| フェラーリが4気筒? |
フェラーリが「4気筒エレクトリックターボ」の特許を取得。
一瞬「え?4気筒?」と思ったものの、よく考えるとこれは「V8の片バンク」とも考えられ、将来的にV8エンジンへこのエレクトリックターボを装着するのかもしれませんね。
構造としてはレーシングカーによく見られるもので、タービンは”発電用”と”加給用”のふたつ。
「排気によって発電用タービンを回し、それによって発生した電力をバッテリーに蓄電→必要な際はバッテリーによって加給用タービンを回して加給」というもの。
「ターボ」はなぜ嫌われる?
一般的に、スポーツカー乗りにとって「ターボ」は嫌われる傾向にあります。
ターボは大パワーを獲得できるというメリットがありますが、「ターボラグ」「こもったサウンド」が問題視されるわけですね。
ターボラグについては、(一般的なターボの場合)排気でタービンを回し、その風圧で加給するという性質上、エンジン回転数が上がって十分にタービンを回せるだけの排気がなければ加給できず、これが「ターボラグ」。
各メーカーともターボラグ解消のためには様々な手段を講じており、それだけ大きな問題であるということですね。
「サウンド」については、ターボはその性質上、排気をタービンに送り込んでタービンを回すため、エンジンからの排気がそのままエキゾーストシステムを通じて排出されず、よって「色々なところを経由する」ので純粋な排気音ではなく「こもった」音が出てくるのがちょっとした問題、ということになります。
ただ、現代のクルマはどのみちゴッツイ触媒を搭載しているのでそもそも「純粋な」サウンドを持ちえず、いずれも意図的に”チューニング”されたエキゾーストノートを持つので、「ターボ化によって損なわれる音」についてはさほどぼくは重要視していません。
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ということで、現状においてもっとも有効なターボラグ解決策になりそうなのは「電動ターボ」であり、今回のフェラーリのように「排気で蓄電」するほか、「回生ブレーキで蓄電」するものもあって多種多様。
前者は「排気を利用してタービンを回す」のでやはりサウンドが損なわれますが、システム自体が非常軽量に納まるのが特徴。
後者はその逆ですね。
エレクトリックターボで意図的にサウンドを盛り上げる
なお、今回の特許における特徴は、「エレクトリックターボで、エキゾーストサウンドをコントロールする」ということ。
室内にマイクを仕込み(疑似サウンドを発生するためではない!)、そのマイクの拾う音が「不十分」な場合は、フェラーリらしいサウンドを室内に届けるためにタービンを回して意図的にサウンドを盛り上げる、としています。
つまりこれはエンジン回転数が上がることを意味しますが、反面環境性能が落ちる、ということにも。
ですがフェラーリはそれよりも「サウンドが大事」だと判断したということになりますね。
この場合、回転数が意図せず上がることになりますが、それが走行にどういった影響を及ぼすのかは不明で、このあたり実用化を待ちたいところではあります。
ちなみにフェラーリは「事故防止」のためにドライバーの心拍数をチェックし、あまりにそれが高いと「正常な運転ができない緊張状態」と判断して出力を下げるという制御システムを特許として登録したことがありますが、それはまだ実際に搭載されておらず、特許登録イコール実装、というわけではないようです(これはほかの自動車メーカーも同じ)。
VIA:USPTO