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ポルシェがEVメーカー「リマック」への投資を拡大。同じグループに属するアウディ、ブガッティもその技術を使用しEVスーパースポーツ計画を推進させる意向

2019/09/08

| 果たしてリマックはそこまで凄いのか?今のところの実績は「コンセプト・ワン」のみ |

ポルシェはこれまでリマックの発行済株式10%を購入することでリマックの経営に参加していますが、今回それを15.5%に引き上げる、と発表。

リマックはクロアチアに拠点を置くエレクトリックカーメーカーで、その創業は2009年とかなり若い会社。
まず創業者のメイト・リマック(Mate Rimac)氏は自身のBMW 3シリーズ(E30)をピュアエレクトリックカーへとカスタムすることからはじめ、2011年には初の市販車となる「リマック・コンセプト・ワン」を発売しています。

そんなメイト・リマック氏ですが、当初は誰もが相手にしてくれず、狂人扱いされたということも後に激白。
アインシュタインか誰かの言った「「偉大な精神の持ち主は、常に三流の猛烈な反対にあう」という典型例だと思われ、あまりに先に行きすぎたメイト・リマック士の考え方を誰も理解できなかったのかもしれません。

「EV開発を始めた時、皆が私を狂人だと言った」。そのリマックが急成長し、企業価値300億円に

最初のクルマ「コンセプト・ワン」発売時にもその状況は変わらなかったと見え、実際に売れたのはわずか10台。
しかしその後はメイト・リマック氏に時代が追いつき、多くの投資家がようやく同氏のヴィジョンを理解し始めて資金を投入しはじめることに。

その後2018年に発表された「C_Two」は「コンセプト・ワン」の10台に比較して150台を「わずか数日で」売り切ったところを見ると、ようやく消費者もリマックを理解しはじめたのだと考えて良さそうですね。

【動画】2009年創業時の従業員は10名→今は500名。現代の錬金術を成し遂げたリマックCEOが自社内部を紹介

ポルシェもリマックに「未来」を見出した企業のうちの一つ

そしてポルシェもやはりリマックに未来を見た企業であり、まずは10%、そして今回は15.5%の株式を購入することになったわけですが、これはポルシェがなしえないことをリマックは成し遂げることができる、ということを同時に意味します。

そう考えるとメイト・リマック氏は「世界を変えてしまう」ほどの技術を持つ人物だとも考えられ、ときおり各業界で登場する「天才」の一人なのかも(腕時計業界だとブレゲのような)。

そしてリマックはポルシェのみならず様々な会社へと技術供与を行う契約を結んでおり、他にはブガッティ、アウディがこれまでに報じられたところ。

これら2ブランドはポルシェと同じくフォルクスワーゲングループに属するので、この技術供与は「当然」といえば当然なのかもしれません。

そのほかはアストンマーティンもリマックから技術供与を受けるメーカーの一つですね。

そしてピニンファリーナのハイパーEV、「バッティスタ」もリマックの技術をかなりの部分で取り入れたクルマ。

一方でフォルクスワーゲンは中国のバッテリーメーカーと技術提携を行っており、これを見るにリマックの技術は「ハイパフォーマンスカー向け」でかなり高価なものであり、フォルクスワーゲンブランドがそれを使用することは無意味、ということなのかもしれません。

ただ、正直「リマックのどこが優れるのか」は正直なところ謎でもあり、ほかにもF1コンストラクターとして知られ、フォーミュラEにバッテリーをワンメイク供給するウイリアムズ・アドバンスト・エンジニアリングも高いエレクトリック技術を持つ会社のひとつ。
こちらはロータス、デンドロビウム(シンガポール)に技術を提供すると報じられていますが、目が話せないのがこれからの「バッテリー開発競争」だと言えそうです。

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