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カウンタックと並ぶスーパーカーの雄、フェラーリ512BBiが競売に登場!当時、ボクが一番好きだったのはこのクルマだった

カウンタックと並ぶスーパーカーの雄、フェラーリ512BBiが競売に登場!当時、ボクが一番好きだったのはこのクルマだった

| 子供の頃はフェラーリファンだったが、なぜか今ではランボルギーニに乗っている不思議 |

今ではもう、目にすることも難しいクルマになってしまったが

さて、1984年製、コンディション上々のフェラーリ512BBiがオークションに登場予定。

なお、フェラーリ512BBiはスーパーカーブームの際、ぼくがもっとも好きだったスーパーカーでもありますが、多くの人にとっても同様だったと見え、かのエリック・クラプトンもワンオフにて、フェラーリに依頼し「512BBにインスパイアされた」フェラーリSP12 EC(下の画像)を製作したことがありますね。

今回出品されるフェラーリ512BBiはこういった履歴を持っている

そして今回オークションにかけられるフェラーリ512BBiについて、比較的少ないオーナー、しかも愛情あふれるコレクターの手のみを渡り歩いてきた模様。

まず、このフェラーリ512BBiは、1983年6月にドナルド・メダリーなる人物によって新車で注文されたという記録が残り、しかしどういった理由からか彼の注文はキャンセルされ、フロリダ州フォートローダーデールにあるシェルトン・フェラーリの代表者であるトーマス・シェルトンに譲渡されることに。

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フェラーリのオーダーシートのコピーによると、この車はパイオニア製のラジオと(アメリカ仕様なので)マイル計をオプション設定しており、現在の仕様と同様にベージュのインテリアにブラックのペイントで仕上げられていたことが示されています。

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フェラーリの工場(イタリア)にてトーマス・シェルトン氏に引き渡されたのち、この512BBi1984年2月にロッテルダムから輸出されて10日後にフロリダに到着したそうですが、連邦政府発行の書類のコピーによると、フォートローダーデールにあるヨーロピアン・オートモーティブ・コンプライアンス社に書類が提出され、米国の排出ガス基準に適合させられたことが明らかになっているようですね(けっこうちゃんと記録が残っているんだな・・・)。

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この後、512BBiはアトランティック・ビークル・リーシング社に売却され、さらにフロリダ州ジャクソンビルのロジャース・オートモーティブ・インターナショナル社に所有権が移っていますが、このBBiは、ポンテベドラビーチのジェローム・フレッチャーが約2年間運転した後、シェルトン・フェラーリに返却されてサービス(メンテナンス)を受けたという記録(請求書)が残り、1986年までにはノースマイアミのピート・テイラーに売却され、しかし引き続きシェルトン・フェラーリがメンテナンスを担当することに。

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1990年頃になると、この512BBiはジョージア州アトランタのロバート・クラークの手に渡り、同氏はジョージア州タッカーにあるFAFモーターカーズに定期メンテナンスを依頼しつつ、2009年4月にイリノイ州パークリッジに住むティム・プルバンの手に渡るまで、少なくとも16年間保有することに。

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なお、この頃にあフロリダ州リビエラビーチにあるモータースポーツ・オブ・ディスティンクション社により、88,000ドル(約1000万円くらい)を超える大規模なレストアが行われています。

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2009年10月には、南カリフォルニア在住の著名なコレクターに売却され、少なくとも12年間にわたって所有されることになりますが、この期間、512BBiはカリフォルニア州カールスバッドにあるカバッロ・モータースポーツや、ロサンゼルスにあるGTOエンジニアリングでの作業を含め、定期的にサービスやメンテナンスを受けており、2020年7月には12,000ドル相当のコストをかけてメンテナンスを行ったほか、2015年には35,000ドルをかけてオリジナルカラーに(塗装をすべて剥離した後に)リペイントし、2016年7月には12,000ドルをかけてインテリアを修復した、とのこと。

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なお、1993年4月の時点では走行距離が15,700マイルだったと報告されていますが、今回の出品までには20,354マイルにまで増加しており、それだけ走ったというのは「調子がいい証明」なのかも。

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やっぱりスーパーカーといえばリトラクタブルヘッドライト!

ツールキットと取扱説明書が付属し、フェラーリのオーダーインボイス、輸出書類、連邦化協定、EPA認定、複数のオーナーによるサービスインボイス(納品書)のコピーも残っており、かなり来歴のはっきりした一台だと言えそう。

さらにオリジナルの内外装と同じカラーにレストアされているという点も評価が高く、将来に渡り高い価値を発揮すると考えられます。

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このフェラーリ512BBiのインテリアはこうなっている

そしてこちらは今回出品されるフェラーリ512BBiのインテリアですが、レストアされただけあってまさに「新車コンディション」。

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フェラーリらしいタンレザー、そしてデイトナシート(ブラックのインサートとパイピング)。

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金属の腐食、樹脂パーツのベタつきもしっかり取られているようですね。

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メーターはオプションのマイル計。

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パイオニア製の「カーステレオ」。

工場装着オプションだと紹介されており、フェラーリのエンブレムが見られるので「専用品」なのかも。

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フェラーリ512BBiはこんなクルマ

フェラーリ512BBは1976年に発売されたスーパーカーで、5リッターV2(これが512の名の由来でもある)エンジンを搭載し360馬力を発生。

なお、BBとは「ベルリネッタボクサー(水平対向エンジンを積むクーペ)」を意味しますが、実際にはこのエンジンは水平対向ではなく、構造的に左右ピストンがクランクピンを共有している「180度V型エンジン」(ボクサーエンジンはクランクピンがピストンごとにある)を採用しています。

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衝撃!フェラーリ512BB=ベルリネッタ・ボクサーに積まれるエンジンはボクサー(水平対向)ではなかった!

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そしてこの512BBが929台生産された後の1981年に登場したのが後継モデルであり512BBiですが、「i」の文字が示すとおりインジェクションシステムを導入したことが最大の特徴。

ただし排ガス規制に対応するために340馬力へとパワーダウンを余儀なくされており、それでもアメリカの排ガス規制に適合していなかったため、アメリカのフェラーリファンは個人的として、グレーマーケットを通じて購入もしくは輸入しなければならなかったと言われます。

この512 BBiは、1984年に生産が終了し、わずか1,007台しか生産されておらず、しかしそのシャープなコーチワークデザインと、初期の365ボクサーモデルと次期テスタロッサの中間的な存在として、現在でもコレクターの間で高い評価を得ている一台ですね。

予想落札価格は最高で4500万円程度だと目されています。

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参照:RM Sotherby's

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