| マクラーレン・セナは想像以上によく考えられたクルマだった |
GQにて、マクラーレン・セナ発表会において、マクラーレンのエンジニアリング・デザイン・ディレクター、ダン・パリーウィリアムズ氏が説明を行う様子が掲載に。
これまでにもマクラーレン・セナについては様々な情報が公開されてきましたが、ここでもまた新しい情報が登場(一気に出してくれればいいのに、と思う)。
ここでそのいくつかを見てみましょう。
発生するダウンフォースは800キロ
まず、マクラーレン・セナには「ポッド」と呼ばれるエアロデバイスがあると報じられていますが、フロントのポッドについて、ここから取り込んだエアはフロントフェンダー内を流れ、ドア側面に導かれる際に「二分割(ポッド内にはアクティブに動くフラップがある)」され、下側はダウンフォースを増加させ、上側はクーリング性能向上のためラジエターにエアを送り込む働きがあるとのこと。
↓フロントエアインテーク内の青いものがフラップ
ちなみにこれを実現させるためにはドアを車体内側へと「抉る」必要があり、これによって通常サイズのサイドウインドウを使用することができなくなった(ドア内側に収まらない)ので小さな「チケットウインドウ」を採用することになったとも説明。
さらにフロントフェンダーの厚みは1ミリに満たず、なんと1枚660グラム。
この薄さでパネルを作るのは非常に困難だそうですが、マクラーレンは「20年に渡るカーボンファイバー製造技術」の集大成としてこれを実現させた、としています。
さらにラジエター表面を通過した空気はリアウイング下のルーバーを抜け、さらにリアウイングは30-35度の角度で可動することで「前後のダウンフォースのバランスを取る」ようですね。
これについてはMP4-12C登場時からリアウイングの角度をコントロールするという手法を採用しており、相当のノウハウがありそうです。
加えてシートが非常に軽量だということも既報のとおりですが、シートに採用されるカーボン製シェルは「中空(ダブルスキン)」だそう。
なお、マクラーレン・セナのスイッチ類は「オーバーヘッドコンソール」や「シートに直接」取り付けるなど他のマクラーレンとは異なる配置となっていますが、これは「フルフェイス・ヘルメットをかぶった状態で操作する」ことを前提としているためで、その状態で「ちゃんと視認でき」操作できる位置にスイッチを配置したらこうなった、とのこと。
さらにはディへドラル・ドア開閉のためのダンパーの位置も「小さく、軽くしようと思うとこの位置になった」としており、すべてが機能優先で設計されていることが説明されています(ダンパーについては、ドアに透明窓を設けたがためにここへ移動せざるを得なくなったという話も別にあった)。
今回の発表会において、冒頭に掲げられたのはアイザック・ニュートンの肖像画であったとされますが、マクラーレン・セナは「全て理詰めで作られている科学的なクルマ」ということをその場で示したようですね。
これはニュートンの提唱した方程式「F=ma」を基礎に、「パワーは質量と加速度の積に等しい(逆に、パワーが同じであれば軽いほうが加速が速い)」ということを徹底的に突き詰めたのがマクラーレン・セナである、とのこと。
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