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トヨタ「自動運転は将来、重要な核技術になる。だが、いかなる技術、いかなるメーカーでもそれを実現できそうにないのが問題だ」

2019/12/08

| 自動運転の実現はクルマのみではなく、それが走る環境によっても左右される |

トヨタは2020年の東京オリンピックに向けて自動運転技術の開発を進めており、一部で選手の輸送などにこれを用いると発表済み。
加えて今回、トヨタのジェームズ・カフナー氏(グローバル・リサーチ部門)がNewcastle Heraldに対し、「将来、自動運転が重要な役割を担うのは間違いない。だが、現存するいずれの技術、いかなる自動車メーカーも”レベル5”の自動運転には程遠い」とコメント。

なお、同氏はかつてGoogleにて自動運転について研究していたことがあり、それだけにこの発言内容はけっこう重い、とも言えそう。
そのGoogleの自動運転開発プロジェクト、Waymo(ウェイモ)はルノー・日産・三菱と提携を行っており、公道走行データを外部に無償開放する、とも発表していますね。

そして同氏は現在トヨタ・リサーチ・インスティテュートに移籍してますが、トヨタは来年にようやくアップデートした「レベル2の」自動運転システム、「ランプ・トゥ・ランプ」を発表する見込み。
なお、この「ランプ」とは、日本で言うところのインターチェンジを指し、高速道路の入口から出口まで、ということになりそうです。

参考までに、現在日米欧で定義されている「自動運転のレベル」は下記の通り。

レベル0
ドライバーが運転に関する全ての操作を行う。
レベル1
加速・操舵・制動のいずれかを車両側が行う(自動ブレーキ含む)。
レベル2
加速・操舵・制動のうち、複数を車両が行う。
アダプティブ・クルーズコントロールもこれに該当。
レベル3
加速・操舵・制動を全て車両が行うが、緊急時や自動運転システムの限界時にはドライバーが操作を行う。
なお事故時の責任はドライバー。
レベル4
完全自動運転を車両が行い、ドライバーは運転に関与しない、または存在しない。
レベル5
レベル4に加え、走行に関して限定条件がない「完全自動運転」。

現在もっとも進んだ自動運転システムを持つのはテスラ?

自動運転については各社とも高い重要度を掲げて研究していると思われますが、実装されているものでもっとも高次元のものは「テスラ」が採用している「オートパイロット」だと思われ、これについては数々の動画にて見られるとおり。
ただしサモンモード(駐車スペースから、自分のところまでクルマが自動でやってくる)については「酔っ払い運転よりひどい」とも言われ、完全自立型の自動運転には程遠い、というイメージ。

そのほか日産が最新の「プロパイロット」にて限られた条件下にて”手放し運転OK”を謳っていますが、これもまだまだ「人が主体」であり、高速道路場といえどクルマに任せっきりとはゆかないのもまた事実。

自動運転はすべての自動車会社の夢だが

ほかに自動運転に力を入れているのはBMWですが、BMWは一時「i」ブランドを自動運転ブランドへとシフトさせようとしたほど。
中国政府と組んで公道での実験を開始すると報じられているものの、「個人向けとしては普及しないかも」とコメント。
この意図について詳細は不明ではあるものの、現在の道路は「自動運転向けに作られておらず」、クルマを完全自動運転化してしまうと、合流や割り込みがなかなかできなくなったり、人が(クルマの)前に立つともうクルマが動けなくなったりということを指しているのかも(たとえば要人の乗る自動運転車がテロリストに囲まれると、強行突破ができない)。

自動運転システムでは「安全」を最優先されることになるのは間違いなく、しかし現在の交通状況は「人の経験則や判断」によって流れているので、そこへ自動運転を持ってくると「機能しない」わけですね。

よって、自動運転がちゃんと機能するのは、「新しく作られた都市や区画」だったり、人と車とが分離された環境であり、すべての交差点に信号があるような環境しかないのだろうとも思われます。

もしくは、クルマを「センサーとカメラだらけ」にすれば現在の環境でも自動運転が(時を待てば)可能になるのかもしれませんが、それではあまりに車両が高価になってしまい、「自動運転システムを搭載したがためにうんと高くなってしまった」クルマを普通の人が買うとは思えず、コスト面においても自動運転は様々な問題を持つのかもしれません(新型スカイラインについても、自動運転を省いて安くなるのであれば、そのほうがいいと考える人も多いかも)。

それでも自動運転は「避けては通れない技術」「自動車業界の未来」であることに変わりはなく、自動車メーカーはいくつかのグループに分かれ、提携によって開発コストを平準化しながら研究開発を行っている状況。
ドローンのように「輝かしい未来」を嘱望されながらも規制によって一気にその将来が暗くなったというテクノロジーもあり、自動運転についても、どこかで重大な事故が起きれば一瞬で規制の対象になる可能性もあるものの、とにかく各社とも「前に進むしかない」のが現状なのでしょうね。

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