| V12は生き残るだけでも精一杯 |
さて、先日はランボルギーニ・アヴェンタドールを「FR化」したレンダリングを作成したスケッチモンキー氏ですが、今回はFRであるフェラーリ812スーパーファストを「ミドシップ化」した作品を公開。
いつものようにその過程についても動画にて披露しています。
なお、現在フェラーリは各モデル間での差異を拡大しており、大きく分けてミドシップはスポーツ、フロントエンジン車はGT系といった分類ができつつあるように思います。
ただしそのフロントエンジン車の中でも812スーパーファストは例外的に「スポーツ」に分類されていて、性格的にはミドシップモデルに近いと言えるのかもしれません。
フェラーリ812スーパーファストのミドシップ化はこうやって行う
そしてここからはスケッチモンキー氏がレンダリングを作成する過程を紹介したいと思います。
まずこちらは現行812スーパーファスト。
そして同氏はフェラーリにおけるミドシップのデザインを解析。
こんな感じで、おなじミドシップといえどもフェラーリとランボルギーニとでは大きく差があり、ランボルギーニはいわゆる「ワンモーション」、そしてフェラーリではフロントフードとフロントウインドウとに明確な段差があります。
ちなみにランボルギーニ・ウラカンとフェラーリ458とでは全高が6センチほど異なり(信じられないが、フェラーリ458イタリアの方が6センチも高い)、これはフェラーリが「大柄な人が多い北米市場を重視しているから」だとも。
もちろんランボルギーニにとっても北米が最大のマーケットであり、そのために販売現場からは「ルーフを高くして欲しい」という強い要望があったそうですが、ウラカンの企画時に、当時チーフデザイナーだったフィリッポ・ペリーニ氏が断固この要望を拒否した、とも言われています。
次は812スーパーファストのミドシップ化にあたって「要変更」な部位を抽出。
その後はミドシップ化の実行開始。
ザクっとキャビンを前方へと移動させます。
Cピラーやリアフェンダーのエアインテークを調整。
812スーパーファストはドアサイドに特徴的な「くぼみ」がありますが、エアインテークがうまくそのくぼみとマッチしていますね。
ドアハンドルを追加し、ヘッドライトやフロントバンパー内のエアインテークを調整したのち、テール周り、エアインテークもさらに微調整して完成。
たしかにミドシップっぽいルックスへと変貌を遂げており、しかしF8トリブートやSF90ストラダーレの持つアグレッシブさとはまた異なるシンプルさ、優雅さがあるように思います。
こうやって見ると、「812スーパーファストのミドシップ」もアリなんじゃないかという気もしてきますね。
こちらが変更前、つまりオリジナルの812スーパーファスト。
なお、812スーパーファストは「V12」エンジンを積んでいるので、万一ミドシップ化されるのであればそのままV12エンジンを使用することになりそうですが、フェラーリのV12ミドシップは1994年に発売された512TRでその血統が途絶えており(その後、フェラーリのV12モデルはフロントエンジンの550マラネロへとモデルチェンジ)、復活の暁には大きな話題を呼ぶのは間違いなさそう。
ただしV12エンジンは環境規制によって存続が難しくなっており、フェラーリは「なんとかV12を生き残らせる」としているものの、これによってCAFE(二酸化炭素平均排出規制)にて定められる罰金を払わなくてはならないのは間違いなく、そのため現在のフロントエンジンV12モデルに加え、(さらに罰金が増加することになる)ミドシップ版のV12を追加するというのは「まず考えられず」、V12ミドシップは仮想世界の中のみに止まることになりそうですね。
VIA: TheSketchMonkey