| とくにパネライは常識を遥かに超えた腕時計を作っていた |
さて、今日は「行き過ぎた腕時計」3つを紹介。
ブランド自体は「パネライ」「ウブロ」「オーデマピゲ」という押しも押されぬ人気ブランドですが、その歴史の中においては「理解し難い」域にまで行ってしまった製品もあるようです。
ときには「ジェイコブ」「グラハム」「ウルベルク」のようにブランド自体が「別の世界に」行ってしまったようなケースもありますが、今回はメジャーブランドが作った”クレイジーな”腕時計を見てみましょう。
パネライ・ルミノール1950パンゲア・デプスゲージ(PAM00307)
まず、こちらは普通の「パネライ・ルミノール・サブマーシブル・ロイヤルネイビー・クリアランス・ダイバー(PAM00664)」。
サブマーシブルはルミノールシリーズの中のダイバーズウォッチという位置づけでしたが、現在は単独のシリーズとして機能しています。
パネライは2019年に新CEOを迎えており、そこで行われたのがシリーズの刷新。
上述の通りサブマーシブルを独立させ、ケース径47ミリという特大ダイバーズウォッチを核に、44ミリ、42ミリの展開も開始しています。
そして時をさかのぼって2008年、パネライが世界限定限定にて発売したのがこのパネライ・ルミノール1950パンゲア・デプスゲージ(PAM00307)。
日本では1,648,500円にて発売されていますが、なんといってもその分厚さが特徴。
この分厚さの理由は「機械式腕時計と、クオーツの水深計とがひとつの腕時計に収まっている」ためで、要は2つのムーブメントをひとつの腕時計に内蔵しているわけですね。
裏蓋はこんな感じでパンゲア大陸が刻印されています。
ちなみにこの腕時計は探検家のマイク・ホーン氏へのトリビュートモデルであり、同氏が所有する船の名前も「パンゲア」。
マイク・ホーン氏は南米単独横断や赤道一周、北極圏一周を行ったことでも知られています。
ただでさえデカいサブマーシブルがとんでもない厚さになってしまったわけですが、パネライは「エジツィアーノ」なる、直径60ミリのサブマーシブルを限定500本で発売したことも。
サブマーシブルはもともとエジプト海軍潜水特殊部隊の要望に応える形でパネライが1956年に製造したことがそのルーツですが、これを復刻したのがエジツィアーノというワケですね。
ウブロ・キングパワー・オーシャノグラフィック1000(732.QX.1140.RX)
そして次はウブロの「行き過ぎた腕時計」。
ウブロの設立は比較的新しい1980年で、そこからのし上がるためにとった手段が「有名人の起用」。
有名人をアンバサダーとして活用することで「セレブのつける腕時計」というポジションを獲得したということになりますが、もちろんそれだけでは現在の地位を築くことは難しく、「デザイン」「素材」にこだわり、ひとめでウブロだとわかるアピアランスを与えたことが大きかったと認識しています。
やはり代表的なモデルはビッグ・バンですが、これはラバーべルトにセラミックやカーボンを組み合わせ、時間が読めないほど真っ黒な「ブラックマジック」など、およそそれまでの腕時計、とくに「高級腕時計」にあるまじき製品を次々発表し、それが逆に多くの人々に受け入れられたわけですね。
そんなウブロが発表したのが「オーシャノグラフィック1000/4000」。
動画ではオーシャノグラフィック1000(2013年)が紹介されていて、画面上でも「48ミリ」というデカさが伝わってきます。
なお、4000メートル潜れる「オーシャノグラフィック4000」の厚みはこんなものではなく、オーシャノグラフィック1000を愛用しているぼくにとっても「これをつけるのはちょっと・・・」とためらわれるほど。
オーシャノグラフィックはダイバーズウォッチという位置づけで、モナコにある海洋博物館とのコラボレーションによって誕生しており、素材は画像の「カーボン」のほか「キングゴールド」「チタン」の3種類があります。
ぼくはこのうちカーボンとキングゴールドを購入していますが、残る「チタン」がデットストックで見つかれば即購入しコンプリートしたいと考えているところ。
オーデマピゲ・ロイヤルオーク・オフショア・サバイバー26165IO.OO.A002CA.01
そして最後はオーデマピゲ・ロイヤルオーク・オフショアの変わり種。
オーデマピゲと言うと「世界三大運上腕時計ブランド」のひとつで、セレブはもちろんエグゼクティブに愛用される腕時計。
とくに「ロイヤルオーク」、そしてそのスポーツ版の「「ロイヤルオーク・オフショア」の人気が非常に高く、その相場も高騰気味。
全般的にドレッシーな印象が強いオーデマピゲですが、何を思ったのか1000本限定で発売したのがこの「ロイヤルオーク・オフショア・サバイバー」。
文字通りサバイバルナイフをイメージしたデザインを持っている一本ですが、この頃はまだロイヤルオーク・オフショア・クロノグラフに44ミリが発売されておらず、したがってケースは42ミリを採用しています。
ただしケースにはこんな感じで、サバイバルナイフを連想させるドリル加工等が施されることに。
それは針においても同じで、やはりサバイバルナイフ風。
そのほかリュウズ、プッシュボタン/ガード、ベルトなども専用デザインを持っていて、見た目も異様なインパクトを与えるものに。
なお、これはぼくがオーデマピゲを買おうと思うきっかけとなった一本であり、ぼくの考える「腕時計史上、もっともカッコイイデザインを持つ一本」でもあります。
VIA: Watchfinder & Co.