
| 米国でのTOP5までがアジアのブランドによって占められる |
アメリカンブランドでは唯一「リンカーン」が躍進
クルマ選びにおいて、多くのドライバーが最優先事項として挙げる「安全性」。
しかし、現代の自動車における「安全」の定義は単に事故が起きたときの衝撃を和らげるクラッシュテストの成績だけに留まらず、米国の著名な消費者団体専門誌『コンシューマー・レポート(CR)』が発表した2026年の最新自動車安全評価において、並み居る高級車ブランドや電動車メーカーを抑えて堂々たる第一位に輝いたのは日本のマツダ。
なぜマツダがトップに立ち、かつて「安全の代名詞」と呼ばれたボルボや先進技術で知られるテスラが苦戦を強いられたのか、その驚きの理由と最新ランキングとその内容を見てみましょう。
この記事の要約
- 米『コンシューマー・レポート(CR)』の2026年最新安全評価にて、マツダが主要29ブランドの頂点となる第1位を獲得
- 評価軸は衝突テスト結果にとどまらず、緊急回避時のハンドリング性能や「直感的に操作できる物理スイッチの有無」まで網羅
- 「安全の代名詞」とされるボルボや先進的なテスラは、液晶画面への機能統合による「運転中の紛らわしさ(脇見リスク)」が影響し上位を逃す

2026年 最も安全な自動車ブランドの概要
コンシューマー・レポート(CR)が実施した2026年のブランド別安全評価(Safety Verdict)は北米市場で展開する全29ブランドを対象に総合的なスコアを算出したもので、まずランキングのトップ5は以下の通り。
- マツダ(Mazda)
- ジェネシス(Genesis)
- アキュラ(Acura)
- リンカーン(Lincoln)
- ヒョンデ(Hyundai)
トップ10には続いてホンダ(6位)、ニッサン(7位)、アウディ(8位)、スバル(9位)、キア(10位)がランクインしており、日本の自動車メーカー、韓国勢が非常に強い存在感を示しています。
なお、米大手メディア『U.S. News & World Report』が発表した2026年版ランキングにおいても、マツダは同じく首位を獲得していて、マツダの強さは「本物」ということに。

特徴・スペック・安全評価の仕組み
CRの安全評価(Safety Verdict)は米国道路安全保険協会(IIHS)などによる衝突安全性評価だけに頼っておらず、走行時の予測可能性や予防安全技術、そしてドライバーの集中を阻害しないインターフェース設計まで多角的に採点されており、主要ブランドの順位とラインナップにおける「Best(最高区分)」基準獲得率の概要は夏季のようになっています。
| ブランド | CR安全順位 | IIHS最高評価(TSP+)等の状況 | 特記事項 |
| マツダ | 1位 | ラインナップのほぼ全車種が受賞(MX-5 / ロードスター除く) | CR「Best」適合率75%以上(全ブランド最高) |
| ジェネシス | 2位 | G80、GV70、GV80等でTSP+獲得 | 安全装備の標準化と高いインテリア質感 |
| リンカーン | 4位 | 主要SUVモデルで高評価 | 米系従来型ブランドで唯一のトップ5入り |
| ボルボ | 12位 | 多くの車種でIIHSアワード受賞 | 中央ディスプレイ統合による操作性がスコアを抑圧 |
| テスラ | 26位 | Model YなどでIIHS評価獲得 | タッチパネル依存の操作性とモデル未テスト評価が影響 |
| ランドローバー | 29位(最下位) | 大型モデル多数・未テスト車両含む | 制動距離の長さやハンドリング特性が影響 |
マツダはポートフォリオ内の75%以上のモデルがCRの最高評価区分「Best」の基準を満たしていて、その一方では米国の伝統的ブランド(GM、フォード、シボレーなど)の多くは「Best」適合率が25%未満にとどまり、中位圏に沈んでいるというのが興味深いところでもありますね。

