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世界に一台。993世代のポルシェ911ターボ開発プロトタイプ「唯一の生き残り」が競売に。予想落札価格は5000万円

2019/05/03

| フェンダーやフロントリップ、リアウイングが市販モデルとは異なる |

RMサザビーズ開催のオークションにて、1994年製「ポルシェ911ターボ(993)・プロトタイプ」が登場予定。

この911ターボ・プロトタイプはロードテストにおいて重要な役割を果たしたとされ、プロトタイプであるがゆえに特別製のワイドフェンダー、フロントスポイラーそしてリアウイングを装着しています。

通常、プロトタイプが市場に出回ることはない

テストが終了した後、ポルシェはエンジンとトランスミッションを取り外しドイツ国内のディーラーへと販売したそうですが、その後さらにこのクルマは別のオーナーへと売却されることに(今回はそのオーナーからの出品)。

その後「取り外された」トランスミッションとエンジンを装着してもう一度路上を走ることになりますが、テストカーとして使用された割にはコンディションは非常に良く、ボディのペイントや内装については「当時のまま」。

なお、プロトタイプといえども装備は充実しており、リアワイパー、12WAY電動調整式シート、ブラウプンクト製オーディオ、エアコン、パワーウインドウも装備しています。

こうやって見ると、リアフェンダーの膨らみがややおとなしいこと、リアウイングの形状も市販モデルとは異なって「小ぶり」なことがわかりますね。

ポルシェは新型車の開発においては「数十台の」プロトタイプを製作することで知られますが、その多くは開発完了時に廃棄されたりといった運命をたどることになり、RMサザビーズによれば、この911ターボ・プロトタイプは「唯一生き残った個体」。

そしてプロトタイプが生き残っていたとしても、車体番号を持たなかったり、市販車としての要件を満たさずに「登録不能」な個体も多いようですが、今回の911ターボ・プロトタイプについては合法に登録もできるようですね。

事前の予想では、その落札価格は最高で5000万円だとされ、「かなりな価値が見出されている」ということになります。

なお、リアウイングの下には大きなインタークーラー。
ポルシェは「991.2」世代で全車ターボ化していますが、その際にインタークーラーは「リアバンパーサイド」へと移され、その後の992ではまた「エンジン上」、つまりこの993ターボと同じ位置に。

インテリアにはレッドレザーが採用され、そのコンディションは非常に良好。

トランスミッションはもちろんマニュアル。

リアシートはなく「2シーター」。

ほかにはこんな「プロトタイプ」が売りに出されている

なお、過去にもこういった「開発プロトタイプ」は何台かオークションに登場。
記憶に残るのはやはり「風洞実験のために作られた」走行できないフェラーリF12のプロトタイプ。

プロトタイプには製造された目的があり、寒冷地テスト用、酷暑テスト用、クラッシュテスト用などがあり、実際には相当数が製造されているようです。

そしてこちらのラ・フェラーリ・プロトタイプも「走行不可能」。

ちょっと珍しい、排ガス数値測定用の「スピードが出ない」プロトタイプも。

そしてポルシェ959開発のために12台が製造されたうち、一台が出品されたこともありますね。

そして珍しい、ナナサンカレラの試作車も過去にオークションへ登場。

VIA:RM Sotheby's

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