| 中国のEVは独自の価値感とともに新しい方向へと発展しつつある |
このスカイワース スカイホームについては「発売できるのか」そして「発売できても売れるのかどうか」という問題も
さて、中国より超高級セダン「スカイワース スカイホーム(Skyworth Skyhome)」が登場。
中国だけあってピュアエレクトリックカーとしての登場となり、デュアルモーターを搭載して617馬力を発生し、0−100km/h加速はわずか3.5秒だと報じられていますが、もっとも大きな特徴はその内外装に用いられた「これでもか」といわんばかりの精緻な仕上げ、そして豪華極まりないインテリア、自動車の域にとどまらないテクノロジー、そしてそれらに対する自信の裏付けとも受け取れる「22万元(現在の為替レートだと4400万円くらい)という価格設定かと思われます。
スカイワース スカイホームはこんなクルマ
なお、このスカイワース(おそらくはこれがメーカー名)についてわかっていることは非常に少なく、判明しているのは車両とともに発表された一部の情報のみ。
そこでざっとその情報を追いかけてみると、まずエクステリアは中国で好まれる「ツルッとしたなめらかな表面」「横長のLEDストリップ」を持ち、ボディスタイルとしてはクーペ風セダンということになろうかと思われます。
このフロントマトリックスライトは「中国建築の釉薬タイル」からインスピレーションを得たもので、ブレーキランプはバンパーに埋め込まれるなど芸術品っぽい仕上がりに(もしぶつけて破損すると、修理費用が異常に高くなりそうだ)。
多くの中国の自動車メーカーが行っているように”西洋のデザインをコピーする”のではなく、中国の豊かな文化と伝統に目を向けてインスピレーションを得たことは高く評価でき、そしてこれは(愛国心の強い)中国の富裕層にアピールすることを考慮したのかもしれません。
アクティブエアロを備えることもアナウンスされており、走行中にはこれが動作することで空気抵抗を3%削減して航続距離を稼ぎ、急制動の際にはエアブレーキの役割を果たすことで停止までの距離を短縮すべく貢献します。
いちばん上の画像にてわかるとおり、後部ドアは「観音開き」となり(驚くべきことにピラーレス)、ドアミラーのかわりにはカメラを備えるなど独特の外装を持っていますが、さらには独自に設計されたサスペンションシステムが搭載され、この名称は「スカイワース アラジン 1.0」。
おそらくは「空飛ぶじゅうたん」を意識した命名なのだと思われ、これによる快適な乗り心地、前後重量配分50:50というバランスがもたらす卓越したハンドリング性能についても言及されています。
スカイワース スカイホームはこんなインテリアを持っている
そしてスカイワース スカイホームのハイライトのひとつ「インテリア」を見てみると、もっとも重視されているのは(サスペンションシステムからも理解できるように)乗員の快適性。
シートには環境に配慮した高級素材が使用されており、もちろん後部座席は大きなリクライニングが可能でありマッサージ機能も内蔵されています。
そして頭上には中国のプレミアムカーでは必須の「グラスルーフ」。
さらにはBMWもびっくりの格納式折りたたみスクリーン(サイズは不明)や・・・。
飲料を大量に保存できる冷蔵庫も。
スカイワース スカイホームでは前席の乗員に対する配慮も欠かしておらず、巨大なディスプレイや間接照明にておもてなし。
なお、従来の「高級車」のイメージに左右されず、独自のプレミアム感を追求したところは高く評価すべきかもしれません。
ちょっとおもしろいのは「テン・スマート・バトラーズ」なるインテリジェントアシスタントが組み込まれていることで、これは人工知能を使用して、時間管理や開発計画、さらには「財務アドバイザー」や「感情的保護」など、あらゆる面で(運転のみならず生活まで)ドライバーを支援することに。※名称からして10種類にアシスタントがいるのかも
加えて非接触にてバイタルサインを監視できるシステムもあり、 人間の医療生体認証を取り入れることで「ユーザーの疾病リスクの早期評価と介入を実現できる」とも紹介されており、文字通り「人生のパートナー」となりうるクルマなのかもしれません。
なお、現時点でこのスカイワース スカイホームは「コンセプト段階にある」とのことですが、市販モデルは「90%以上」このコンセプトのデザインや機能を反映するといい、続報が待たれるところですね。
スカイワース スカイホームを紹介する動画はこちら
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参照:REC Anything