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カッコいいじゃないですか!三菱GTO後継をイメージした「4000GT」のレンダリングが公開

2020/06/09

| もう三菱はハイテクスーパースポーツを作ることを許されないだろう |

レンダリングアーティスト、Matthew Parsons氏が「三菱4000GT」のレンダリングを作成して公開。

この4000GTは、かつて三菱が発売していた3000GT(日本だとGTOとして販売)の後継という位置づけですが、その各部にGTOへのオマージュが散りばめられています。

この三菱GTOについて、初出は1989年の東京モーターショー。

当時は「HSX」という名を持ち、その1年後にGTOとして国内販売を開始しています。

”1989年”は、日本の自動車産業にとってひとつの節目であり、というのも「トヨタ・セルシオ(レクサスLS)」、「マツダ・ロードスター」「ホンダNSX」の初代が発表され、かつ「日産スカイラインGT-R(R32)」「日産フェアレディZ(Z32)」という後世に名を残す名車が多数発表された年だから。

バブル期に(豊富な資金力をもって)開発されたクルマが多数発表され、日本車が世界で評価されるようになった礎をつくったという意味で、「日本の自動車産業における黄金時代」であったと記憶しています。

もちろん過去のGTO(3000GT)をリスペクト

そして今回の4000GTのレンダリング作成過程において、デザイナー氏は過去のGTOを徹底分析。

各部のラインや構成を解析し、「前後オーバーハングが同じ長さ(知らなかった!)」ということも導き出していますが、現代にこのクルマを蘇らせるにあたり、あえて変更している部分もあるようです。

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そしてこちらが完成した「4000GT(当初は4888GTという名称だったようだ)」。

ブラックアウトされたピラー、ボディと一体化したデザインを持つウイング、スリットなどがしっかり再現されています。

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フロントだと、バンパー全面の「横長アクセント」、バンパー下部のエアインテークやダクト(今風に、後ろにエアを逃がす構造を持っている)、リトラクタブルヘッドライト前のパーキングランプ等が現代風に解釈され、車体に反映されていることもわかりますね。

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なお、三菱が海外で「GTO」の名称を用いなかった理由は不明ではあるものの、そもそも「GTO」とは一般に「GTカーレースのホモロゲーションモデル」を指し、その元祖は「フェラーリ250GTO」だと言われます。

当時の日本では、さほど「GTO」が一般呼称化していなかったものの、海外市場では「GTO=グランツーリスモオモロガート」を指す一般的な名称であって特定車種に与える名称ではない」ということが浸透していたことが理由だったのかもしれません(よって、実際にレースに出ないのにGTOを名乗るのはあまりにおこがましい)。

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ちなみに三菱が「GTO」を車名に採用したのは1970年の「ギャランGTO」が初。

そのスタイリングはアメリカンマッスルをイメージしたものであり、名称についても「ポンティアックGTO(1964年~1974年)」を意識した可能性が大きいと考えています。

参考までに、北米では「三菱のネーミングセンスはイマイチ」という評判があるようで、「コルト」というネーミングがブーイングを浴びたことも。

この「コルト(COLT)」とは若い馬を表しますが、「マスタング(野生馬)」に乗っかったものだとか、馬にちなんだ名前をつければアメリカ人が喜ぶと思っているのかと批判されたわけですね(ただし初代コルトの登場は1962年、フォード・マスタングの発表は1964年)。

さらに三菱は「スタリオン(種牡馬)」というネーミングを採用したこともあり、こちらもあまり評判が良くなかったようです。

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そして「スタリオン(1982年~1990年)」といえばキャノンボール2にジャッキー・チェンとともに登場したことが印象的で、劇中での設定は「いかにも日本車というハイテクマシン(最新鋭のコンピューターを搭載するなど、改造が施されている)」。

この映画が(おそらくは)三菱=ハイテクというイメージを植え付けてしまったようで、そして実際に三菱は様々なハイテク装備をこれ以降のクルマに与えることになり、当のGTO(3000GT)についても、当時「日本車初採用」だったアクティブエキゾーストシステム、アクティブエアロを採用したことでも知られます。

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そのほか、アルミ製4ポット異径対抗キャリパー、ゲトラグ製トランスミッション、高張力鋼製ドライブシャフトなど多くの「日本車初」が盛り込まれ、ツインターボモデルでは当時自主規制枠ギリギリ、そしてR32 GT-RやフェアレディZ、ホンダNSXと同じ280馬力を発生。

ただ、それらのスポーツカーと比較すると「あまり人気化していない」のが現状ではありますが、その理由としては「ベースがFFのディアマンテだった」「ダクトの多くがダミーで機能していなかった」という事実が”ピュアスポーツではない”とエンスージアストんび判断されたからなのかもしれません。

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現在の三菱の窮状を見るに、GTO(3000GT)後継モデルは望めそうになく、さらに現在のルノー=日産=三菱アライアンスの中において、三菱の与えられた役割は「主に東南アジア市場における、トラックやSUVの開発と販売」なので、やはり「三菱製の新型スーパースポーツ」は夢のまた夢だと言えそうですね。

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VIA Matthew Parsons

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