| このシフトノブはかなり気分が盛り上がる |
フェラーリ458イタリア、430スクーデリアを「マニュアル・トランスミッション化」したテキサスのヨーロピアン・オート・グループが今度は新型トヨタ・スープラをMTする、と発表。
新型スープラには(今のところ)マニュアル・トランスミッションの設定がなく、よって今後このヨーロピアン・オート・グループ含めていくつかがMT化を行うことになりそうです。
新型スープラはチューニング市場を大きく変える
なお、新型スープラに搭載されるトランスミッションは「8速ATのみ」。
トヨタ自身も「マニュアル待望論」があるのは承知の上で、しかしマニュアル化によるコストを吸収できないとして(今のところ)マニュアル・トランスミッションの搭載は見送っている状態。
ただ、トランスミッションやエンジンそのもののスワップに寛容なアメリカ市場では(日本では法規の関係で難しい)早速エンジンスワップに挑戦しようとするチューナーも登場しており、トランスミッションともども「望みさえすれば」手に入る状態となりそうですね。
なお、トヨタ・スープラに搭載されるエンジンはBMW製の「M58」で、ぼくの知る限りではこのエンジンとMTとを組み合わせたモデルはBMWにも存在せず、よってスワップ難易度はけっこう高いのかも。
ただ、BMWはパーツ共有化の観点からMT、そしてATどちらであってもドッキング可能な設計を持たせていると思われるので、B58についても、BMWの既存マニュアル・トランスミッションを接合可能だと想像しています。
これまで日本車とは縁のなかったチューナー、ショップの参戦も
現在、このヨーロピアン・オート・グループがどの程度まで実現性を把握しているのかは不明ではあるものの、カナダのBMW専門チューナー、プロチューニング・フリークスとの共同開発により、「工賃とパーツ代込みで」130万円ほど、そして30〜45日の工期にてMT化が可能だとアナウンスしており、すでに保証金を集め始めているので、実現可能性はかなり高い、と言えそうです(なにより、同社はもっと難易度の高いフェラーリでこれを実現している)。
なお、ヨーロピアン・オート・グループは、スープラのエンジンにつきノーマルの「340馬力」から「420〜430馬力(しかもシャシーダイナモベースで)」までパワーアップさせるプランも持っており、これらが成功した暁には多くのスープラユーザーがここになだれ込むことになるのかもしれません。
新型スープラについては、上述のように「エンジンスワップ」「トランスミッションスワップ」の需要が高く、かつBMW製のエンジン他パーツを使用しているということから、これまで日本車を対象としていなかったチューナーも「大きなビジネスチャンス」と見てスープラの改造ビジネスに参入することになるかと思われ、とにかくその市場規模が大きくなることが予想されます。
こういった「チューニングビジネス」は、もちろん「ベースとなる、ポテンシャルの高い車」が存在することがまず下敷きではあるものの、多くのチューナーが参入してパーツが豊富に揃い、そしてユーザーに「こんなこともできる」という可能性を示すことで相乗効果的に膨れ上がることに。
今回のスープラはそういった「端的な例」になりそうですが、とにかく今後の市場の広がりには期待したいところです。
シフトノブは「ミサイル発射ボタン風」に
ただ、そうやって市場が巨大化されると次に訪れるのが「淘汰」。
あまたある選択肢の中で、特徴のないパーツやチューナー、ショップが淘汰されるということになりますが、ヨーロピアン・オートグループはそのあたりもちゃんと考えているようで、MT化するスープラのシフトノブは「GR HVスポーツコンセプト」のようにフラップ式にする、と発言。
GR HV スポーツコンセプトは、トヨタの発表したハイブリッドスポーツ(ベースは86)ですが、このシフトノブはこんな感じでトップに赤いパーツが装着。
これをパカッと開けると「スタート(車両のシステム起動)用ボタン」が隠れていて、ヨーロピアン・オート・グループでは、このボタンを「モード切替」に使用することを考えているようですね。
そしてこのボタンの機能を自由に選べるならば、アメリカ人の場合は「ニトロ(NOS)」の噴射装置を迷わず選択するのかもしれません。
VIA:CARBUZZ