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IWCはどう?アクアタイマー、インヂュニア、パイロット・ウォッチを考える

2015/06/14

IWC(インターナショナル・ウォッチ・カンパニー)というと一般に「ポルトギーゼ」「ポートフィノ」が有名ですが、ぼく的にはミリタリー系に惹かれます。
ドレス系はぼくの普段のスタイルにはまったくマッチしない(スーツを着ない)こともありますし、そもそもドレスウォッチには興味が殆ど無い、ということもあります(そのためパテック・フィリップ、ヴァシュロン・コンスタンタン、ブレゲ等には興味を惹かれない)。

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そんなわけでIWCの非ドレス系となると「アクアタイマー」「パイロットウォッチ」あたりになるのですが、アクアタイマーは非常に種類が多いですね。

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チタン製のアクアタイマー・スプリットミニッツ・クロノグラフあたりは魅力的で、IWCは古くからポルシェデザイン向けにチタニウム・ウォッチを供給しており、それに起因してチタン加工の信頼性も高いと思います(ときどき中古でオーシャン2000を狙いたくなりますが)。

なお、「インヂュニア」も人気の高いモデルで、セラミックをケースに使用したりという先進性も。
丸く薄いケースが多いIWCにおいては、大きくゴツイ印象があり、従来のIWCファンとは異なる客層を持つように思います。
メルセデスAMGとコラボしているのも、このインヂュニア・シリーズですね。

ただ、ぼくが思うのは「IWCは全般的にちょっと弱い」ということで、ミリタリー系だとハミルトンと大差ないデザインで価格は3-4倍ですし、ドレス系もとくに他メーカーに対してデザイン的優位性が感じられません。
アクアタイマーもデザインだけで見るとカシオのオシアナスやエディフィス、セイコー・アストロンのほうが高級に見え、より品質も高そうに見えます。

その意味では腕時計を見るたびに感じる満足感も薄いでしょうし、となるとIWCの時計を支えるのはそのブランド性ということになりますが、機能や機構、ケース、デザイン、バックグラウンド(パイロットウォッチや潜水用ウォッチ、ジュエラーなど)も他ブランドに比べると弱い、と考えています。

IWCは現在「ポートフィノ」「インジュニア」「ポルトギーゼ」「アクアタイマー」「パイロットウォッチ」「ダ・ヴィンチ」という6つの商品構成を持ち、セラミックやチタンをケースに採用するなど先進的な試みに対しても積極的ですが、セラミックだとやはりシャネルでしょうし、チタンも素材としては訴求力がちょっと薄いように思います。

ロレックスだとオイスターケース、ウブロだと異素材の組み合わせとラバーケース、ベル&ロスであればミリタリー一本、というようなブランドの「核」となるものが弱いように思うのですね。

デザイン的にもオーデマ・ピゲ「ロイヤルオーク」のような強烈なデザインアイデンテティがなく、IWCはそのうえ各モデルともよくデザインを変えるので、今ひとつデザインイメージが定着しない、ということもあります。

キャリバーについてもゼニスの「エル・プリメロ」のようなマスターピースを持たず、ETAからの供給やETAムーヴメントの改良版を使用してきており、IWCは機能的にもちょっと弱いかもしれません。

IWCは現在リシュモングループに属し、グループの核はカルティエですが、IWCは仕上げにおいてもカルティエに遠く及ばず、従って機能やデザイン、仕上げについても他ブランドに対して優位性が低く、かつ割高であるという印象は拭えない、とぼくは考えます。

こうやって考えると、IWCはなかなか「買いづらい」腕時計ではあるのですが、だからこそIWCを身につけている人を見ると「お主、やるな」的な尊敬の眼差しを送ってしまいます。

なお複雑時計「ダ・ヴィンチ」のゴールドモデルは意外と中古では安く(ケースが薄く小さいので金の使用量が少ないのか)、ときどき手を出そうかと考えることもあります。
ドレスウォッチには縁がありませんが、ドレス系でしかもゴールドとなると、現在のぼくの趣向と真逆ですし、そのギャップが面白く、新しい世界を発見できるんじゃないか、とも考えたりするのですね。

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