| BMWがi3のオプション「レンジエクステンダー」を削除 |
BMWは先日「i3のバッテリー密度を向上させ、走行距離を伸ばす」と発表していますが、その一回の充電あたり走行可能距離が伸びたことにより、今まで設定していた「レンジエクステンダー」を廃止する、と公表。
レンジエクステンダーとは、「レンジ(走行距離)をエクステンド(伸ばす)」する」もので、バイク用のガソリンエンジンを車体後部に載せ、それを回転させることで発電し、その電力をバッテリーへと蓄電して走行に充てるもの。
レンジエクステンダーは走行には直接使用できない
レンジエクステンダーはあくまでも「発電」のためだけに使用し、これを動力源として使用することはできないものの、BMWとしては「レンジエクステンダーがなくても十分な走行距離を確保できる」と判断したということになります。
ちなみに下図はBMW i3における、レンジエクステンダー搭載車(REx、黄色のライン)とピュアEV(BEV、赤のライン)との比較。
発売当初ではバッテリーのみでの走行可能距離が短く、よってレンジエクステンダーを選択する人がBEVと同数程度存在したことがわかりますが、これまでi3は二回バッテリー容量を拡大しており、それにともないBEVを選ぶ人が多くなっていることがわかりますね。
ただ、ぼくが実際にBMW i3に3年ほど乗った経験上でいうと、レンジエクステンダーは非常に便利(というか必須)。
というのも、レンジエクステンダーは文字通り保険としても活用でき、たとえば「充電忘れ」の場合。
ぼくは自宅の充電器でi3をチャージしていたのですが、i3にプラグを差し忘れる、もしくはプラグを差してもスイッチ(200V充電器の通電スイッチ)を入れ忘れることが「稀に」あります。
そういった場合、レンジエクステンダーがあれば充電する時間がなくともすぐに出かけ、「充電しながら」走れることになり、これに救われた例も過去に何度か。
そのほか、地震や台風などで異常に渋滞し、充電ポイントまでたどり着けない場合、停電で充電できない場合、渋滞している時が炎天下や極寒でエアコンによる電力消費が大きい場合(これはバカにならず、エアコンを”強”のするとみるみる走行可能距離が減ってしまう。しかしエアコンをつけておかないと体力が保たない)には”レンジエクステンダー頼み”となってしまい、「レンジエクステンダーがなかったら家にたどり着けなかっただろうな」という経験も実際にわるわけですね。
よって、ぼくはEVでも「400キロ程度は走れないと安心できない(400キロ走れるとしても、渋滞中にエアコンを使うと残りの走行可能距離がすぐ100キロや200キロになる)」と考えていますし、それだけの容量がない電気自動車であれば、やはりレンジエクステンダーがなければ安心して乗れない、とも考えています。
VIA:InsideEVs