| C8世代のミドシップコルベットは記録に残るヒットとなりそうだ |
シボレーのアメリカ地域を統括するバリー・アングル氏によると、新型C8コルベットの初年度(2020)生産分は「完売した」とのこと。
アメリカ地域に割り当てられたのは4万台であり、これらが全て売り切れたということになりますが、言い換えれば「欧州など他の地域」の割当はまだ残っているのかも。
なお、この「売り切れ」については、クーペのみなのか、それともコンバーチブルも含むのかどうかについては明確ではないようですね。
ちなみに7月末の時点で「新型コルベット(クーペ)の初年度分はほぼ完売」というコメントが出されていること(そこから完全に完売するまでに4ヶ月以上かかったとは考えにくい)、コンバーチブルがその後に発売されたことを加味すると、今回の40,000台については、クーペ、コンバーチブル両方だと捉えるのが妥当かもしれません。
ちなみにこの「40,000台」ですが、ポルシェ911の2018年における販売台数が35,600台なので、相当な数だと言って良さそうです。※マスタングは55,365台、チャレンジャーは46,699台、カマロは36,791台(アメリカ市場のみ)
実は新型コルベットはまだ生産されていない
なお、新型コルベットは現在まだ「1台も生産されておらず」、というのも生産開始がストライキによって遅れることになり、来年の春まで延期されたため。
シボレーは「最初に生産したコルベット」をバレット・ジャクソン主催のオークションにかける予定で、この収益金はチャリティー団体へと寄付すると発表していますが、トヨタGRスープラの1号車が2億3000万円の値をつけたことを考えると、C8コルベットの1号車は(アメリカ人の大好きなクルマだけに)もっと高値をつけるかもしれませんね。※アメリカ人は”最初の一台””最後の一台”が大好きで、メジャーなクルマはよくそういった名目で競売に登場する
新型コルベットは2021年モデルから大幅値上げ
そしてコルベット購入を検討している人にとっての悲しいお知らせが、「2021年モデルからの大幅値上げ」。
シボレーは、コルベットのモデルチェンジに際し、絶対に失敗できないというプレッシャーから初年度モデルの価格をかなり低く設定しており、その価格は「先代から60万円高いだけの約650万円(59,995ドル)」。
ポルシェ911どころかフェラーリF8トリブート、ランボルギーニ・ウラカンEVO、マクラーレン720Sと同等の性能を持ちながらも価格はポルシェ911の約半分、フェラーリ、ランボルギーニ、マクラーレンに比較すると約1/4といえばその安さがわかりやすいかもしれません。
新型コルベットの0−100km/h加速が「2.9秒」だと判明!650万円のクルマなのにポルシェ918スパイダー、ランボルギーニ・アヴェンタドールS、フェラーリ812、マクラーレン720Sと同じタイム
そういった値付けのせいもあり、コルベットが一台売れるごとにシボレーは220万円づつの赤字を出しているといいますが、一度にこれを回収できるだけの値上げは許されないと思うので、おそらくは数年かけてこれを「取り戻す」ことになりそうですね。
新型コルベット(C8)は一台売るごとに220万円も損していた!シボレーはこれを取り戻すために二年目以降に大幅値上げを行うと報じられる
ちなみにシボレーはC7世代のコルベット発売後にも、翌年に2,000ドル、その次の年にまた2,000ドルの値上げを行った実績があるといい、こういった「前例」を見ても、C8コルベットの値上げはまず間違いないと考えられます。
なお、ときどき思うのが、「C8コルベットにはゴルフバッグが2個積める」というのが(ヒットの理由として)大きかったんじゃないか、ということ。
現在、スーパースポーツにおいては、マクラーレンGT(2500万円くらいなのでC8コルベットの4倍くらい)以外はゴルフバッグが2つ載るクルマはなく、しかしぼくが小耳に挟む限りでは、多くの(スーパースポーツ)購入検討者がゴルフバッグ積載について気にしているため。
そしてアメリカだと日本以上に「ゴルフバッグに対する要望」が高いとも思われ、シボレーはそれを理解していたからこそ、C8コルベットにゴルフバッグ2個を載せることができるスペースを与えてきたのかもしれません。
VIA: Motor Trend