| ある意味では電動バイクはEV以上に「ハードルが高い」乗り物である |
価格面、充電エクスペリエンスともにまだまだ改善の余地があり、特段の理由がない限りは手を出せない
さて、ハーレー・ダビッドソンの電動モデルとしてスタートし、のちに独立したバイクブランドとしてスピンオフしたライブライヤー(Livewire)。
今回はそのラインアップ第3弾、ミドルレンジとしてS2デル マーに続く「S2 マルホランド」が発売されることに。
このライブワイヤーS2 マルホランドは「洗練されたクルーザー」をイメージしており、84馬力を発生するエレクトリックモーター、そして105kWhサイズのバッテリーを搭載する完全電動モデルです。
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ライブワイヤーS2 マルホランドはこんなバイク
ライブワイヤーS2 マルホランドは0-96km/h(0-60マイル)加速3.3秒という俊足ぶりを誇り、一回の満充電あたりの航続距離は約195km(高速道路のみだと118kmに低下する)。
レベル1またはレベル2の充電に対応し、それぞれ5.9時間と78分でバッテリー容量20~80%までの充電が可能ですが、これは電動バイクだと比較的普通の部類に属するものの、EV(電気自動車)に比較するとかなり長い時間を要することは否定できず、この「あまり良好ではない」充電エクスペリエンスは電動バイクの一つの課題かもしれません。
なお、電動バイクは自動車に比較すると車体が小さく、かつコスト的兼ね合いもあるので急速充電に対応させることが困難であったり、別途充電ケーブルを持ち歩かないと外部で充電できない(しかも低速充電のみ)といった問題もあって、まだまだ実用面での課題が残り、そしてもちろん「非常に高価」ということも関係し普及が進まないのが現在の状況かと捉えています。
ライブワイヤーによると、「S2マルホランドは、S2デル マーと同じ S2プラットフォームを使用していますが、ライディングエクスペリエンスは、ライダートライアングルと更新された標準装備によって再構築されており、S2デル マーとは大幅に異なります。6インチのハンドルバー ライザーを使用することで、ハンドルバーはより高く遠く配置され、ライダーがより直立したライディングポジションで座ることができるようになります」。
加えてライブワイヤーは(おそらくはそのブランディングの一環として)環境に対する配慮を強く押し出しており、S2 マルホランドのフロント/リアのフェンダーにはCAPヘンプバイオコンポジットが採用され(ポルシェ718ケイマンGT4 クラブスポーツに採用されるような、植物由来の複合素材だと思われる)、これは同社としては「初」の試みです。
さらにラジエーターシュラウドと配線キャディは「廃棄された海洋漁網」から作られた”Hylon Ocean”が使用されていて、さらにシートも「革やビニールではなく、石油を含まず、リサイクル可能なシリコン」にて成形されています。
さらにフェンダーには「ペイントフリー」つまり成形色の色合いを生かした無塗装の”ルナー ホワイト”が採用され、このほか選べるのはリキッド ブラック/ブラック、リキッド ブラック/レッド(これらはペイント仕上げ)。
現時点では日本導入についてアナウンスされておらず、しかしアメリカ、カナダではすでに販売開始され、その価格は米ドルだと15,999ドル(現在の為替レートにて243万円くらい)に設定されているので「やはり高価」ということに。
なお、電動バイクは(上述の通り)非常に割高かつ不便な乗り物であり、そしてライブワイヤーもその販売には苦労していると見え、最初のモデルである「ライブワイヤー ワン」では29,799ドルから21,999ドルへと大きく値下げされたことでもその状況がわかります。
現在日本でもチラホラと電動バイクが登場しているものの、やはり割高感を拭うことはできず、東京都が出している補助金(46万円)を使用してもまだ高いといったレベル。
さらに売却時の価格が非常に低いという話も聞かれ(BMW CE 04も一気に中古価格が下がった)、EV以上に売るのが難しいのが電動バイクという乗り物なのかもしれません。
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参照:Livewire