ベトナム初の自動車メーカー「ヴィンファスト」が北米と欧州に進出との報道！2017年設立の自動車メーカーとしては異例の速さで世界展開を加速中

｜　ほとんどの新興メーカーが「口だけ」だが、ヴィンファストには行動が伴っていたようだ　｜

車両自体はBMWやオペルからのパーツ供給によって製造、デザインはピニンファリーナ

さて、ベトナム初の自動車メーカー、ヴィンファスト（ビンファスト）。

2017年に立ち上げを発表した後の2019年に量産を開始するというスピード展開を誇っていますが、その秘密は一から自社設計を行わず「BMWやオペルから主要パーツの供給を受けているから」。

現在はSUV（Lux SA2.0）とセダン（Lux A2.0）、コンパクトカーのFadilという3つのラインアップを持ちますが、Lux SA2.0はBMW X5、Lux A2.0はBMW 5シリーズ、Fadilはオペル・カールをベースにしています（パーツや設計の供給をうけ、製造はベトナムにて行っている）。

オーストラリアのホールデン工場も買収

さらにヴィンファストはオーストラリアにある、（撤退に伴い閉鎖された）ホールデン車を製造していた工場をGMから買い取っており、生産設備を拡大することで世界進出のきっかけを得ていますが、今回はついに北米と欧州の両方にオフィスを開設し、グローバル展開をスタートさせたとの報道。

実際のところヴィンファストの親会社であるヴィングループによれば、「ヴィンファストは5つの国際市場に駐在員事務所を設置しており、近々カリフォルニアにショールームを開設する予定」なのだそう。

これらを足がかりに、2022年には北米と欧州にて販売を開始し、北米だとアメリカとカナダ、欧州ではドイツ、フランス、オランダでの販売を計画しているとアナウンスしています。

欧州展開はEVにて

なお、現在ヴィンファストは北米や欧州においてどういった車種展開を行うのか発表していないものの、「バッテリーをリース方式で販売する」としているので「EV」になると考えて良さそう。

となると現在主力のガソリンエンジン車「LUX」シリーズではなさそうですが（これらの中身はBMWなので、どのみち欧州市場では競争力を発揮できないと思われる）、ピュアエレクトリックカーであるVF31もしくはその上に位置するVF32を投入することになるのかも。

「VF31」はCセグメントに属するクロスオーバーで、全長は4,300ミリ程度、ベースモデルは114HPを発するエレクトリックモーターを一つ搭載し、上位モデルだとこれが2つへ（201HP）。

VF32やや大きくDセグメントに属し、全長は4,750ミリ、ホイールベースは2,950ミリだとされ、インテリアには15.4インチサイズの大型インフォテイメントディスプレイを持ち、シートヒーターやステアリングホイールヒーター、HEPAフィルター内蔵のエアコンが与えられ、エントリーモデルでは201馬力（シングルモーター）、上位モデルだと402馬力とけっこうパワフル。※VF32は世界戦略車だと言われるので、こちらが北米と欧州へ投入される可能性が高い

ヴィンファストは事業拡大のための資金調達として、米国での新規株式公開を検討しているほか、特別目的買収会社との合併も視野に入れていると言われていますが、ここまで短期間で生産を軌道にのせ、さらに拡大展開を行う例は非常に少なく、これまで報じられる機会が少なかったものの、これはとてつもなくスゴいことなんじゃないかとも考えています。

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