競合比較・ボルボやテスラが苦戦した理由
今回のランキングで最も注目を集めたのは、安全面で長年の実績を誇るボルボがトップ10圏外(12位)に甘んじ、テスラが下位(26位)に沈んだ点で・・・。
なぜ「タッチパネル依存」が安全スコアを下げるのか?
CRの自動車安全最高責任者であるエミリー・A・トーマス博士は、「安全な車とは、緊急時のブレーキやハンドリングが予測可能であり、ドライバーを惑わせない操作系を備え、衝突を未然に防ぐ技術と乗員を守る構造を兼ね備えた車である」と定義しています。
- ボルボとテスラの弱点: 近年のモデルでエアコンや主要操作をすべて中央の大型タッチスクリーンに集約させた結果、「直感的な操作がしにくく、運転中の視線移動(脇見)が増える」としてCRの操作性(Usability)評価で減点対象に
- マツダの強み: マツダはドライバーの視線移動を最小限に抑えるコマンダーコントロール(物理ダイヤル・スイッチ)とシンプルなUIを一貫して採用し、これが「運転時の紛らわしさを防ぐデザイン」として高く評価される
ただしマツダはCX-5から「タッチ式中心」の操作系へと切り替える意向を示しており、よって今から数年が経過し、新しいインターフェースへの移行が進んだ後、その評価はまた違ったものとなるのかもしれません。

-
-
マツダはなぜ新型CX-5で大きくインテリアを変更し、これまで「物理スイッチ中心」だったものを「タッチ中心」としたのか?やはり「中国の影響」も
Image:Mazda | マツダは新型CX-5の内装において大きくインターフェースを変えてきた | ミニマリズムは正義? それとも使いにくい? マツダは先日、ベストセラーモデルであるCX-5の第3世 ...
続きを見る
補足情報・ワースト圏のブランドとSUVの落とし穴
上位陣だけでなく、下位に位置するブランド(ランドローバー、ジープ、三菱、テスラ、リヴィアンなど)の背景を知ることも重要です。
- ランキング最下位=事故を起こしやすいクルマ、危険なクルマとは限らない: ランドローバーなどが最下位となった背景には、IIHSなどの公的機関によるテストがまだ完了していないモデルが含まれているという評価手法上の理由がある
- 大型SUVに特有の物理的ハンデ: ランドローバーやジープなどの大型SUVは車重が重く全高が高いため、緊急回避時の制動距離が伸びやすく、急ハンドル時の挙動変化が大きくなりやすい傾向がある。これがCRの走る・曲がる・止まるという「動的安全評価」で不利に働いているが、別方面では「メリット」にもなりうる
結論
2026年のコンシューマー・レポートによる安全ブランドランキングは、「最新テクノロジーを詰め込めば安全になるわけではない」という明確なメッセージを自動車業界に投げかけるもの。
マツダが首位を獲得できた最大の要因は、優れた衝突耐性と予防安全装備を備えつつも、運転に集中できる物理的で直感的な操作環境を守り続けている点にあり、これからクルマを選ぶユーザーにとって、「いざという時にドライバーを惑わせないデザインかどうか」も機械的な信頼性や先進安全装備と並ぶ大切なチェックポイントとなり、そしてその重要性が年々増しているということもわかります。
合わせて読みたい、関連投稿
-
-
BYD「SEALION 6」を見てきた。外装は「普通っぽく」しかし内装の高級感と安全装備の充実度がハンパない。価格を考えると「売れるのも納得」である
| この普通っぽいエクステリアが逆に安心感を与えるのかもしれない | 「若干」気になる部分はあるものの、問題にならないレベルである さて、BYD SEALION 6を見にBYD Auto エキスポシテ ...
続きを見る
-
-
テスラの「隠しドアハンドル問題」が全米および世界の新型車を変える可能性。米当局が安全規制の抜本見直しへと動いたとの報道
Life in the FAST LANE. | 事故時の電源喪失で閉じ込め?「開かないドア」を巡る問題の真相 | テスラそのものへの「調査請求」は却下、テスラは当面危機を免れる プレミアム感や先進的 ...
続きを見る
-
-
【逆襲の物理ボタン】中国が液晶画面を「規制」へ。安全のため主要部位の制御には物理スイッチが義務化されることに
| この動きは「全世界」にて加速することは間違いない | この記事の要約 物理ボタンの復活: ハザード、方向指示器、ギア選択、緊急通報などの重要機能は10mm×10mm以上の物理スイッチが必須に 「脱 ...
続きを見る
参照:Consumer Report











