| ただし勝手にデザインを借用すれば、それは著作権に触れるので要注意 |
よって、レプリカ製造の許可を得られる車種のみが生産可能ということに
さて、米国道路安全局(NHTSA)が「Low Volume Motor Vehicle Manufacturers Act」なる法案を認め、これによって小規模企業によるストリートレプリカの販売が可能になったとのこと。
この法案はSpecialty Equipment Market Association (SEMA)と米国議会によって提案されたもので、少量生産の自動車メーカーを優遇することを目的としており、これによって各メーカーは年間325台までのレプリカを生産または輸入できるようになるとされています。
デザインは25年以上前、パワートレインは最新
なお、この法案の面白いところは、「デザインは25年以上前の車両をベースにしなくてはならない(自社オリジナルデザインがOKなのかどうかはわからない)」こと、しかし「パワートレインには最新のエンジンもしくはゼロ・エミッション(具体的にはエレクトリックになるものと思われる)を搭載する必要がある」こと。
ただしこういった要件を守りさえすれば、現代の量産車に要求される高いレベルの安全基準を満たさなくとも合法に登録できることになり(クラッシュテストも免除されるのだと思われる)、大手だけしか負担できないような高額な研究開発費を捻出しなくてもよくなるので、少量生産メーカーにとっては「朗報」ということになりますね。
ちなみに今まではこういった法律がなかったため、少量生産車メーカーは「完成車」を提供することができず、かわりに「キットカー」を販売して消費者に組み立ててもらうという方法を採用していたわけですが、消費者のほうは「これからは自分で組み立てなくても、完成車を購入できる」ためにこれまた朗報ということになりますね。
これによってアメリカでは様々なクルマのレプリカが走行可能に
SEMAによれば、この法案に沿って製造販売されたレプリカの登録について、NHTSA(米国道路交通安全局)、EPA(米国環境保護庁)、CARB(カリフォルニア大気資源局)への届け出が必要なため、その認証プロセスには数ヶ月かかるといいますが、それでも生産者・消費者ともにメリットがあるものと思われ、今後は様々なレプリカが登場することになりそうです。
ただ、こういった「少量生産のレプリカ」が合法に登録できるようになったことと、「レプリカを作っていい」かどうかはまた別問題であり、そのクルマが25年以上前に発売されたものだからといって勝手にレプリカを作るとメーカーの有する著作権を侵害することになり、これは立派な違法行為となるわけですね。
よって少量生産車メーカーは著作権を有するメーカーから許可を得てレプリカを作ることになるかと思われますが、実際はここがもっともハードルが高い部分なのかもしれません(そのため、無許可のレプリカが大量に出てくると思う)。
なお、アメリカは昔から「自分で楽しむための」レプリカ文化が一般的であり、ポルシェ550スパイダー、356、そしてシェルビー・コブラなど様々なレプリカが(合法かどうかは別として)これまでにも販売されていますね。
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