米顧客満足度の意外な結果。品質が低くとも満足度が高いブランド、その逆も。メーカーは品質よりも「楽しさ」を追求したクルマを追求したほうが良さそうだ

｜　品質が高くとも、満足度の低いクルマも。つまり品質と満足とは比例しない　｜

調査会社、JDパワーが、アメリカ市場における「自動車メーカー、自動車ごとの顧客満足度調査結果」を発表。

調査の対象は「異なる10のカテゴリからの90車種」で、これらを直近にて新車で購入したオーナーへと聞き取り調査を行ったもの。
なお、満足度を測る項目は「ドライビングダイナミクス」や「インフォテイメントシステム」など多岐にわたっています。

ヒュンダイは「品質を上げても満足度は上がらなかった」

その結果、1000点満点中の平均点は823点となり、これは昨年の820点を超える数字。※ラグジュアリーカーの平均は853点、普及車の平均は818点
トップは相変わらず「ポルシェ」ですが、ここでそのランキングを見てみましょう。

この結果はいささか意外なもので、というの最近の「品質調査」で上位常連となった「ヒュンダイ」「キア」のポジションが低く、同様に品質評価の高い「レクサス」「トヨタ」の順位も低いため。

逆に品質調査ではランクが低い「ランドローバー」「ミニ」「メルセデス・ベンツ」が今回の満足度では上位に位置している、というのも興味深い差異ですね。

つまり、「品質に満足していても、そのクルマに必ずしも満足しているわけではない」「品質が低くても満足度の高いクルマがある」ということになり、クルマの満足というのは、品質にかかわらず「楽しいかどうか」「期待を超えているかどうか」なのかもしれません。

その意味では、アクティブさを感じさせ、ライフスタイルの広がりを予感させてくれるランドローバーが今回の調査で上位にあったり、内外装に独自の世界観を持つミニ、そして「ハイ、メルセデス」で一気にコミュニケーション/インフォテイメントシステムの可能性を広げたメルセデス・ベンツが上位に来たりするのも理解できますし、反面「品質は高いが面白いとは言い難い」レクサスが下位に沈むことにも頷けます。

品質調査結果はこんな感じ

一方、こちらは同じくJDパワーによる、最新の自動車メーカーごと品質調査の結果。
これを見ると、品質だと2位に位置するキアが「満足度」では23位、品質3位のヒュンダイは満足度26位、品質7位の日産は満足度28位、そして逆に品質では31位のランドローバーが満足度では6位、品質29位のアルファロメオが満足度13位、品質28位のボルボが満足度5位という逆転現象も。

これを見るに、自動車メーカーは「品質の高さ」よりも「楽しいかどうか」を重要視したほうがいいのかもしれません。

そして品質と満足度ともに高いメーカーももちろんあって、それらは「ジェネシス」「リンカーン」、両方とも低いのは「三菱」「スバル」。