| MIG-U1は「世界に一台」といえど、あまり値が付きそうにない |
様々なスーパーカー、ハイパーカーを世界中から紹介してくれる女流ユーチューバー、スーパーカーブロンディさん。
今回は中東からなんと「世界に一台」、ゲンバラMIG-U1のレビューを届けてくれています。
このゲンバラMIG-U1はエンツォフェラーリをベースにゲンバラがリリースしたコンプリートカーであり、ポルシェ専門ともいえるゲンバラがめずらしく手掛けた唯一のフェラーリ。
ゲンバラ創始者「最後の」作品
なお、このゲンバラMIG-U1はゲンバラ創始者、ウーベ・ゲンバラ氏の手になる最後の作品。
ウーベ・ゲンバラ氏は会社の資金繰りに窮してマフィアからお金を借り、返済できなくなって拉致された挙げ句に殺害されるという映画のような最後を遂げていますが、その殺害前(2010年以前)に手掛けたのがMIG-U1だと言われていますね。
もしかすると、ウーベ・ゲンバラ氏は、このMIG-U1を皮切りに、フェラーリのチューニングビジネスへと乗り出そうとしていたのかもしれません。
そしてこのMIG-U1はゲンバラにとって非常に規模の大きいプロジェクトであったようで、専用のウエブサイトを立ち上げたり(現在は閉鎖)、ミニカーが発売されたりとかなり大きなインパクトをスーパーカー業界に与えたものですが、生産予定台数25台のうち、実際に作られたのはわずか1台。
エンジンはECUそしてエキゾーストシステムのアップグレードにて700馬力を発生すると言われています。
なお、このゲンバラMIG-U1の所有者は、ドバイのスーパーカー販売店「エキゾチックカーズ」経営者一族だと(当時)報じられているものの、現在の所有者は不明。
MIG-U1は「ほぼすべて」が作り変えられている
そして画像を見ても分かる通り、MIG-U1はボディパネルのほぼ全てが作りかえられていて、まさに「バリバリのチューンドカー」といった印象。
1980~1990年代にはこういったカスタム(ケーニッヒとか)が全盛でしたが、今では見ることすら難しいデザインです。
とにかくダクトやトンガったパーツの多いデザイン。
フロントフェンダー上にはルーバー、そしてルーフにはシュノーケル。
もちろん当時そうとうに議論を呼んだクルマであり、フェラーリファンからは(当然ながら)否定的な意見が多かったようです。
そしてスーパーカーブロンディさんが試乗。
現オーナーは将来的に販売する予定があるのだと見え、シートには養生が施されています。
センターコンソールには「GEMBALLA MIG-U1」のロゴ、そしてウーベ・ゲンバラ氏のサイン。
シリアルナンバーは1/2010(2010年に製造された1台目という意味だと思われる)。
ステアリングホイールはエンツォフェラーリとほぼ一緒。
センターパッドは張り替えられているものの上半分のカーボンファイバー、LEDインジケーターは「そのまま」で、ウインカーはじめスイッチ類もフェラーリ純正を使用しています。
異なるのは両サイドそしてアンダー部のアルカンターラ部分ですね。
ダッシュボード中央にはカーナビゲーションシステムが追加され、助手席側にはキルティング処理がなされたパッドが付与されています。
リアバンパーにはカメラも装着され、内装同様に快適性や日常性を多少なりとも向上。
ゲンバラ「ミラージュGT」も登場
そしてこの動画で驚かされるのがゲンバラ「ミラージュGT」の登場。
これはポルシェ・カレラGTをゲンバラがカスタムしたクルマで、いくつかのバリエーションが存在します(総生産台数は25台とされている)。
右側の「グレー」は2019年にアップデートが施されて公開された個体のようです。
エンジンは612馬力から680馬力へとパワーアップされ、最新のカスタムカーっぽくホイールはじめ各部はブラック、そして918スパイダーを意識したのかプロジェクターヘッドライトのリング、ブレーキキャリパーやウイングにはアシッドグリーン。
こちらの個体は3台のみが生産された、ミラージュGT「ゴールド・エディション」。
その名の通り各部にゴールドのアクセントが付与されていることが特徴で、サッカー選手のサミュエル・エトオが乗っていたことでも知られます。
砂漠の真ん中に登場した合計4台のゲンバラにはびっくりですが、現在ゲンバラは親族によって再建中であり、ウーベ・ゲンバラの息子であるマーク・フィリップ・ゲンバラ氏がつい先日「自社設計のハイパーカーを発表する」とアナウンスしたばかり。
その復活に期待したいと思います。
ニューモデルのティーザー画像3連発。「ゲンバラのオリジナルスーパーカー」「完璧なBMW、”コンセプトi4”」「メルセデスEQA」
VUA:Supercar Blondie