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ロールスロイスCEO「今後発表されるであろうレイス、ドーン、ファントム、ゴースト、カリナン後継となるEVの価格はガソリンモデル時代と同じものとなるだろう」

2022/02/06

ロールスロイス

| ロールスロイスは「そのセグメントに応じた」適正な価格設定を心がけているようだ |

もちろん「利益が取れる」という前提であることは間違いない

さて、現在各プレミアムカーメーカーがEVへのシフトを進めているところですが、ロールスロイスもその例にもれず、おそらくはレイスの後継というポジションになりそうな新型EV「スペクター」のテストを開始しています。

なお、このスペクターのプラットフォームは「ファントム」に採用されるものと同じ「アーキテクチャ・オブ・ラグジュアリー(アルミ製スペースフレーム)」だといい、そもそもファントムの車体自体がフルエレクトリック化を想定した構造にて設計されているようですね。

ロールスロイスのEVは「先代」と同様の価格を実現

そしてレイスのみではなく、ファントム、ゴースト、カリナンといったロールスロイスのほかラインナップも2030年までにはモデルチェンジとともに完全電動化されるといい、ロールスロイスCEO、トルステン・ミュラー・エトベッシュCEOによれば「今後登場するEVは、それぞれの先代と同じくらいの価格設定となる」。

これはちょっと意外なコメントであり、というのもロールスロイスのクルマは大きく重く、その車体をモーターで動かそうとなると相当量のバッテリーが必要となるため。

そして満充電あたり航続距離についても「他のプレミアムブランドより短くするわけにはゆかず」、よってバッテリーの価格だけで相当なコストになるであろうこと(つまり車両価格も高価になるであろうこと)が容易に想像できます。

ロールスロイスの「スピリット・オブ・エクスタシー」

ただ、トルステン・ミュラー・エトベッシュCEOは「エレクトリック化が大きな課題であることは認識しているが、それが新世代モデルの価格上昇に繋がるわけではない」とも考えているもよう。

あわせてロールス・ロイスの価格戦略は決してコスト主導によって決められるものではなく、「セグメント主導」「実体主導」であると述べ、「スペクター」は現行レイスと同様に、セグメントに応じた価格設定になるともコメントしています。

これもやはり意外なところで、ロールスロイスというと「比較対象のない」クルマだと考えていたものの、実はけっこう他社製品の価格や自社のポジションを気にしていた、ということにもなりそう(たしかに、やたらベントレーを意識していた時期もあった)。

そしてファントムやカリナンのEV版もやはり同様の戦略を採用することになり、「ガソリンエンジン車と同じように、我が社は利益を生まない車を市場に送り出すことはない」とも語っていますが、これはつまり「コストが高くなっても車両価格を据え置き、そのぶんをロールスロイスが負担する」わけではなく「先代と同じ価格で販売しても利益が出るEVを作る」ということを意味していて、しかしその(コストを抑える)手法は今のところ不明です。

ロールスロイスの顧客は「EVを求めている」

加えてトルステン・ミュラー・エトベッシュCEOは「2030年という目標は、イギリス政府の目指す”2030年ガソリン車禁止令”にあわせたわけではなく、”可能な限り速くEVに移行が可能な”時期に定めただけ」だとも語っていて、となると全ラインアップEV化はもっと早く訪れる可能性があるのかもしれません。

さらに同氏は「ロールスロイスの顧客はEVを積極的に求めている(すでに他社製EVを所有している人も多いようだ)」とも主張しており、これはロールスロイスの顧客における平均年齢が比較的若いこと、そして何よりも新しいものが好きだったり、伝統にとらわれないからだとも。

なお、ロールスロイスというと「V12エンジン」を積むことが一つの特徴ではありますが、それ以上にロールスロイスを象徴するのは「静かな室内と快適な乗り心地」であり、幸いなことに、EV化によってそういった特徴をさらに強調できるという側面もあって、「エレクトリック化とロールスロイス」は相性が”非常に”いいのでしょうね。

ロールスロイス・ファントム
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参照: Autocar

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