| フェラーリにとって最初のMは1970年に登場していた |
フェラーリには「M」という文字が与えられているクルマがいくつかありますが、今回フェラーリは公式にて「M」の意味、そして「Mの系譜(血筋)」を表す動画そしてコンテンツを公開。
なお、直近の「M」は言うまでもなくポルトフィーノMであり、この「M」とはイタリア語のモディフィカータ(Modificata)を表しています。
このモディフィカータとはつまり改良を指し、フェラーリにとっては「修正・強化・進化させ、継続してパフォーマンスの改善を追求する」ことを意味しています。
はじめて「M」が与えられたフェラーリはレーシングカー「512M」
はじめてフェラーリにModificata=Mの文字が与えられたのはレーシングカーの512M。
512Sの空力性能、エンジン、サスペンション、ブレーキを強化した512Mが記念すべき最初のMであったようですね。
そして登場した1970年には実際に勝利をあげるなど、改善の結果を証明することに。
ロードカー最初の「M」はF512 M
そしてレーシングカーではなく、ロードカー最初の「M」であるのがF512M。
1994年のパリ・モーターショーにてデビューし、512TRからの変更としては「固定式ヘッドライト採用」「ブレーキ・サスペンションの変更」「エレガントな内装」「エンジンの改良」。
2代目「M」は456M GT
そして次なるMは1998年発表の456M GT。
456からはサスペンションやボディデザインが変更されていますが、このデザインを担当したのはケン・オクヤマ氏。
612スカリエッティにも通じる優雅なロングノーズへと変更されています。
3代目「M」は575M
そして次なるMは550マラネロの改良型、575Mマラネロ(2002年)。
ボディ形状やサスペンション(アダプティブダンピングシステム)が変更され、V12エンジンは5.5リッターから5.75リッターへと排気量がアップ。
ただし最大のトピックは、フェラーリのV12ロードカーとしてははじめてセミオートマチック・トランスミッション「F1」を採用したこと。
2020年には2つの「M」を名乗るフェラーリが
そして2020年に登場したのがポルトフィーノの改良型、ポルトフィーノM。
V8ツインターボエンジンの出力が620馬力へと向上し、エアロダイナミクスが改善されたほか、トランスミッションが8速DCTへ、そしてドライブモード(マネッティーノ)には5つのモードが装備されています。
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2020年に登場したもうひとつの「M」がレーシングカーの488モディフィカータ。
厳密に言えば「M」ではなく「Modificata」の名が与えられていますが、488GT3と488GTEからフィードバックされた技術を盛り込んだ結果、「持ち前のポテンシャルを最大限に発揮させると、技術的およびスポーツ競技の規制が設けた限界点を上回ってしまう」という過激な一台です。
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こうやって見ると、しばらく途絶えていた「M」の歴史が最近になって復活したということがわかりますが、フェラーリによると、「M」は「フェラーリにとって、あくなきパフォーマンスの追求を意味する言葉であり、その物語に終わりはない」。
よって、この「M」の称号はこれからもしばらく使用され続けることになるのかもしれませんね。