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| かつて「もっとも注目されるモーターショー」といえばジュネーブやフランクフルトであったが |
もはや世界の中心は中国である
現在中国・北京では「オートチャイナ」が開催されており、ここでは世界中の自動車メーカーが様々な展示を行っていることが多方面にて報じられています。
かつてもっとも注目を浴びるモーターショーは「デトロイト」「東京」、そして「ジュネーブ」「パリ」「フランクフルト」ではありましたが、いまや世界「最重要」モーターショーは中国をおいてほかにない、という雰囲気でもありますね。
そしてポルシェはオートチャイナにおいてそのプレゼンスを回復すべく最大限の注力を行っており、電動化戦略の新たな頂点となる「新型カイエン ターボ クーペ エレクトリック」の世界初公開を行ったほか、中国進出25周年、そしてモータースポーツ参戦75周年というダブルアニバーサリーを祝うという「祭典」を繰り広げています。

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【ポルシェ危機】中国EVの「息をのむ革新ペース」に敗北宣言? –中国市場奪還を狙う「Winning Back China」戦略にて巻き返しを図る
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この記事の要約
- 世界初公開: 1,156馬力を叩き出す「カイエン ターボ クーペ 電気自動車」が登場
- 空力の極致: 911譲りの「フライライン」を継承し、SUV最高クラスのCd値0.23を達成
- 中国限定モデル: 25周年を記念した「911 GT3 Sonderwunsch(ソンダーヴンシュ)」と「パナメーラ Pure Edition(ピュアエディション)」を発表
- 伝統の継承: モータースポーツ75周年の歴史を反映した、技術と戦略の結晶
911の魂を宿した「史上最もエモーショナルなSUV」
新型カイエン ターボ クーペ エレクトリックは「カイエンクーペを電動化しただけ」ではなく、そのシルエットはポルシェのアイコンである「911」からインスピレーションを得た「フライライン」によって定義され、スポーツカーの気品とSUVの力強さを高次元で融合させた意欲作。
マイケル・ライターズCEOは、「一瞬の速さだけでなく、戦略、製品、チーム力によって成功を積み上げてきたモータースポーツの理念が、この市販車にも流れている」と語っており、ガソリンエンジンを搭載するカイエンクーペとは全く別の、「SUVよりもスポーツカーとしての」DNAを宿す来るかということになりそうですね。

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ポルシェが新型「カイエン クーペ エレクトリック」を北京で世界初公開、SUVというよりは911にも近い「ハイライダー風GT」、”ターボ”は1,156馬力
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異次元のスペック:1,000馬力オーバーの衝撃
このフラッグシップモデルが叩き出すパフォーマンスは、従来のSUVの常識を遥かに凌駕しており・・・。
カイエン ターボ クーペ 電気自動車の主要スペック
| 項目 | スペック詳細 |
| 最高出力 (オーバーブースト時) | 850 kW (1,156 PS) |
| 空気抵抗係数 ($C_d$値) | 0.23 |
| デザイン特徴 | 911直系のフライライン、最適化されたエアロダイナミクス |
| ベース技術 | モータースポーツ由来の駆動テクノロジー |
モータースポーツの技術を惜しみなく投入した駆動システム、そしてCd値0.23という卓越した空力性能によって電気自動車としてのパフォーマンスを次のレベルへと引き上げています。

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中国市場への敬意:25周年記念の特別モデル
ポルシェにとって、中国はもはや巨大市場であるだけではなく「技術革新の震源地」。
進出25周年を祝うため、北京のステージ上では中国専用の特別な2台がお披露目されたといい・・・。
- 911 GT3 Sonderwunsch(ソンダーヴンシュ)ポルシェのカスタマイズプログラム「ソンダーヴンシュ」によって製作された、中国市場向けの極めて希少な限定モデル※具体的なアナウンスはないが、オレンジの個体だと思われる
- パナメーラ Pure Edition(ピュア・エディション)中国の顧客の好みを反映し、内外装に特別なパッケージを施したスタイリッシュな限定車

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伝統と革新で挑む「耐久レース」の次なる章
ポルシェ中国のCEO、アレクサンダー・ポリッチ氏は、中国での歩みを「耐久レース」に例え、ここでは量(Volume)よりも価値(Value)を重視する戦略が改めて掲げられています。
具体的には「モータースポーツで培った技術をEVへと還元する」としていますが、今回発表された1,156馬力のカイエン・ターボ・クーペ・エレクトリックは、ポルシェがEV時代においても「エモーショナルなスポーツカーメーカー」であり続けることの強力な証明であるとも考えられます。

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なぜ北京で「レーシングガレージ」なのか?
今回のポルシェブースは、ニュルブルクリンクの伝説的コーナー「カラツィオラ・カルーセル」をイメージしたデザインになっているといい、これは、ポルシェが「サーキットこそが技術の実験場である」という信念を捨てていない証そのもの。

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これでもポルシェは黙っているのか・・・。中国SAICがタイカンに激似のEV「Z7」を発売、タイカンの約1/4の価格、同程度の性能、タイカン以上の先進性にて販売開始
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そしてポルシェが今後中国にて復権を果たすには、「中国車と同じ土俵で戦うわけにはゆかず、そして単に「加速やパワー」で戦うことも出来ず(なんといってもライバルはポルシェと同じ加速性能を持ち、価格は数分の一以下である)、ポルシェがポルシェであるためにはやはり「モータースポーツにおける歴史」「その歴史に裏打ちされた信頼性」、加えてそのたゆまぬイノベーションが示す継続性を周知させてゆくしかないのだと思われます。
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昨年、シャオミは中国のみで10万台のSU7を販売し、一方ポルシェは全世界でタイカンを21,000台販売したのみ。もはや消費者は「ポルシェを高く、時代遅れ」だと評価?
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そして直近の(中国における)ポルシェの数々の行動を見るに、ポルシェは「中国での光明を見出した」のだと考えてよく、ここからのポルシェの復活には大きな期待を寄せたいところでもありますね。
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【祝・10万人突破】アジア初、上海のポルシェ・ポップアップにて金字塔。「馬年」を祝う熱狂のブランド体験とは
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