| スーパーカーが燃えやすいのは否定できない |
モナコの路上にて、フェラーリF40が炎上してしまうという悲劇が発生。
インスタグラムほかYoutube上にも動画がアップされていますが、このフェラーリF40はモナコでは有名な「直管仕様の」F40ではないか、とのこと。
これまでにも何度かその「直管仕様」のF40が走行する様子も公開されており、比較的有名な個体であったようですね。
現在のところ燃えた理由は不明ではあるものの、動画を見るにもはや全焼に近く、修復は困難なのかもしれません。
火の手はあっという間に広がる
動画を見ると、まず最初はエンジンルームから出火し、車体の下からも火が出ています。
そしてオーナーは両手を広げて「お手上げ」。
どんどん火が広がってほぼ全焼することに。
正確な情報はないものの、オーナーさんは車外に逃げており、周囲にもクルマや人はほとんど見えず、よって不幸中の幸いというか人的・物的被害は最小限だったのかもしれません。
ただ、フェラーリF40という貴重な遺産がまた一台燃えてしまったのはまさに大きな損失だと言えそうですね。
フェラーリF40はこんなクルマ
フェラーリF40は1987年に登場し、1992年にかけて1311台が製造(今現在、何台が残ってるんだろうな・・・)。
エンジンは3リッターV8ツインターボ、出力は478PSで、一般的な内装の内張り(カーペット)が存在しないという「レーシングカーのようなクルマ」。
とにかくスパルタン極まりないクルマでもあり、とくにクラッチの重さに起因する運転のしづらさはよく知られるところです。
発売時期がちょうど(日本での)バブル期であったということもあって、日本にも相当数が入ってきたと言われ、その中でも有名なのが「高速道路を時速320km/hで走行しているフェラーリF40の動画」。
まさかの公的出版物として発売されたビデオに収録されたものですが、このドライバーは一旦逮捕されたものの、当時の解析技術ではその速度が実際に出ているかどうかを判断できず、処罰が下されなかったという話もあるようです。
スーパーカーはなぜ燃える?
そしてスーパーカーというと、とにかく「燃える」という世間一般的な認識があり、実際のところ燃えることが多いのでそれは否定ができないところ。
そこで気になるのが「なぜ燃えるのか」ということですが、単に「熱くなるから」。
ガソリンエンジンの場合、出力が高いということはそれだけ大きな爆発が(エンジン内部で)起きているということになり、その熱がなにかに反応すると、ちょっとしたことでも燃えてしまうということですね。
いやいやナンボ熱くてもそんな燃えんやろという意見もあるかもしれませんが、たとえばブガッティ・シロンのエンジンは980度にも達し、この温度がどれくらいかというと、「マグマと同じくらい」。
その温度を下げるためにシロンには10個ものラジエターが備わっているとされ、つまりそれほどスーパーカーやハイパーカーのエンジンは熱くなる、ということですね。
よって、そこに燃料やオイルがちょっとでもかかってしまうと一瞬で燃えることになりますし、直接かからなくても「気化した燃料」がちょっと触れただけでも燃えることが。
フェラーリ458が発売された直後には数件の火災が発生していますが、この理由は「フェンダー内部の接着剤が熱で気化し、それが引火して炎上」というもので、つまりは一般的な認識では到底考えられないような理由で燃えるのがスーパーカー。
なお、もう一つ気をつけねばならないのが「パーツの劣化」で、特に燃料ラインは時間が経過すると樹脂パーツが劣化して「燃料などが漏れる」ことも。
よって各メーカーは一定のパーツについて交換サイクルを定めていますが、これを守らないとまた「燃える」可能性も出てきます。
そのほか、エキゾーストシステムなどを入れ替えた場合、その素材や取り回し/構造に起因して「想定以上の熱が出る/熱が抜けない」ということにもなり、そうなるとやはり発火の可能性が生じるわけですね。