| マクラーレンはもともとレーシングファクトリーとして1963年に設立されるも、オフロードレースへの参戦は一切ない |
やはりオフロードレースでの実績を作り、SUV発売に結びつけたい?
さて、何を思ったかマクラーレンが「エレクトリックオフローダーを使用したレース」、エクストリームEに参戦すると発表。
マクラーレンはもともとブルース・マクラーレンがモータースポーツ参戦のため1963年に設立したレーシングファクトリーで、その後F1、カンナム、インディカー、GTレースほか様々なカテゴリに参戦していますが、その全てが「舗装されたサーキット」にて競われています。
なぜマクラーレンがオフロードに?
そこで気になるのがなぜマクラーレンが突如オフロードレースに参戦するのか?ということ。
マクラーレンはこれまでのモータースポーツの歴史において、ひたすらターマックのみで研鑽を重ねてきたにもかかわらず、なぜ今オフロードなのかが解せないわけですね。
今回のエクストリームEの参戦に際し、マクラーレン・レーシングCEO、ザク・ブラウン氏は「エクストリームEが発表されたときから、我々はこのシリーズの進展を注意深く見守ってきました。特に、脱炭素化、廃棄物削減、多様性、平等といった優先事項を共有する当社の包括的なサステナビリティアジェンダを加速し、後押しすることができるという点に注目してきたのです」とコメント。
加えて「フォーミュラ1は、インディカーやeスポーツのように、常に私たちの世界の中心にありますが、エクストリームEへの参入は、マクラーレン・レーシングにとって追加的なものであり、私たちのすべてのプログラムを補完し、サポートするものです。私たちはF1やインディカーでお馴染みのビッグネームと競い合うことになりますが、私たちが参戦するすべてのシリーズと同様に、競技目的は明確であり、それは”私たちは勝つために存在している”ということです」とも。
使用する車輌は「オデッセイ21」
このフォーミュラEには厳しいレギュレーションがあり、まず参戦するための車輌は全チーム共通のマシン「オデッセイ21」。
そして各レースでは、ドライバー2名に対し、サポート人員を4人のメカニックと1人のエンジニアに収めねばならないというものがあります。
マクラーレンはニコ・ロズベルグの「Rosberg X Racing」、ルイス・ハミルトンの「X44」、ジェンソン・バトンの「JBXE」に次ぐ「F1と関連性のある4つ目のチーム」となりますが、ここで何を得ようとしているのかは今のところ「謎」(これまでの経験、マクラーレンとのマッチングを考えると、フォーミュラEに参戦したほうが良いように思える)。
うがった見方をすれば、マクラーレンはここで「オフローダー」に関するノウハウを積み、勝利を重ねることで「マクラーレンとエレクトリックオフローダー」との違和感を排除し、「エレクトリックオフローダー市販化」に向けて動くつもりなんじゃないかと捉えることも。
マクラーレンはこれまで一貫して「SUVは絶対に発売しない」と明言してきたものの、現在は本社ビルすら売却せねばならない状況となっており、しかしランボルギーニやアストンマーティンが「SUVを発売することで、販売台数を倍にした」という現実を目の当たりにし、「なんとかSUV発売を正当化できる免罪符はないものか・・・。そうだ、エクストリームEしかない!」と思い至ったのかもしれません。
マクラーレンがエクストリームE参戦を表明した動画はこちら
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参照:Extreme E