| その可愛さが白人女性の人気を呼ぶ |
さて、オートカーによると、現在アメリカでは「日産フィガロ」が大人気なのだそう。
記事では下記のように紹介しています。
・2016年に25年ルールによってアメリカへと輸入が解禁され、現在アメリカで大人気 ・アメリカでは200台近くを保有するショップも ・もっとも高くで売られるフィガロは邦貨換算で424万円 ・白人女性に人気 ・スタイルが「可愛い」と評価される ・現地専門店は「これから価格が下がることはない」と述べる ・日本での在庫は27台のみ ・日本のパイクカー専門店(オレンジロード)は日本のオーナーにためにも「輸出はしない」 |
ちなみに記事中に登場する米販売店については以前に紹介したことがあり、当時(2018年11月)は115台だった在庫が200台となっているところを見るに、やはりアメリカでの人気は「かなりのもの」なのかもしれません。
日産フィガロはこんなクルマ
日産フィガロは1987年のBe-1、1989年のパオに続いて発売したパイクカー(スタイル重視の、一般性よりも一部の人に受けることを狙ったクルマ)で、ベースはK10型のマーチ。※車名は「フィガロの結婚」から取られたとされている
つまり小型車ということになるものの、本革シートを備えるという高級な一面も見せています。
限定販売台数は2万台(それでも抽選だった。今ではパイクカーが2万台も売れるとは考えにくい)、オートカーによると現在も3000台超が英国に存在する、とのこと。
ボディサイズは全長3,740ミリ、全幅1,630ミリ、全高1,365ミリ、エンジンは76PS(1リッターターボ)ながらも車体重量は810kgと軽量であり、まずまずの動力性能を誇ります。
日産パオも忘れてはならない
そしてぼくは日産パオに乗っていたことがあるのですが、こちらについては「忘れがたい」クルマでもあるため、ここで触れておきたいと思います。
上述の通り日産パオはエスカルゴ、Be-1、そしてフィガロとともにパイクカーの一角をなしていますが、こちらもやはりK10マーチがベース。
ボディサイズは全長3,740ミリ、全幅1,570ミリ、全高1,475〜1,480ミリとやはりコンパクトで、そのスタイリングはシトロエンやルノーをモチーフにしたと言われます。
搭載されるエンジンは1リッター52PSとかなり非力で、しかし車体重量は相当に軽い720kg(MT)。
なお、車体そのものは当時ラリーにも参戦していたK10マーチと同一なので強度に申し分はなく、しかしパオではフロントフェンダーやボンネットに樹脂製パーツを採用するなど「車体の重量バランス」にも配慮されており、かなりキビキビ走ったという印象を持っています。
ぼくが乗っていたのは既に製造から17年も経過した時点であり、日産がパーツの供給を停止していたため、なにかトラブルがあると解体屋でK10マーチからパーツをはぎ取ってきたり(駆動系は基本的にK10マーチと同じなのでそのあたりは供給に困らない)、というのは懐かしい思い出です。
一方で困ったのはパオ特有のパーツ(内外装)が壊れるとパーツの入手が非常にむずかしいということで、よって常にオークションにてパーツを探したり、なんらかのパーツが出てくれば予備として購入しておく、という習慣が身に付いたのもこの頃。
実際の運転にあたっては「キャブ」がちょっと面倒だったと記憶しており、暖気運転をちゃんとしておかないとステアリングホイールを切ったさいに「エンジンが止まる」こともあり(パワステポンプの駆動力をエンジンから取っているので、エンジンの暖気が十分でないときにそのぶんのパワーを食われるとエンジンがストールする)、チョコチョコと気を遣うクルマでもあったとは思います(ただし、愛情をもって接すればなんら問題はない)。
何度か、そして複数の工場に整備に出したこともあり、その際には構造が簡単なクルマであるせいか「整備担当者の腕の差がモロに出る」ことにも驚かされたクルマで、旧車に強い工場に整備を出したのちには「これが同じクルマなのか・・・」と(整備から戻ってきたパオの)機械的な反応の違いに驚かされたことも(そう考えると、現代の車はそういった差異を感じることはなくなった。これにはいろいろな理由がある)。
ちなみにパイクカーシリーズの中ではフィガロのみがターボ、そして電子制御インジェクションを持っており(このMA10ETはコンパクトカーとしては初のターボそしてインジェクション採用であった)、これは当時羨ましかった部分でもあり、そしてパイクカーの中で「フィガロだけ人気」があるのはこのエンジンも理由の一つなのかもしれません。
なお、パオのほうは日本での在庫が(カーセンサーの登録上)62台あり、20万円台〜100万円オーバーまでコンディションによって「様々」であるようです。
とくに「人気爆発(中古相場高騰)」というわけではないものの、根強い人気があることもわかりますね。
パオについて、直接のクルマの機能や性能についてではありませんが、その小ささから「あおり運転」の対象となったことも事実で、なんどか嫌がらせを受けたこともあり、最終的に売ってしまったのは「そういった」理由も関係しています。
ちなみにぼくのガレージの壁には、当時のパオの修理の際に余った「ルームミラーステー」が今でもフックがわりに取り付けられて、ぼくは毎日このパーツを見ては、パオを思い出したりします(ぼくのガレージには、今まで乗ってきたクルマの”思い出の品”が備品として再利用される形で取り付けられている)。