| 電動化されれば様々な制約から開放されるはずなので、今のような形のバイクでなくてもいいはずだ |
もう少し「電動でなければできないこと」を追求してもいいんじゃないかとも思う
さて、近年チラホラと電動バイクが登場していますが、今回は老舗トライアンフより「TE-1」の画像がリリース。
このトライアンフTE-1は、ちょうど昨年レンダリングとして画像が公開されていましたが、その後トライアンフがウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリング(WAE)とともにパワートレインを新設計し、このたびようやく実走できるプロトタイプとして形を成したわけですね。
よって今の段階では市販化されるのかどうか、されるのであればいつになるのか、そしてその価格など一切不明な状況です。
その外観は意外とオーソドックス
今回公開されたTE-1を見るに、その姿は比較的「普通」。
もちろんこのバイクはエレクトリックパワートレインのテストのために作られているので、まだ外観を云々する段階ではないと思いますが、一見するとこれが「エレクトリックバイク」だとはわからないほど。
ただしトライアンフによるとその開発は「フェーズ3」まで進んだといい、シャシー(アルミニウム製フレームやサブフレーム、ホイールなど)は最終形、ドライブシステム(トランスミッションとカーボン製ドライブベルト)もほぼ最終形態に近い、とされています。※ドライブベルトを使用せずにハブの中にモーターを仕込めばいいような気もしますが、トランスミッションを搭載したためにガソリン車のような構造を採用しているのかも
なお、サスペンションは前後ともオーリンズ製、ブレーキシステムはブレンボ製、そしてバッテリーと制御システム、DC/DCコンバーター、クーリングシステム、充電ポートはウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリング製、そしてエレクトリックモーターはインテグラルパワートレイン製だと紹介されています。
バッテリー容量は15kWh、出力はピークで232PS、連続で177PSを誇り、0−80%までを10分程度で充電するとされますが、これはヒョンデやキアの電気自動車に比べると「それほど速くない」時間であり、ただしこのTE-1は「バイク」ということもあって超急速充電に対応するシステムを詰め込むことが難しかったのかもしれません。
このバッテリーパックは車体の低い位置に搭載しており安定性を確保するのに貢献しているといい、現時点で車体重量は明かされておらず、加えて加速性能や最高速についても謎のまま。
ただ、これから「予定している性能」と「耐久性」の実験に入るとされ、その段階で様々なデータが公表されることになりそうです。
電動バイクの実用化はなかなかにハードルが高い
なお、現時点で電動バイクの「コンセプト」はチョコチョコと出てくるものの、実際に発売するメーカーはまだまだ少なく、というのもバッテリーのコストが高いから。
バイクの場合は、その構造が(自動車よりも)簡素なため、車体に占めるバッテリー価格がどうしても高くなってしまい、かつ車体全体も高額になってしまいがちであり、その割には(もともと自動車に比較すると燃費に優れる乗り物なので)電動化の恩恵を受けにくい、という側面もあります。
加えてもともと税金含む維持費も安く、電動バイクに買い換えることで得られるメリットが小さいのもまた事実。
よって今のところは「消費者にとってあまり魅力的ではない」乗り物となってしまっているわけですが、バッテリー価格が下がってくればまた事情が変わってくるのかもしれません。
そしてぼくがいつも思うのは、エレクトリック化するのであれば、このTE-1のような形にしなくてもいいんじゃないかということ。
ガソリンエンジンを積むバイクは、エンジンやトランスミッション等、レイアウト上の「制約」があるために「今のような」形になっていると認識しているのですが、エレクトリック化すればそういった制約からも開放されることになり、もっと違った形の、自由なバイクが出てきてもいいのでは、と考えているわけですね(そう、金田バイクみたいな)。
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参照:Triumph