
Image:BMW
| 一部では「EVが売れない」とは言われるが |
BMWは魅力が備わるEVであれば「売れる」ことを立証
「EV失速」が囁かれる昨今の自動車業界において、BMWがそのEV悲観論を打ち破る驚異的な数字を叩き出したことが明らかに。
2026年4月、BMWグループが発表した第1四半期(1〜3月)の実績によると、欧州におけるBEV(電気自動車)の受注が前年比で約40%も増加しており、その原動力となったのが次世代EVシリーズ「ノイエ・クラッセ」の先陣を切る新型「iX3」です。
予約開始からわずか数ヶ月で5万台を超える注文が殺到し、なんと新型X3を注文する顧客の2人に1人がEVを選んでいるという驚きの事態となっているのですが、BMWが仕掛ける「技術のクォンタムリープ(飛躍的進歩)」の実情に迫ってみましょう。
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【この記事の要約:3つのポイント】
- ノイエ・クラッセの衝撃: 新型iX3の受注が5万台を突破。欧州のBEV受注を40%押し上げる原動力に
- 市場の二極化: 米国では補助金撤廃でEVが苦戦する一方、本国ドイツ(+10.7%)や欧州全体ではBMWが独走
- MINIも絶好調: 5四半期連続でグローバル成長を達成。特に欧州のBEV販売が大きく貢献
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新型iX3が証明した「ノイエ・クラッセ」の実力
BMWが「ノイエ・クラッセ(新世代)」と名付けたこのプラットフォームは「新型車以上」の意味を持っています。
- 「半分がEV」という逆転現象: 役員のヨッヘン・ゴラー氏は、「新型X3のオーダーのうち、すでに半分以上がフル電動のiX3である」と明かしており、これは、消費者が「消去法」ではなく「性能やデザイン」で積極的にEVを選び始めた証拠と言える
- 先行デリバリーの開始: 3月から欧州で最初のiX3が顧客に引き渡されており、この勢いは第2弾モデルとなる新型「i3(セダン)」にも波及すると期待されている
- ドイツ市場での大躍進: 全体的な市場停滞が懸念される中、ホームグラウンドのドイツでは前年比10.7%増と二桁成長を記録。BMWのブランド力が改めて浮き彫りとなる
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BMWグループ 2026年Q1 販売実績まとめ
米国市場でのEVインセンティブ(補助金)終了による一時的な落ち込みはあるものの、BMWの第一四半期は欧州での強さが際立つ結果となっています。
2026年Q1 グローバル販売データ
| ブランド・部門 | 販売台数(Q1) | 前年比 | 状況分析 |
| BMWグループ全体 | 565,748台 | -3.5% | 全体では微減も、欧州受注は極めて堅調。 |
| BMWブランド | 496,050台 | -4.6% | 内燃機関車(ICE)需要は依然として高いレベル。 |
| MINI | 68,427台 | +5.9% | 5四半期連続の成長。EV版MINIが欧州でヒット。 |
| BMW M GmbH | 47,544台 | -5.9% | 前年の過去最高実績からの微減。 |
| Rolls-Royce | 1,271台 | -8.0% | コーチビルド等の超高付加価値戦略へシフト中。 |

地域別販売(BMW+MINI)
- 欧州地域: 236,422台(+3.0%)
- ドイツ国内: 68,022台(+10.7%)
- 中国地域: 143,958台(-10.0%)※市場全体の低迷を上回るパフォーマンスを維持
- 米国地域: 90,492台(-4.3%)※補助金撤廃によるEV減をICE車がカバー
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結論
BMWの第1四半期は、「ノイエ・クラッセ」という未来への投資が顧客から熱烈な支持という形で回答を得た期間でもあり、特に注目すべきは、米国や中国での逆風を欧州市場(特にドイツ)の爆発的なiX3需要が跳ね返そうとしている点。
「EVはもう売れない」という悲観論が漂う中、BMWは「魅力的なプロダクトさえあれば、顧客はEVを選ぶ」という極めてシンプルな事実を、5万台の受注という数字で証明しており、今夏以降、この「ノイエ・クラッセ」のデリバリーが本格化すれば、プレミアムセグメントの勢力図は一気に塗り替わるのかもしれません。
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なお、日本市場だとiX3は2026年夏以降の導入を予定しており、現時点では価格についてのアナウンスはなく、しかし確実に「1000万円オーバー」とも言われます。
欧州でも中心価格帯が7万ユーロと言われるので「安価なクルマ」ではなく、それでも多くの人々が(日本よりもインフレが激しいとされる欧州において)iX3を選んでいるという事実には驚くばかりでもありますね。
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参照:BMW













