【動画】限定350台のマクラーレン620Rも犠牲に！密輸されたスーパーカーや高級車、あわせて21台がブルドーザーによって破壊されるという「公開処刑」が実行される

｜　事情はわからなくもないが、罪を償うべきは犯罪者であってクルマではない　｜

もう十分に犯罪者予備軍へのメッセージは伝わったと思う

さて、これまでにも「関税を逃れようと、虚偽の申告をして輸入されたスーパーカーや高級車」を破壊してきたフィリピン政府。

今回もまた21台の高級車やスーパーカーを集めて意図的な「破壊」を行ない、その様子を関税局の公式Facebookアカウントにて公開しています。

破壊された高級車・スーパーカーの総額は約1億3000万円

今回破壊されたクルマの中にはマクラーレン620R、ベントレー・フライングスパー、ポルシェ911、メルセデス・ベンツSLK、ロータス・エリーゼといったクルマが含まれ、そのほかにはヒュンダイ・ジェネシス、トヨタ・ソラーラ、三菱ジープ（14台）もその犠牲に。

関税局によると、これらの車輌はそれぞれ2018年から2020年にかけてフィリピンへと輸入されたもので、それぞれ「違法に」申告されたもの。

それらを関税局が押収し、ロドリゴ・ロア・ドゥテルテ大統領が「政府が密輸に対して真剣に取り組んでいるというメッセージを発信するため」大統領指令2017-447に基づいて”公開処刑”されたわけですね。

なぜフィリピンではこんなことに？

このマクラーレン620Rはおよそ1年前にフィリピンの関税局にて押収されたもので、「ポルシェ・ケイマン」として申告を行い、マクラーレン620Rにかかる高額な税金を逃れようとしたことが報じられています。

マクラーレン620Rの現地での価値はなんと7130万円（3300万ペソ）で、この内含まれる税金は総額3630万円（1680万ペソ）だとされ、より価格（税金）の低いポルシェ・ケイマンだとして税関に虚偽申告することで、325万円（150万ペソ）の税金のみを支払うことで通関させようとしたようですね。

つまりは3630万円の税金を325万円に圧縮しようとしたことが「脱税」に該当するわけですが、フィリピンはこうした行為に対して厳しく対処することで知られ、過去に何度か、こういった脱税にて押収した高級車やスーパーカー、バイク等を「ブルドーザーで破壊」しています（今年で2度めらしい）。

もっと有効なお金の使いみちがないのかという疑問も

なお、このパフォーマンスについては、「一回目」こそ大きなインパクトを与えたものの、2回目以降となると「またか・・・」という印象。

実際のところ、こういった希少な車が破壊されるところを見るのは心が痛み、国内外からも「もっとこれらのクルマを有効に使えないものか」という声も上がっているようですね。

ただ、ドゥテルテ大統領としては「密輸業者に対し、強いメッセージを送る必要がある」として、この破壊行為をやめるつもりはいっさいない、という姿勢を貫いています。

なお、「密輸」はどこの国でも問題となり、加えて密輸でなくとも犯罪者から高級車やスーパーカーを押収する機会も多数。

国によってはそういったクルマたちをパトカーに転用したりオークションにかけ、その収益金を社会貢献のために役立てたりといった例もあり、願わくばフィリピンにもそういった対応を望みたいものだと思います。

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参照：Bureau of Customs PH