| ドバイにて、比較的割安なマクラーレンP1が販売中 |
ドバイのエキゾチックカーディーラー、「DEALS ON WHEELS」にてマクラーレンP1の中古車が販売中。
ボディカラーはシルバー(販売されたほとんどのP1がシルバーだそう)、走行距離は6260キロ、そして驚くべきはその価格が「1億6000万円」とかなり安いこと。
とくにこのP1はカーボンパーツが装着されるなど多数のオプションが含まれており、いっそう「割安感」が強いと言えそう。
なおマクラーレンP1は新車だと96,615,000円で販売されたクルマで、その後は同時期に発売されたラ・フェラーリのプレミアに引っ張られる形で価格が上昇し、一時は2億円を超える相場を形成しています。
現在、マクラーレンP1の相場は下がり気味
ただしその後、マクラーレンP1は徐々に値を下げ、オークションでも予想落札価格を下回るもの、落札されないものが登場していますが、これは一説に「保証が切れる時期だから」とも(最近大きく下げたのは、セナが登場したからかもしれない)。
マクラーレンP1の発売は2013年で、つまり2016年あたりから「3年保証」が切れる個体が出現しており、これが相場を下げた一つの要因では、とも言われているわけですね。
実際のところハイパーカーはその生産台数の少なさに起因してパーツの生産量も少なく、よってパーツ一つ一つのコストも「割高」に。
よって保証が切れ、修理がすべて自腹になってしまうと(壊れたときに)相当な出費を強いられることになり、たしかにこれは購買意欲を削ぐ一つの要素にもなりそうです。
実際にハイパーカーを購入する人の多くは自分で運転するよりも「投機目的」で購入するのではと思われますが、購入してからトラブルが出て修理を行うと「売却価格が購入+修理に要した費用を下回る」可能性があり、かつ修理しないままで売却するとさらに売却価格が下がる可能性もありそう。
なお、ぼくが最近ふと思ったのは、「高額な関税がかかる国では、クルマを売却するときに相当に苦労するのでは」ということ。
たとえばマクラーレンP1は、新車だと関税のかからない日本では1億円ですが、関税やその他税金が高額な中国では2億5000万円、シンガポールでは3億円くらい。
そして問題は中国やシンガポールで購入したP1を「売ろう」と思ったとき。
こういったハイパーカー(ほかのクルマもですが)の相場は「世界規模」で形成されるので、たとえば「3億円で買った」としても世界標準の相場が2億円であれば、1億5000万円くらいでしか売れず、「購入価格から1億5000万円は損をする」ということに。
つまり購入時には車両価格1億円にプラスして2億円も税金を支払い、売却時には1億5000万円もお金を失うことになるわけで、「関税/税金の高い国で高額車両を購入すること」がいかに不利であるかがわかります。
なお、こういった関税/税金の高い国の多くは、「中古車になると新車よりも税金が安い」場合が多く、よって中古相場は新車価格に比較すると大きく下がることがあり、そのため同国内で販売しようとしても、やはり売却時には「相当に値下がりする」ということになりますね。
そしてそういった関税/税金の高い国であっても、今は世界中の中古車情報を見ることができ、「安い中古を」他の国から輸入することが出来るので(中古車輸入の場合の関税がどうなるのかは不明ですが)、やはり「3億円で買ったから」といって3億円の値付けで委託販売に出してもその価格で売れることは無さそうです。
こういった事情を考えると、日本は「自動車の関税がゼロで本当に良かった」と思いますが、もしかすると(関税や税金の高い国の)お金持ちは「関税のかからない国にも拠点を構え、高額なクルマは自国ではなく他国で購入・保管」しているのかもしれませんね。