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ボルボが2024年第1四半期の確報を発表。2025年にEV販売比率を50%、2030年に100%にすると言う目標を掲げつつも実際には69%もEV販売が下がり、構成比率は1/4程度に留まる

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| 様々な事情があるものの、ボルボにとっては厳しい状況であることは間違いない |

価格戦略やモデル展開、プロモーションなど様々な対応が望まれる状況ではあるが

さて、ボルボは2030年までにラインアップ全てを電気自動車に移行するという野心的な計画を立てており、2025年までに世界販売の半分をEVにすることを目指していますが、2024年は米国における同社の電気自動車(BEVラインアップ)にとって最悪の年であることが判明し、その販売が69%も急落したことが明らかに。

今回ボルボが発表した内容だと、2023年第1四半期でのEV販売は4,138であったのに対し、2024年第1四半期だとわずか1,298台にとどまっています。※現時点ではボルボにおけるEV構成比率は1/4程度である

ただしボルボ全体の販売台数を見てみると、2024年第1四半期の販売は前年同期の36,094代から41,555台へと15%増加しており、とくにPHEVモデルが55%増加(10,124台)したことは注目に値し、フォルクスワーゲンCEOが発言した通り、「なぜかはわからないが、ここ数ヶ月で急に人々がPHEVを好きになったようだ」という事実が浮き彫りとなっています。※ガソリン/マイルドハイブリッドは25,437台から30,133台へと18%増加

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ただしそこにはボルボ特有の事情も

ボルボはこの第1四半期において、「アメリカの高級ブランドの中で最大のEV販売減少を経験」していますが、これはどうやらボルボの製品に起因している可能性があるもよう。

現在、米国で購入できるボルボの完全電気自動車(BEV)は、XC40リチャージと C40リチャージの2モデルに限られ、これらはいずれも評価は非常に高く、しかし両者の開始価格はそれぞれ 52,450 ドルと 53,600 ドルという設定です。

そしてこの価格は現在44,990 ドルから購入できるテスラ・モデルYよりも大幅に高額で、これが障壁となってボルボのEVが売れていないと考えられていますが、ボルボは「価格競争への参加を拒否」し値下げを行うつもりはなく、これは「各モデルにて最低限16%の粗利を獲得する」ことをポリシーとしているため。

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ちなみにですが、米国におけるEV販売比率は過去2年間で最大の21%を記録しており、しかし今回の販売減少によってボルボは大きくそのシェアを落としたということになりますが、今後(北米で)追加されることになるEX30とEX90においても同様に”強気の価格設定”を行うことは間違いなく、これは北米のボルボディーラーにとって大きな不満を巻き起こすことになるのかもしれません。

なお、「ハイブリッドやPHEV」が大きく伸び、EV販売の成長が鈍化したことについては「現在のインフレが続く困難な状況において、消費者が価格に対してシビアになったから」だと分析されていますが、その意味でもボルボの価格設定は時代にそぐわないようにも思えます。

一方、価格競争に参戦したからといって販売を伸ばすことができるとは限らず、削った利益のぶんだけ販売台数が増えなければ「値下げ損」となってしまい、そしていったん値下げした価格をもとに戻すことは非常に難しく、あるいは現在のボルボの判断のほうが「正しい」のかもしれません。

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