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シルビア復活?まさかの日産公式、初代シルビアをイメージした「エレクトリック世代の新型シルビア」がレンダリングにて登場

シルビア復活?まさかの日産公式、初代シルビアをイメージした「エレクトリック世代の新型シルビア」がレンダリングにて登場

| シルビアはいつの時代も先進的な試みが投入された意欲作だった |

さすがに日産のデザイナーだけあって初代シルビアの特徴がしっかり反映されている

さて、ヨーロッパ日産デザイン担当副社長、マシュー・ウィーバー氏がエレクトリック世代の「新型シルビア」をデザイン。

これは「日産の歴史上の車を電気自動車の未来に向けて再構築する」というコンセプトにて作成されたものですが、注目すべきはS13でもS14でもS15でもなく、初代SP311型へのオマージュとなっているところ。

日産は新型フェアレディを「初代フェアレディZ(S30)」風のデザインにて登場させており、この反応が良かったことから「リバイバル」に目を向けているのかもしれません。

具体的にこのシルビアを市販化する計画は公表されていないものの、レンダリングを見るに、初代シルビアのボンネットからフロントフェンダー、リアフェンダーからトランクにかけての特徴的なラインが再現されており、このルックスで発売されれば新型フェアレディZ同様に大きな話題を呼ぶことになりそうですね。

なお、アライアンス関係にあるルノーは「5(サンク)」をEVとして復活させる計画を持っており、日産がそれに触発された可能性も否定できません。

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日産シルビアはこういった歴史をたどっている

そこで日産シルビア歴代モデルを見てみたいと思いますが、まずは初代のCSP311。

フェアレディ1600 SP311と同じシャシーを使用しており、そのボディデザインは「クリスプカット」と呼ばれています。

価格があまりに高価であったことから販売は低迷し、わずか554台の生産にてそのライフが(1968年に)終了することに。※わずか59台のみが輸出されている

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二代目の「ニューシルビア(S10)」はブランクを経て1975年に登場し、北米を意識したスタイリングを持っていますが、逆にそれが日本では受けずに「トヨタ・セリカ、マツダRX3/RX5に大敗」した世代でもあります(1979年までの販売台数は4万8438台)。

なお、北米では「シルビア」の名称が使用されることはなく、「ダットサン200SX」を名乗っています。

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三代目シルビアには「ロータリーエンジン搭載」の可能性があった

そして三代目のS110は1979年に登場。

S10の大敗を受けて日産はS110を「最高のクルマに」仕立てようとしたといい、その案の一つとしてロータリーエンジンの搭載も考え、実際に試作車も作られたそうですが、そう簡単にロータリーエンジンを実用化できず(やはりマツダはスゴかった)、市販時には結局レシプロエンジンを搭載することに。

しかし「3ドアファストバック」は斬新なスタイルと装備によって大きな人気を呼び、S10に比較すると月販台数で倍以上、そして1983年の生産終了までには12万台を販売しています。

日本初のシングルアームワイパーやドライビングコンピューターを搭載したことでも知られます。

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四代目シルビア(S12)は1983年に登場し、リトラクタブルヘッドライト、日本初のサンルーフを搭載した先進的なクルマとして知られます。

ターボエンジンや、ドアハンドルに設けられたキーパッドで解錠するデバイスを(一部グレードで)投入するなど日本車離れした装備を持っており、1988年の生産終了までに2万9686台を販売しています。

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五代目シルビア、「S13」は1988年のバブル期まっさかりに登場し、「デートカー」としてホンダ・プレリュードと並び高い人気を獲得。

ただしデートカートしての目論みとは裏腹に、当時すでに絶滅しつつあった後輪駆動レイアウトを持っていたことから走り屋を中心に火がつき、1993年の販売終了までには歴代シルビアでもっとも多い30万2329台を販売することに。

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六代目シルビア「S14」は1993年から1999年まで生産されていますが、3ナンバー化されたことで走り屋からそっぽを向かれてしまい、生産台数はわずか8万5316台にとどまります。

3ナンバー化されたとしても排気量が2000ccを超えなければ税金は変わらないものの、日本では「5ナンバー信仰」が根強く、スカイラインやレガシィが「全車3ナンバー」化した際にも大きな批判が起きていますね。

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なお、S14シルビアについては、ボディが肥大化しただけではなく、文字通り「ふくらんだ」ようなデザインも不評を買い、よってマイナーチェンジではシャープさをイメージしたデザインが採用されています。

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七代目シルビア(S15)は1999年に登場し、最大のトピックは「5ナンバー枠」へとダウンサイジングしたこと(それほど当時は3ナンバーに対する批判が強かった)。

Aピラーにブースト計など追加メーターを埋め込むという「走り屋に媚びた」仕様を持つものの、時代はすでにクルマ離れが進んでおり、わずか3年11ヶ月という短い間に3万8523台を販売したのみで2002年にその生涯を閉じています。

当時ぼくはフェアレディZ(Z32)に乗っていましたが、当時の担当営業(名を中村といった)さんがこのS15シルビア、しかも改造車に乗っており、よく自宅に資料などを届けにそのS15シルビアに乗って来てくれたものですが、あまりに排気音がうるさく、近所から苦情が出たことを思い出します。

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シルビアは2002年以降生産されていない

2002年にS15世代のシルビアの販売が終了した後、シルビアはずっと「絶版」のままですが、EVとして初代にインスパイアされたデザインを持つ「新型シルビア」が登場するとなると、これまた「日産ファン歓喜」ということになりそう。

なお、歴代シルビアは意外と「日本車初」だったり先進的な装備や仕様を取り入れていて、マシュー・ウィーバー氏も「シルビアは、常に、しかし非常に静かで控えめな方法で、時代の先端を行っていました。よく熟成されており、現在でも一定のファンがいます。また、グローバルプロダクトに求められるもの、すなわち高品質で普遍的な魅力を備えていることを示す素晴らしい例でもあります」ともコメントしており、日産の中にもシルビアに対する熱い想いを語る人がいたのは嬉しい限りですね。

日産シルビアの変遷をまとめた動画はこちら

参照:Cars Evolution, Motor1

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