| BMW M1、8シリーズ、Z1の元祖はコイツだった |
BMWが100周年記念の一環として過去のコンセプトカー「BMWターボ」を紹介する動画を公開。
BMWとしては現在までで「唯一」のガルウイングドアとポップアップヘッドライトを持つコンセプトカーということになりますが、BMWターボのベースは「2002」で、これをミドシップへとレイアウト変更。
エンジンは2リッター4気筒(200馬力)、0-100キロ加速は6.6秒、最高速度は時速250キロというスペックを誇ります。
1972年にこのデザインが発表されていたとは
ベースとなる2002自体は1968年に発表され、ターボエンジンを搭載した「2002ターボ」は1973年に発売。
よって、この「BMWターボ」は2002ターボよりも登場が一年早い、ということに。
なお「BMWターボ」というネーミングについては、当時自動車にターボを使用した例がなく(2002ターボが量産車初のターボだと言われる)、しかし航空機用エンジン製造を背景に持つBMWは航空機譲りの「ターボ」を自動車に採用することでその技術力をアピールしようと考え、それを全面に押し出したのだと思われます。※BMWのエンブレムは”プロペラ”をあらわし、白い部分は雲、青い部分は空を表現している
ちなみにポルシェ初のターボは「930ターボ」で、この登場は1975年なので、BMWは当時「ポルシェに先んじていた」ということに。
デザイナーはBMWインハウスによるもので、ポール・ブラック氏。
2002のデザイナーでもあり、このBMWのターボの開発承認を取り付けると、彼はリトラクタブルヘッドライトやガルウイングドア、リアホイールカバーなど斬新なアイデアを次々投入。
動画では、このBMWターボが後のモデルに与えたデザイン的影響も説明しており、リトラクタブルヘッドライト含むフロントセクションは初代8シリーズやZ1、8シリーズへと引き継がれたことも説明しています(現在のチーフデザイナー、アドリアン・ホーイドンク氏が解説)。
たしかにフロントには8シリーズとの共通性があり、このキドニーグリル形状や周辺処理はZ1、M1にも引き継がれていますね。
BMWターボのフロントにおける、「下のほうが内側に入っている(シャークノーズ)」デザインについて、2002はもちろん、同年代に発売されたBMW 2800CSや3.0SCLにも共通。
ちなみにサイドウインドウの開閉は「横にスライド」する方式です。
前からBMWターボを見ると、のちの「M1(1978年)」にこのイメージが引き継がれたことがよくわかりますが、M1のデザインは「ジウジアーロ」だとされており、となるとBMW側がジウジアーロに対してBMWターボのデザインを継承するように強く要求したのでしょうね。
そしてリアもまたM1へとそのデザインが引き継がれていることがわかります。
M1だとテールランプの位置が上にあげられ、その中央をブラックとすることで「横方向」の長さを強調していますが、ジウジアーロは当時からこの手法を好んでいたことも改めてわかります。
1972年発表のロータス・エスプリもジウジアーロの作品ですが、こちらもM1との共通性もあるようですね。
BMWターボに採用されるボディカラー「オレンジ」もまた、M1や、その後の「M1オマージュ」にて採用され、そう考えるとBMWによるスーパースポーツの源流はここにあった、ということに。
こちらはM1オマージュ(M1誕生30周年、2008年に発表)。
ここからはBMWターボのインテリア。
BMWというと「オレンジ色の照明」が特徴的でしたが、この時代は「グリーン」を使用していたのか、もしくはこのBMWターボのみがグリーンだったのかは不明。
ドイツ語なので理解はできませんが、なにやら先進的なインジケーター。
それでは動画を見てみよう
まさか46年も昔にこんな先進的なクルマを作っていたとは恐るべしBMW、という動画「The BMW Turbo. BMW Concept Cars. Ideas that proved true.」がこちら。