| 市販モデルにおいても、プロトタイプのデザインを忠実に再現してきたようだ |
日産が「GT-R50 by Italdesign」の市販モデル(CG)の姿を公開。
これは日産が「GT-Rの50周年記念」としてイタルデザインとともに開発・製造を行う限定モデル。
すでにプロトタイプは完成しており、なんどか公の場に登場しているものの、「市販モデル」としての公開は今回が初めて。
さらに実際の納車は2020年後半から開始されること、この市販モデル(おそらくプリプロダクションモデル)は2020年3月に開催されるジュネーブ・モーターショーのイタルデザインブースに展示されることも明らかにしています。※一方、プロトタイプは12/8に開催されるNISMO FESTIVAL at FUJI SPEEDWAY 2019にて展示予定。その後は日産・クロッシング、さらにオートサロンにも展示予定
NISSAN GT-R50 by Italdesignはこんなクルマ
NISSAN GT-R50 by Italdesignは上述の通り日産とイタルデザイン(現在はランボルギーニが株式を所有しているとされる)とのコラボレーションによって誕生したクルマで、その限定台数は50台。
そしてGT-R50 by Italdesignはけして次期GT-R(R36)を示唆するものではなく、あくまでも日産側が「もしR35 GT-Rに制約がなかったとしたら、こうなっているはずだ」という前提で内外装を改めてデザインしなおし、それをイタルデザインが実際に製造する、というクルマ。
なおイタルデザインはその名の通り「デザイン」が本業ではあるものの、実際にメーカーやコーチビルダーとしての機能も持っていて、車両の開発や設計、製造が可能な企業です。
ただし今回、デザインについては「(イタルデザインではなく)日産側」が行うことになり、そのデザインプロジェクトを率いたのは日産のアルフォンソ・アルバイサ氏。
このクルマはラインにて製造される量産車ではなく、いったん製造(完成)されたGT-R NISMOをイタルデザインに運び、そこで「全部バラして」カスタムを行うというコンプリートカー的な生産手法を採用すると言われ、過去にはプロトタイプの生産風景も公開済み。
【動画】日産GT-R50 イタルデザインの設計や開発、製造工程が公開に。これだけの手間をかけて1.2億はむしろ「安い」!?
とくにGT-R50 by Italdesignのルーフは5センチほど低くなり、これは「いったん屋根を切って短縮し、また繋げる」という方法を採用。
そのため、ベースとなるGT-R NISMOとは異なるボディサイズを持っていて、GT-R50 by Italdesignの全長は4784ミリ(4690)、全幅1992ミリ(1895)、全高1316ミリ(1370)というサイズを持っています。※カッコ内はGT-R NISMO
ちなみにエンジンは3.8リッターV6(VR38DETT)、出力は720馬力。
GT-R NISMOの600馬力に比較すると、実に120馬力ものパワーアップを果たしている、ということになりますね。
そういった理由もあって車両価格は1億2000万円ほどからスタートすることになり、大変高額な車となっていますが、それでも日産によれば、GT-R50 by Italdesignの生産枠は「あとわずか」。
つまり完売していない状態で、まだ注文ができるということであり、購入希望はGT-R50スペシャルサイトから申し込むことが可能となっています。
ちなみに日本市場において、このクルマの販売は日産ではなく、VTホールディングス株式会社のグループ企業、エスシーアイ株式会社が輸入から販売までを担当する、とのこと。
なお、すでにGT-R50を注文した人は実際に内外装の仕様を決めている段階だそうですが、日産のスポーツカー担当プログラム・ダイレクターのボブ・レイシュリー氏いわく、「ハイパフォーマンスカーを少量生産でテーラーメイドしていくイタルデザインとの本プロジェクトが提供するパーソナライズされた素晴らしい体験を私たちのお客さまは満喫しています。『Nissan GT-R50 by Italdesign』は、一台一台がそれぞれ最高傑作になることでしょう」とコメント。
ちなみに、GT-R 50 by Italdesignとグランドセイコーとがコラボした腕時計「スポーツコレクション スプリングドライブ クロノグラフGMT featuring Nissan GT-R50 by Italdesign」も発売されており、こちらの価格は2000万円に設定されています。
相当に高価で、高級車が余裕で買えてしまう価格はあるものの、GT-R50 by Italdesignの”1億2000万円”に比較すると、まだ妥当とも思えてくるのが不思議です。
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Nissan GT-R50 by Italdesignはこんな仕様も可能
そしてこちらが今回日産が行く地下公開したGT-R50 by Italdesignのバリエーションのひとつ。
グリーンにゴールドのアクセントが入っていますね。
ボディサイドには「73」のレタリング。
これは1972年の「スカイラインGT-R 2000レーシングコンセプト」をイメージしたものなのでしょうね。
こちらは初代スカイラインGT-R(KPGC10)っぽいイメージ。
スカイライン2000GT-Rっぽく、ドアミラーがブラックに。
Nissan GT-R50 by Italdesignはプロトタイプからどう変わったのか
このブルーの個体は「R34 スカイラインGT-R」をイメージしたもの(ただし「ベイサイドブルー」とはややトーンが異なる)。
ちょうどプロトタイプにおいても同様のカラーが公開されており、ここで「GT-R 50 by Italdesign」のプロトタイプ、市販モデルはどう変わったのかを見てみたいと思います。
こちらはプロトタイプ。
再現度はかなり高く、市販化にあたってはリアウインドウとそのサイド、リアフェンダーとリアバンパーとのバランス、テールランプのサイズがちょっと変わったという感じですね。
こちらはプロトタイプのフロント。
市販モデルはやはりこれを忠実に再現していると考えてよく、フロントグリルのフレーム(金色の部分)脇のパーツ周辺の「彫り」がちょっと変わっている程度であるように思えます。
VIA:NISSAN