| とにかく996世代の911は人気がない |
水冷ポルシェの最初の世代、つまり996の価格がかなり下がっており、時おり中古車チェックを行っています。
ぼくは水冷ポルシェからポルシェワールドに入っていますので水冷には格別の思い入れがあり、そして当時911はやはり雲上の存在だったということもあって、今でも憧憬の念を持っているわけです。
そんなわけで水冷ポルシェですが、2000年モデルだとなんと250万円以下で探すことが可能。
ただ、この価格帯は「ティプトロニック」となっており、マニュアル・トランスミッションだともう100万円ほど高価になります。
もちろん新車購入時はティプトロニックのほうが高価で、売却時もティプトロニックのほうが高いと思われますが、実際に中古市場で販売されるときはいつもマニュアルが割高に。
なおフェイスリフトを行った2003年モデルでもあまり価格は変わらず、ティプトロニックで280万円ほど、マニュアルで380万円あたりが中心価格帯。
なお996世代と997の前期に採用されているティプトロニックは現在のPDKとは異なり「トルコン式AT」。
よってダイレクト感はマニュアルトランスミッションとは比べものにならないのですが、そのマニュアル・トランスミッションは996世代ではゲトラグ製、997世代ではアイシン製となっており、ヒルホールドアシストがつくのは997後期になってから。
そのため日常的に乗るのであれば、そして997前期までを選ぶのであればぼくはティプトロニックを選びたいと考えており(まさに日常的に、どこにでも乗って行く用途なので気を遣いたくない)、比較的安価に911を拾える、ということになります。
996後期だと911カレラ4Sは470万円くらい、911ターボは570万円くらい。
カレラ4に使用される4WDシステムはすでに旧世代であり、現代においてこの価格で4WDを選ぶ必要性はあまり感じておらず(燃費もあまり良くない)、しかしターボはその強烈な加速を考えると今でもじゅうぶん現役で通用するパフォーマンスを持っており、911ターボの中古価格はかなり魅力的と言えますね。
そして世代が変わって997ですが、これは前期モデルだとマニュアル、ティプトロニックともに500万円以下から探せます。
996世代に比べると割高ではありますが、997は「まだまだ現役」という印象が強く、その997世代のポルシェ911を500万円以下で買える、というのはかなり魅力的(VWゴルフRよりも安い)。
なお997世代のターボはそのパフォーマンスが今でも第1級であるためか1000万円前後、とかなり高い相場です。
現在のところもっとも選択肢が多いのが997前期ですね。
同じ997世代でも後期になるとティプトロニックがPDKに置き換わるという劇的な変化があるためか(そのため現行とメカニズム的には大差ない)スタンダードな911カレラで700万円前後、という価格帯。
マニュアル派もこの時期にPDKに移行したと思われ、MTが極端に少ないのも997後期の特徴のひとつ。
そのためMTの中古は極端にタマ数が少なくなっていますね。
997後期になると一気に相場が高くなる印象がありますが、800万円前後の個体も珍しくはなく、その価格帯であれば新車の718ボクスターを購入できることもあり、ぼく的には997世代であれば前期までしか狙えない、と考えています。
997後期ではテールランプにLEDを採用していることも特徴で、フロントのデザインとともに一気にリアも現代的に。
ちょうどこの時期はポルシェがデザインに力を入れていた時期でもあり、それまでは「不要な装飾は不要」と考えていたと思われますが、これ以降は「やはりライバルと戦うには装飾は必要」と考え、デザインによる差別化を考えだした頃と認識しています。
よって複雑な面構成や入り組んだデザイン、ランプ類とボディラインを統合したデザイン(それは991にも引き継がれる)を持ち、それまでは「バンパーはバンパー、ランプはランプ」という感じでパーツ単位で独立していたものが融合されたというイメージ。
なお「911」で検索するとカーセンサーエッジではなんと800台も検索結果が表示され、997以降が多く市場に出ているようですね。
(944や968がほぼ無くなってしまったことを考えると)993も意外と多いですが、やはり価格が高すぎるように思います。
ちなみに少し前は996世代でももっとやすい個体があったように記憶しているのですが、現在はそういった個体が登録されていない模様。
もしかすると996も安いものは海外へ流出したりしており、今後相場が上がってくるのかもしれませんね。