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どうしたスバル!技術と車種を絞り利益効率を追求する戦略から一転、30年ぶりに「レックス」の名を復活させライズ / ロッキーのOEM車を発表した理由を考える

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どうしたスバル!技術と車種を絞り利益効率を追求する戦略から一転、30年ぶりに「レックス」の名を復活させライズ / ロッキーのOEM車を発表した理由を考える

| スバルはかつて効率の追求のためミニバンも軽自動車もSUVも切り捨てている |

やはりトヨタの介入が最大の要因か

さて、スバルがかつて軽自動車に用いていた車名「レックス(REX)」とともに新型SUVを発表。

これは言うまでもなくダイハツ・ロッキー、トヨタ・ライズとの兄弟車ということになりますが、レックスの名称は実に30年ぶりの復活となります。

なお、ダイハツ・ロッキーは2022年第3四半期における乗用車登録ランキングにおいて27位(10,118台)に入り、これはダイハツで最も売れている乗用車。

対してトヨタ・ライズは同期間において6位(36,050台)に入り、トヨタでは4番目に売れている人気モデルです。

参考までに、スバルで最も売れているのはインプレッサの11,886台ですが、これはランキング24位なので、(レックスは)ライズほどまでは売れないにしても、販売網の大きさからしてロッキーを上回る可能性が高く、もしかするとインプレッサを抜いて「スバルで一番売れるクルマ」になるかもしれません。※ちなみにボトムの価格はレックスのほうがライズ、ロッキーよりも高い

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なぜスバルはレックスを発売するのか

そこで今回ぼくが気になったのが「なぜスバルはレックスを発売するのか」。

簡単に言えば「売れるから」だと思いますが、スバルは「儲かるから」よりもその「ブランドコア」を大事にする会社だと認識しており、よって今回のレックス発売については驚きを感じるとともに軽い落胆すら感じています。

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なお、スバルはご存知のとおり「シンメトリーAWD」「ワゴン」に特化しており、その芯の通った方針によって多くのファンを獲得しているブランドです。

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ただ、ここまでの道のりは平坦なものではなく、もともとスバルは銀行(興銀)の支配力が強く、代々のスバル社長は興銀からやってきた「銀行マン社長」。

よって任期が過ぎればまた銀行にもどってゆくので、自分が社長を務めているときには投資やチャレンジを行いたくなく(一時的に利益が下がる)、「なにもできない(しない)」会社であったわけですね。

さらに銀行は効率とリスクを天秤にかけるので、一見して利益が上がっていたとしても、「効率」が良くないと判断するとその部門をバッサリ切り捨ていることがあります。

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スバルの経営スタイルは「効率」重視

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実際のところスバルは「自動車業界で人気のある」軽自動車、ミニバン、SUVから(競争が厳しく収益性が低いという理由により)スッパリ撤退して」ニッチなワゴンに集中し、そこで少ない投資にて、同じプラットフォーム、エンジン、ドライブトレーン、そのほかパーツを使いまわしつつも最大限の需要を満たして利益を最大化するという戦略を採用しています。

スバルはこれまでにも「シェア1%でも十分」だという発言を行っており、いたずらに車種拡大を狙うよりも、少ない販売台数の中で利益を最大化するという手法を採用していますが、この「効率重視」というスタイルは他の「拡大重視」方針とは大きく異なるものでもありますね。※海外に積極的に工場建設を行わないことも”投資嫌い”を表している

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これは経営的に見ると「全くの正解」であり、しかしスバルは制約上「ほかのセグメントに出て行けない」「新しいユニットを開発できない」ことを逆手に取り、今持っているものの魅力とメリットを最大限に押し出し、その分野の第一人者であること、かつ専門性が高いということを押し出すことによってブランドイメージを先鋭化することに成功している、というのがぼくの認識(ぼくは自動車メーカーの中ではスバルの経営手腕は世界トップクラスだと認識しており、これについては一晩中でも語れる自信がある)。

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その結果としてスバルは非常に忠誠心の高いユーザーを抱えることになり、実際に「また同じブランドのクルマを買うかどうか」という調査においても毎年王座に輝いていて、とにかく支持率の高いブランドとしても知られます。

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そしてスバルは他社に対しても非常に強い影響力を持っていて、マツダは「スバルの経営スタイルをベンチマークにする」と公言していて、自動車業界全般においてスバルの持つ「タフでワイルドな」雰囲気を取り入れる「スバル・エフェクト」と言われる現象が見られるほど。

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スバルは経営戦略を転換?

そういったモロモロの経緯を考えると、スバルが「競争の厳しいコンパクトSUV」へと出てゆくことは非常に「意外」であり、そしてこれは「売れる」ことはわかっているもののスバルのブランドイメージを希薄化してしまう可能性もあって、ある意味では諸刃の刃だと言えるかもしれません。

ここでその(レックス発売の)理由を考えると、やはり第一としては「トヨタの介入」。

トヨタはスバルの株式を追加にて取得して出資比率を20%にまで高めており、スバルに対する発言力が大きくなっているのは間違いなく、そこで(現在はトヨタの子会社である)ダイハツの生産を最大化するためにスバルに対してレックスの投入を進言したんじゃないかと考えているわけですね。

利益的に考えると、ダイハツはこれによって生産設備を最大限に活用することで利益増加、トヨタもグループとしての利益が増加、そしてスバルも利益が増加。

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「レックス」として発売するにあたって多少の内外装の変更は必要ではあるものの、まったくの新規車種ではないので投資は少なくて済み、ロッキーとライズの成功を見ればレックスの成功も確約されたようなものだと踏んだのだと思います。※これまでのスバルオーナーのセカンドカーとしても人気が出そう

そしてもう一つ考えられるのがスバルの将来。

スバルがシンメトリーAWDとワゴンという武器を持ってブランドを先鋭化しファンを獲得していることについて述べましたが、今後エレクトリック時代を迎えるに際してスバルのシンメトリーAWDは(ガソリンエンジンとともに)失われる可能性があり、そして「AWD」というところについては今後「モーターを前後に2個搭載すれば」どのメーカーでも簡単に実現できるようになるのでスバルの優位性が薄れてくるものと思われます(かつて”安全”はボルボの強力なアピールポイントだったが、後にどのメーカでも同様の安全性を実現できるようになり、そのアドバンテージが薄れてきたように)。

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そうなるとスバルは次の時代でも生き残れるようになんらかの手を打たねばならないということになりますが、その手段のひとつがレックスであり、つまりスバルは先鋭化を捨てて総合ラインナップ化への道を選ぶのだと思われ、トヨタ同様の方針を歩むのかもしれません(ただ、現時点ではトヨタとの棲み分けが履かれていない)。

しかしながら「総合ラインナップ化」を目指してしまうと、「軽自動車あり、ミニバンあり、SUVあり」だった何でもありのスバルに戻ってしまい、スバルらしさが失われてしまうことも間違いなく、そう考えると、この新型レックスについては「スバルらしい、ゴッツでタフなルックス」にしておいたほうが良かったのでは、と考えています。

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