エレベーターの故障で路上に出せないままオーナーは死去
217台のみが製造された、希少なアルファロメオ・ジュリエッタSZ(1962年製)がイタリアはトリノにある建物の地下室から発見された、というニュース。
この持ち主は地下室に通じるエレベーターが壊れたためにこのクルマを出すことが出来ないままに35年放置し、その後に死去したと報じられています。
そしてその後オーナーは亡くなり、昨年何らかの偶然にてこのクルマが発見されることになりますが、遺書などはなく、このクルマについては政府の管理下に移されて1月末のオークションに出品されることになり、すでに7000万円超の価格にて落札された、とのこと。
ボディはハンドメイド、ウインドウは樹脂製
このジュリアSZ(スーパースプリント)はアルファロメオ・ジュリエッタのハイパフォーマンス版となり、車体そのものはアルファロメオの製造ではあるものの、ボディや内装はザガートの手によるもので、ハンドメイドによる叩き出しのアルミ製ボディを持つほか、ホイールベースが短く設設定され運動性が向上しているようですね。
そのほかには重量低減のためにパースペックス製のウインドウ(樹脂製ウインドウ)、簡素な内装を持つなどスパルタンな仕様となっており、その結果重量は「785kg」に。
エンジンはハイチューンされた1.3リッターで、ウェーバー製キャブレターを備え出力は100馬力。
軽量ボディも相まって時速200km/hで走行が可能であったとされ、これは(当時の)より大きなエンジンを積むレーシングカーをも凌ぐ性能だとされています。
製造されたアルファロメオ・ジュリアSZの多くはレースに出場し、ニュルブルクリンクやタルガ・フローリオ、ル・マンを走ったとされますが、現存する台数は不明(残念にも事故で廃車となった個体も多いと思われる)。
今回のアルファロメオ・ジュリアSZのボディカラーはメタリックブルー(Blu Chiaro Metallizato)、シートもボディカラーに呼応するかのように鮮やかブルー。
画像を見るにコンディションは非常によく(ボディにはサビも見られない)、「未レストア」ということで歴史的価値も高そう。
おそらく落札したオーナーはこれからレストアを行うものと思われますが、まさに「歴史的発見」だと言えそうですね。
なお、放置されていた希少車が発見される例は後をたちませんが、「地下室」というのはけっこう稀。
おそらく実際は相当数が人知れず地下に眠っているのだと思うものの、地下の場合は人目に触れず「偶然」発見されることもないために、”地下で見つかった”という例は少ないのかもしれません。
そしてさらに稀な例として「地面に埋まっていた」フェラーリ・ディーノが発見されたこともありますね。