日本では「珍し」くても欧米では一般的。すぐに車窃盗の主流になる?
テレ朝NEWSによると、「リレーアタック」による車の盗難(未遂)がはじめて確認された、とのこと。
リレーアタックは欧米ではけっこう一般的な盗難方法で、近年主流になった「スマートキー」の性質を利用したもの。
主に二人組で犯行が行われますが、一人が「キーの電波」を拾い、盗難を計画している車のそばにいるもう一人へとその電波を「中継」することでドアを難なく開け、そのままエンジンをスタートさせてクルマを無傷のまま奪う、という手口です。
実際にはどういった手口でクルマが盗まれるのか?
ちょっとわかりにくいと思うので、ここでリレーアタックの方法を見てみましょう。
まずはレクサスのオーナーがショッピングモールの駐車場にクルマを停め、クルマをロックして離れます。
オーナー(緑の丸)はクルマ(緑の四角)を離れ、ショッピングモールへ向かいます。
それを見た窃盗犯Aが準備開始。
窃盗犯はこういった駐車場で待機し、スマートキーを採用している、最新かつ高級なクルマが入ってくるのを確認して「ターゲット」認定することになります(つまりスマートキー装備だと、どんなクルマでもターゲットになりうる)。
ポチっとトランスミッター(送信機)のスイッチをON。
そして窃盗犯B(赤い丸)がターゲットとなるクルマ(緑の四角)に近づいて・・・
こちらはレシーバー(受信機)のスイッチをON。
窃盗犯A(赤い丸)はレクサスのオーナー(緑の丸)にそしらぬふりをして近づきます。
そしてショッピングモールのようなところだと近づいても怪しまれないので、ここでオーナー(緑の丸)がポケットやバッグに入れているであろうスマートキーの発する微弱電波を窃盗犯A(赤い丸)が拾い・・・
トランスミッター経由にてクルマのそばにいる窃盗犯Bへと送信。
窃盗犯Bは電波を受信すると「レシーバーがスマートキー代わりになり」、クルマとしてはスマートキーがそこにあると認識してしまうので、ドアノブを引っ張れば難なくドアが開いてしまいます。
そしてエンジンスタートで発車可能。
こんな感じで「マジかよ」というくらい簡単にクルマを盗むことができ、しかも無傷。
組織的犯行なのでクルマに装備されるGPS追跡機能なども後にカットされるので追跡はほぼ不可能となるわけですね。
なお、トヨタはスマートキーに「対策」を施してあるといい、メルセデス・ベンツは「ロックボタン二度押し」で電波を発しないように設定可能(スマートキーとしての機能も失われる)。
こういったことは出先の駐車場だけではなく「自宅」でも起こりることになり、実際に今回大阪でリレーアタックによる盗難未遂が発生したのは「自宅」だそう。
この動画は(この事件とは別の)自宅に設置されたセキュリティカメラが犯行の一部始終を捉えたもので、窃盗犯Aが玄関周辺でトランスミッターを動かしながら電波を拾い、窃盗犯Bが中継された電波を使用してアンロックする様子がわかります。
この場合、おそらく玄関に入ってすぐのところに「スマートキー」が置かれていて、ドア越しに窃盗犯Aがその電波を受信した、ということに。
よって、スマートキーを保管する際は「電波の届かない」家の真ん中あたりに保管しておくか、もっと確実なのは電波を遮断できる金属製(アルミ製が好ましい)のボックスにキーを入れて保管すること。
ただし外出先ではそういった金属ケースにキーを入れるわけにもゆかず「標的」にされやすくなりますが、アマゾンなどでは「電波遮断 キーケース」等のキーワードで検索すると多数の対策キーケースやポーチがヒットするので、(スマートキー採用車のオーナーさんは)そういったたぐいの製品を使用すると良いかもしれませんね。
参照:テレ朝NEWS