後継モデルも刷新されるべき」という戦略的嗜好が根底にあるからだとも捉えており、こういった姿勢がCR-Vの人気を継続させ、また押し上げてきたのだとも考えています。
なお、最新の第6代目では、プラグイン機能を持つ燃料電池車(FCEV)もラインナップに加わり、環境への答えも提示していますが、ははりその根底にあるのは初代から変わらない「使う人の生活を自由にし、楽しくする」という想い。
30周年を迎えた今、CR-Vは単なる移動手段を超え、世界中の家族の思い出を作る「パートナー」としての地位を不動のものとしているわけですね。

参考:ホンダの豆知識
初代CR-Vの荷室には、実は『折り畳み式のピクニックテーブル』が標準装備されており、これはクルマを止めた場所がそのまま遊び場になるという、ホンダらしい遊び心溢れるアイデアです。
それ以降のモデル、さらには最新モデルにも、そんな『使い勝手の哲学』が随所に隠されているのがCR-Vであり、こういった配慮もCR-VをCR-Vたらしめている一面なのかもしれません。

ホンダCR-V「30年記念動画」はこちら
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参照:Honda











